巡航ミサイルと弾道ミサイルの違い(弾道ミサイル編)
昨年、岸田政権は亜音速巡航ミサイルのトマホークの保有を決定した。
それに対して極左や左翼・左派(反岸田政権の方々)から「遅すぎるから無駄だ!」「ポンコツだ!」「湾岸戦争時代の兵器!」といった阿呆な、時代遅れな意見が見られました。巡航ミサイル・弾道ミサイルの違いについてなど改めて知ってもらうためこの文章を投稿します。
ちなみに簡単に言うと史上初の戦略ロケット兵器、V1の子孫が巡航ミサイル、V2の子孫が弾道ミサイルです。
弾道ミサイルとは
防衛省によると
だそうです。
しかし、少し放物線状なだけで放物線に翔ぶわけではありません。
正確には落ちる人工衛星です。人工衛星は地球からの重力と地球との遠心力が力を打ち消し合っています。弾道ミサイルは打ち消し合うほどの速度がなく、地球に落下するというわけです。
弾道ミサイルの特性
射程:短いもので数十km、長いものは1万km以上
速度:射程1,000km級の弾道ミサイルの最高速度は毎秒約3km(マッハ約9)
高度:数百kmから1,000km以上
というもの。
弾道ミサイルの分類
ICBM 大陸間弾道ミサイル(intervontinental ballistic missile)射程5500km以上
IRBM 中距離弾道ミサイル(intermediate range ballistic missile)射程3000〜5000km
MRBM 準中距離弾道ミサイル(medium range ballistic missile)射程1000〜3000km
SRBM 短距離弾道ミサイル(short range vallistic missile)射程1000km以下
ASBM 対艦弾道ミサイル(anti ship ballistic missile)
SLBM 潜水艦発射弾道ミサイル(submarine launched ballistic missile)
ALBM 空中発射弾道ミサイル(air launched ballistic missile)
このようにMRBM以上から日本にとっては脅威となりうるわけである。
燃料の差
ニュースで固体燃料の弾道ミサイルという言葉を聞いたことはないだろうか。それもそのはず。液体燃料の弾道ミサイルか固定燃料の弾道ミサイルかで大きく異なる。
この図のように液体燃料の場合燃料を燃やして翔ぶ。そのため、酸化剤が必要である。
注:酸化剤とは相手を酸化させるもの(高校の化学基礎でやるのでもし忘れている方は今すぐ検索!)
宇宙開発での液体燃料ロケットの場合は酸化剤に液体酸素を使用する。しかしながら酸素の沸点は−183℃。そのため弾道ミサイルに長期間保存することは難しい。もし発射直前に酸化剤を注入するとなるとそれだけで敵に対して大きな遅れをとることになる。
ではなにを酸化剤としているのか。ソ連邦・ロシアは四酸化二窒素を使用している。四酸化二窒素は人体に有毒である。さらに金属を腐食させる特性まである。そのためロケットを燃料充填したまま保管もなかなかしにくい。(もう保管はできるようにはなってはいるが腐食性の危険な液体をためたままにしておくのは最適ではないだろう)
そこで開発されるのが固体燃料ロケットである。
固体燃料とは、旅館などで出されるようなこのような固形燃料のロケット版である。
この固体燃料だと液体燃料に比べて保管・貯蔵は優れている。しかしながら停止や再点火はできない。
これらの話しについて詳しく知りたい場合は多田将先生(https://x.com/sho_tada?s=20)のソヴィエト連邦の超兵器 戦略兵器編(https://amzn.asia/d/1gz88iX)を購入されることをおすすめする。
さいごに
弾道ミサイルについて今回まとめた。ニュースで弾道ミサイルについて出たときはぜひこの話しを思い出していただきたい。
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