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よく似た2種のオリックス。

 どうも皆さん、おはこんばんにちは。今回は、この前のベルリン旅で見てきた、2種類のオリックスについてのお話です。

1.2種それぞれの概要。

1-1.ゲムズボック。

 アフリカ南部の南アフリカ西部やボツワナ南部、ナミビアの乾燥した草原や半砂漠地帯に棲むレイヨウ(アンテロープ)の一種、それがゲムズボックです。

オリックスと名のつく動物は数種いますが、単にオリックスというと、大抵この動物のことを指します。

 3年ほど前、ナミブ砂漠のライブカメラがちょっとした話題になりましたが、それに映る頻度がかなり高かった動物としても記憶に新しい(?)ですね。

1-2.ベイサオリックス。

 アフリカ東部、タンザニア北部からエチオピア中部にかけて生息する、ベイサオリックス。乾燥したブッシュやサバンナが主たる棲家です。

かつて、ケニアの某保護区にて、ライオンがこの美獣の子供を育てたという話がありました。

 タンザニア北部とケニア南部には、耳の先に毛が生えている、フサミミオリックス(キリマンジャロベイサ)という亜種(あるいは別種)が暮らしています。
 近年、家畜との水場の競合や密猟等によって個体数が大幅に減ったといわれ、絶滅の危険度が高まりつつあります。

2.似ているところ、違うところ。

2-1.類似点。

 両者ともに乾燥した地域を好み、水への依存度は比較的低めなこと、雌雄共に長く伸びた角を持つこと、顔に隈取りのような模様があること等が代表的な共通した性質です。

ゲムズボックを横から。
ベイサオリックスを横から。

2-2.異なる点。

 2種の(外観的な)違いとしては、角の開き具合や身体の模様が挙げられます。ゲムズボックはV字の形に開いて伸びるのが普通なのに対し、ベイサオリックスはあまり開きません。

ゲムズボックを正面から。角がVの字のようになっているのがわかります。
ベイサオリックスを正面から。基本的に、角は割と真っ直ぐに伸びます。

 また、ベイサオリックスはゲムズボックにはある後脚の黒い模様がなく、脇腹や前脚の黒い模様が目立ちません。

 その他、DNAに違いがあること、分布域が大きく離れていて両者の移行的な種がいないことも、別々の種として分けられる所以となっています。

3.ベルリンでの観察。

3-1.Zoo Berlinにて。

 Zoo Berlin(ベルリン動物園)の本園の北東部に、シマウマやボンゴ等アフリカ大陸の大型草食獣が集まっている区域があります。その一角に、ゲムズボックがいます。

ゲムズボック展示場の風景。

 手前側には水場があり、水を飲む姿が見られることもあります。割と近くで見られるため、細部までじっくり観察するのに向いています。

長い間水を飲まなくても大丈夫ですが、水がある場所ではためらいなく飲みます。

3-2.Tierpark Berlinにて。

 Tierpark Berlin(ベルリン動物公園)の東の方、サバンナを模した大展示場にベイサオリックスがいます。

ベイサオリックスがいる大展示場の風景。

 オグロヌーやグレビーシマウマ等と一緒に暮らしていて、広い展示場を悠々と散歩したりしている様子を観察することができます。

同居相手のオグロヌー。右端にはグレビーシマウマ、左奥にはベイサオリックスが見えています。

 同居相手は分布域が一部重なっている(オグロヌーは、亜種フサミミオリックスと分布の重複箇所あり)種なので、あたかも本当の生息地を見ているかのような雰囲気を味わえます。

グレビーシマウマ(右)はベイサオリックスとは分布域が結構重複しています。

4.最後に。

 かつて、日本では2種類とも観察することができました(ベイサは天王寺等、ゲムズは姫セン等で飼育の実績がある)が、今では剥製でしかその姿を拝むことができない種になっています。

休息中のゲムズボック。いつか日本でも復活しないかな、難しいかな…。

 しかしながら、両者ともカッコ良さ溢れる種の1つだと思いますし、この2種をも含めた、日本では見られない種に会いに行き、観察することは海外旅の醍醐味です。
 海外旅行に行く際は、行き先の動物園にどのような動物がいるか事前に調べてみるのも良いでしょう。

 今回はこのあたりで〆とさせていただきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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