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ベルリン。2つの動物園。

 どうも、おはこんばんにちは。今回は、先日初の国外一人旅で訪問した、ベルリンにある2つの動物園について簡単にお話しさせていただこうと思います。是非最後まで読んでみてください。

1.何故2箇所存在するのか。

 ドイツの東部にある首都、ベルリン。ヨーロッパ有数の大都市に、規模の大きい動物園が2ヶ所存在します。1つ目がZoo Berlin(ベルリン動物園)、2つ目がTierpark Berlin(ベルリン動物公園)です。

 何故動物園が2箇所も…?、とお思いの方もきっといるかもしれないのですが、その理由を簡単にいってしまえば、かつてベルリンが東西に分断されていた名残です。

ベルリンのシンボル、ブランデンブルク門。分断時代は、すぐ近くにベルリンの壁がありました。

 第二次世界大戦でドイツが敗北した後、ドイツおよび首都ベルリンは西側諸国と東側諸国の影響下にそれぞれ置かれることになりました。このうち、動物園のなかった東側に新たに設けられたのがTierpark Berlinでした。

 かつて2園は競合関係にあったものの、35年前にベルリンの壁が壊され、さらにその翌年にはドイツが再び1つになった後は協力関係となり、今に至ります。

2.Zoo Berlin。

 旧西ベルリン側にあるZoo Berlinは、今年(2024年)に開園180周年を迎える、世界有数の歴史の長い動物園の1つです。

正門。荘厳な佇まいをしています。

 例えば、某独裁者の治世、そして第二次世界大戦の頃も含まれています。その当時はユダヤ人の入園が禁じられたり、空襲等戦争による影響で多数の動物たちが落命したりと人間も動物も凄惨な目に遭ったりしています。そのようなことも経験しつつ、今なおドイツ最古の動物園としてその歴史を刻み続けています。

キリン等の住居になっている、アンテロープハウス。150年以上もの間、園の象徴であり続けていて、現在内部には資料館があります。
ウシ科のニアラの向こうには、カバが見えています。その様はアフリカのサバンナを見ているかのようです。

 市街地のど真ん中に位置しているので、市民に加え観光客の姿が目立つ園でもあります。

パンダは地元の人たちにも観光客にも大人気です。

 ドイツでは数少ないパンダが飼育されている他、マウンテンボンゴ(ケニアボンゴ)やボノボにガウル等といった珍しい動物たちも少なくありません。

ウシ科のマウンテンボンゴ。野生下では、ケニアに100頭前後程度しかいません。
人間に近い類人猿、ボノボ。コンゴ盆地に群れで暮らします。
最大の野生ウシ、ガウル。インドや東南アジアのジャングルが棲家です。

 北東部から橋で隔てた場所には、分園があります。ここでは、各大陸の草原に分布する動物たちがのびのびと暮らす場所となっています。

本園側から分園にかかる橋を見る。
オーストラリア展示場。右側にエミューが見えます。

 また、水族館も併設していて、主に魚類や爬虫類が飼育展示されています。水族館では、EU圏では(多分)唯一の存在である、ニュージーランド特産の爬虫類、ムカシトカゲを見ることができます。

ムカシトカゲ。一般的なトカゲとは異なる分類に属します。

 水族館も含めた総飼育種数は非常に多く、全てを見ようとするとかなりの体力や注意力を必要とします。かくいう私も全てを見切れていなかったりします…(汗)。

3.Tierpark Berlin。

 旧東ベルリン側にある、Tierpark Beriln。来年で開園から70周年を迎えます。Zoo Berilnの方が35haなのに対し、こちらは160haと倍以上の面積を有しています。そのためか、沢山の人が訪れていてもさほど混雑さは感じにくいです。

出入口。すぐ西側には道路と路面電車の線路があり、その向こうには住宅街が広がっています。
サバンナゾウの飼育でも有名な園ですが、訪問時にはリニューアルの真っ最中。終わった暁には再訪問したいな…。

 園内全域は木々が多数生い茂っていて、森林散策気分で回ることができます。しかし、見通しが効きにくいこと、そもそも敷地面積が広いことが相まって自分が何処にいるのか分からなくなったり、目的地に辿り着きにくいリスクが大きいので注意が必要です。私も何度か方向感覚を失いかけました。

園内風景。訪問した季節(6月)故か、辺り一面緑色に染まります。

 その上、園内随所に展示場が点在しているので、全てチェックしようとすると、1日では到底足りないほどです。しかし、それだけ広い敷地内でのびのびと暮らす多種多様な動物たちの姿を堪能できるという点は大きな魅力です。

サバンナを模した大きな展示場は、オグロヌーの群れが住まう場所。
チベットノロバ(キャン)の群れが草を食む。

 動物たちのラインナップの豪華さもZoo Berlinに決して負けてはおらず、シベリアジャコウジカやバーバリーアカシカにコクレルシファカ等他の園では滅多に見られない、珍しい種が多数います。

シベリアジャコウジカ。シカ科とは異なる分類に属し、オスは牙が目立ちます。
バーバリーアカシカのメス。アフリカ大陸唯一のシカ科の動物です。
マダガスカル島特産のコクレルシファカ。人生で初めて見た、インドリ科の動物です。

4.最後に。

 歴史の波に翻弄されつつも、常に色々な人たちが動物についての知識を得たり、心の安らぎを求める場であり続けている2つの動物園。今や、旧東西ベルリン両市民のみならず、ドイツ中、いや世界中の人たちにとっての憩いの場となっています。

ウシ科のゲレヌク(ジェレヌク)のオス。ヨーロッパでは、ベルリンの2つの動物園のみでの存在です。


 交通のアクセスも良く両園ともそれぞれの最寄りの鉄道駅からは非常に近いので、ベルリン観光に組み込んでみるのも面白いかもしれませんよ。

 今回はこのあたりで〆とさせていただきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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