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質問力を磨こう - 聞き上手になるための4つのポイントを考えてみた

はじめに

学校や会社で「ここまでで何か質問はありますか?」と聞かれても、すぐに質問が浮かばないことはありませんか?私はこの経験が何度もあります。
そこで、最近「質問力」を高めるための書籍をいくつか読んでみました。そのアウトプットと今後の意気込みを兼ねて、質問力の磨き方と題して学んだことをまとめたいと思います。この記事が、みなさんの質問に困った時のヒントになれば幸いです。


質問とは

質問力の磨き方を考える前に、まず「質問」とは何かを考えてみましょう。質問とは以下であると考えています。

  • 問いかけた人や問いかけられた人が気づきを得られる問い

  • モヤモヤを解決するための問い

  • 相手の合意を得るための問い

質問は、一人だけが主役になるものでも、漠然としたものでもないと考えています。また、相手の考えを勝手に決めつけるのではなく、相手の考えを確認し、時には相手も気づきを得られる問いが質問だと考えています。(詳しくは後述します)

なぜ質問力が大切なのか

「なんで質問する力をつける必要があるの?質問する力がつくと何が嬉しいの?」こう質問したくなった方、良いですね😁
個人的に考えているのは以下3点です。

コミュニケーション力の向上につながる

質問は会話の起点になることが多いのではないでしょうか。そのため、良い質問ができれば会話の質も向上すると考えています。

課題発見力の向上につながる

質問は課題発見につながると考えています。特に、質問の1つとして述べた「モヤモヤを解決する問い」を立てられるようになると、課題発見しやすくなります。最近は、ChatGPTをはじめとしたコンピュータ技術が課題解決に優れてきましたが、一方で課題発見はまだまだ人間の方が優れているのではないでしょうか。その課題発見のもとが質問力になると考えております。

他の人の考え方を知ることで、思考模写をできるようになる

良い質問を通じて他の人の考え方を知ることができます。そして、他の人の考え方や人となりを理解することで、将来、自分が困難な状況に直面した際に「この状況では、あの人なら何を考えてどういう行動を取るんだろう」とその人の思考を真似し、自分の行動の選択肢を増やすことができます。つまり、質問力を上げることで他の人の思考模写ができるようになると考えています。

質問力を上げて聞き上手になるためのポイント

それでは、質問力を上げるために必要だと考えているポイントを書いていきます。今回、質問力の上げ方を学んで、特に大切だと考えたポイントは以下4つです。

  1. 聞く姿勢を磨く

  2. 相手の考え方を知れる具体的な質問をする

  3. 話をずらす質問をする

  4. 相手に気づきを与える質問をする

次の章からはポイントを1つずつ詳しくみていきましょう。

1. 聞く姿勢を磨く

「質問とは」の章では、質問とは「気づきを得られる」「モヤモヤを解決する」「合意を得る」ための問いであると述べました。そして、これらを達成するには良い質問をするだけでなく相手の話を引き出すために聞き上手になる必要があります。そこで、はじめに聞く姿勢についてみていきましょう。

好奇心を持つ

良い質問をする前に、まずはどんな内容でも良いので質問できるようになることが大切です。そして、その基盤となるのが好奇心だと考えています。
知らないものを見た時に「これは何だろう?」「これはなぜだろう?」と問いかけることが質問につながります。「気になる!」という好奇心が、良い質問への第一歩となるのです。

勝手に決めつけずに確認する

「決めつけない」ことも質問力を高めるために大切だと考えています。勝手に決めつけると、バイアスがかかり自分にとって都合の良いように考えて、本来の相手の考えとは異なったように物事をとらえかねません。自分なりに予想することは大切ですが、相手の言動を見聞きして予想したことは本当にそれが正しいのかを質問すると良いでしょう。

あいづちを打つ

相手の話に共感や理解を示すあいづちを打つことも大切だと考えています。共感できる内容や理解できる内容ならうんうんと頷き、びっくりする内容なら驚くなど、相手の話に応じて素直にあいづちを打つと相手も「話をよく聞いてくれている」と感じて話しやすくなります。また、あいづちは「あなたの話をもっと聞きたい」と言う印象も与えるそうで、話を引き出す時に効果的だそうです。

おうむ返しをする

おうむ返しもあいづち同様に「あなたの話をよく聞いています。そして、もっと話を聞きたいです」と感じさせる効果があるようです。
また、直前の発言だけでなく、数十分前や数日前に相手が言ったことを話に出してみるのもおうむ返しの1つとして良いそうです。相手からすると、過去に自分が発言した話には自然と興味が湧いたり、内容に肯定したくなって「もっと話したい」と思う効果があるためです。

相手が話し終わるまで待つ

質問した後、相手が答える中で「間」があく場合でも、話が終わるまでじっと待つのが大切だと考えています。間が耐えきれず、相手の話を途中でさえぎってしまうと「話を最後まで聞いてくれない人だ」と思われかねません。
特に、口数の少ない人にとっては「間」の時間も会話の一部です。その間の時間にどう話そうか頭の中で考えているかもしれません。明らかに会話が終わったような間でなければ、待っているのが良いでしょう。

自分と異なる考えでもいったん受け入れる

質問の回答が自分の考えと異なる場合でも、いったんポジティブに受け入れることも良いでしょう。相手から話し始めた内容であればネガティブに反応してもまだ問題ないかもしれませんが、こちらから質問しておきながらその回答にネガティブに反応すると、相手も話しにくいと感じるかもしれません
書籍「博報堂クリエイティブプロデューサーが明かす 「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。」では、相手の話に「ポジティブ→ポジティブ→ネガティブ→ポジティブ」と反応する「ポポネポ」という聞きたいことを引き出す術が紹介されています。いったんポジティブに相手の言うことを受け入れることで、ネガティブなところについて言及した時に、相手自身から見解を話してくれやすくなります

2. 相手の考え方を知れる具体的な質問をする

お待たせしました。ここからは良い質問をするための考え方を見ていきましょう。

相手の過去の経験を聞く

良い質問の1つに「相手の考え方を知るための具体的な質問」があると考えています。そのためには「相手の過去の経験を聞くこと」が効果的です。例えば、「家事を上手く行うコツを知りたい」と思ったとき、「家事のポイントは何ですか?」と聞くより、「過去に食器洗いで工夫したことは何ですか?」「洗濯物を干すときに工夫したことは何ですか?」と過去の経験を具体的に聞くと、相手が考えている工夫ポイントが明確になります
過去の経験に基づいた質問は答えやすく、また過去の相手の行動がその人の考え方や人となりを表すことも多いです。逆に、抽象的な質問は答えにくく、具体的な回答が得られないことが多いです。「家事のポイントは?」と聞くと、「楽に家事を行える仕組みを作ること」のようなぼんやりとした答えが返ってくるかもしれません。具体的な回答が欲しいのならば質問も具体的にするのが良いでしょう。
具体的に過去の経験を聞く質問として、きっかけや工夫した点を聞くのがいろんな場面で使えて便利です。

文脈に沿った質問をする

話の流れに応じた質問をすることも大切です。例えば、営業No.1の先輩に質問するチャンスがある場合、「経理処理のポイントはなんでしょうか?」と聞くのは良い質問でしょうか?せっかく営業スキルがある人が目の前にいるのですから、経理のことではなく営業のポイントを聞く方が良いでしょう。
また、一般的な知識を問うような質問ではなく、その人だからこそ答えられるような質問をすることも大切です。例えば、プロ棋士の藤井聡太8冠に質問する場合、将棋のルールを質問するより、過去の棋譜についてなぜその戦型を選んだのかを聞く方が、藤井8冠の考え方を深く知ることができます。
相手と会話の文脈に応じて、その人だからこそ答えられる質問をすると良いでしょう。

1つの話題を深く聞く

話題が変わりやすいと、質問が尋問のようになり、回答する側は答えにくく感じてしまいます。これを防ぐために5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって)を組み合わせて深掘りするのがおすすめです。例えば、ある人が「北海道に旅行に行くのが好き」と言ったら、「北海道に行きたいと思ったきっかけは何かあるの?」「特にどこに行きたいの?」と質問することで、相手の考え・好み・人となりが分かり、気づきを得られるかもしれません。1つ話題を見つけたらそれを深ぼってみると良いでしょう。

3. 話をずらす質問をする

相手との会話で同じ話題について話していても、いつかは話すことが尽きてしまいます。そこで、話題を変えていくような「話をずらす」質問についても考えていきましょう。

「具体的に → 例えば → この他に」の順で話を進める

この3つは話題を徐々に変えていくときのキーワードだと考えています。「具体的に」でかみ砕いて説明してもらい、「例えば」で例示して説明してもらい、「この他に」で他の事例に移ります。
そして大切にしたいのはこの3つを出す順番です。書籍「博報堂クリエイティブプロデューサーが明かす 「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。」では、以下のように述べられています。

いきなり「他にある?」と聞いてしまったら、発言を全部否定することになる。最後に「具体的に言ってください」と言うと「ここまで理解できていなかったのかよ!」と疑われてしまいます

博報堂クリエイティブプロデューサーが明かす 「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。

話の内容を詳細に確認しつつ話題を変えていくためにも「具体的に → 例えば → この他に」の順を意識してみても良さそうですね。

まず自分の経験談を話して、相手の経験談を聞く

例として、テレビ番組「酒のつまみになる話」が挙げられます。この番組では、ルーレットで当てられた人がまず自分の体験した話をして、その話題に関連して他の人の体験や他の人の考え方を聞いています。この「自分の話をしてから、関連する話として他の人に質問する」ことが、他の人の考え方や人柄を引き出す良い質問につながると考えています。
相手からすると、いきなり自分の経験談を質問されるよりも、はじめに質問者の経験談を言ってもらうことで安心できるものがあるのではないでしょうか。特に話題を変える質問をする場合にこれが有効だと考えています。

4. 相手に気づきを与える質問をする

「質問とは」の章では、質問とは「問いかけられた人も何らかの気付きを得られる問いも質問の1つ」と述べました。質問力という書籍では「答えている当人が思いもしなかったことが導きだされるような、クリエイティブな質問をすることが『質問力』の最終目標である」と述べられています。そこで、良い質問をするポイントとして、相手に気づきを与える質問を取り上げます。

現実と理想の差を埋める

相手に気づきを与えるために、「現在はどうなってますか?」「本当はどうありたいのですか?」「そのために何が必要と考えてますか?」というように現実と理想の差を埋める質問が有効です。ここで大切なことは、相手に考えてもらうことです。「現実と理想の差を埋めるのに何が必要か?」という質問に対して、質問された人は即答できない時もあるでしょう。それでも横からアドバイスしてしまうのではなく、「相手が話し終わるまで待つ」を実践して相手が答えるのを待ちましょう。また「自分と異なる考えでもいったん受け入れる」を実践することも大切だと考えています。一見高すぎる理想を答えられたときに「それは無理だ」とネガティブな反応をするのではなく、あくまでも相手に寄り添う形でポジティブに反応するのが良いでしょう。
答えてもらうことで、質問した人にとっては相手の考えを知ることができ、質問された人にとっては自分の考えを整理して新しいアイデアを得られるかもしれません。

カウンセリングをイメージする

「現実と理想の差を埋める」にも近く、似た言葉としてコーチングとも言えるかもしれません。あくまでも自分は問いを立てることに重きを置いて、相手に考えてもらって、相手に答えを出してもらうことが大切です。
正直なところ、私自身まだカウンセリングやコーチングをイメージした良い質問のポイントが何なのかは分かっていません。しかし、相手に気づきを与えられる質問もあるのだという意識を持ち、「何かを教えるときに無理に解決策を示さなくても問いを立てるだけでも良いのだ」と考えると、人への接し方の幅が広がるかもしれません。
これを考えると、質問力を磨くことは、子育てや部下の育成など教育の分野でも活かせるでしょう。

おわりに

相手から話を引き出すための聞く姿勢や、良い質問をするための心がけをみていきました。何か参考になったものはありましたでしょうか!
1つでも参考になったものを実践してより良い質問に繋げられると幸いです。私も頑張ります💪

参考

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