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第25回全国学生邦楽フェスティバル 前夜祭~デモンストレーションコンサート~ライブ配信について振り返る
2021年8月7日、京都アスニーの和室にて、第25回全国学生邦楽フェスティバルの前夜祭~デモンストレーションコンサート~が行われた。本稿では、ライブ配信を担当させていただいた私の振り返りを綴っていく。
なお、このライブ配信は完全にワンオペ(一人作業)で行った。ライブ配信初心者の体験談として、これから配信を始めたい人の一助となれば幸いだ。
前夜祭~デモンストレーションコンサート~
プログラム
1.楽市楽座
2.風三章
3.F・L・Y
4.組曲「竹取物語」より 祝宴
5.三曲YAGIBUSHI
誰が配信したのか
配信を担当した好田については、下記のnoteに軽くまとめているので、こちらを参照していただければと思う。
配信環境
2021年8月時点では、京都アスニーはインターネット回線が来ておらず、使うならKYOTO-WIFIを使ってくれというスタンスだった。
通信速度の実測はしていないが、流石に速度の担保できないフリーWIFIで配信する勇気はなく、スマートフォンからのテザリングで配信を行った。結果、フレーム落ちも発生してしまったので、この選択が良かったのかどうかの判断は出来ない。
配信機材
使用した機材は下記の通り。持ち運びがしやすい構成になるように機材を選んでいる。
ビデオスイッチャー
・ATEM Mini Pro
オーディオインターフェース
・Zoom LiveTrak L-8
配信ソフトウェア
配信はOBS Studioを用いて、YouTubeで行った。
チャットが盛況になればライブ感が得られるのではないかと考え、映像にYouTubeのコメントを載せた。後述するが、これは完全な蛇足だった。
・OBS Studio
YouTubeのコメントを表示する方法
カメラ
カメラは下記の3台、ATEM Mini Proで切り替えた。
・カメラ1:Lumix DMC-GH5S、レンズ:H-ES12060
・カメラ2:Lumix DMC-GH5S、レンズ:H-VS014140
・カメラ3:Lumix DMC-GX8、レンズ:H-X025
マイク
マイクは下記の3台4チャネル。Zoom LiveTrak L-8に入力して整えた。
AKG P220だけでは音にまとまりがなかったので、Zoom H3-VRを中央に配置し混ぜ込んだ。こうすることにより、好田の耳には生の音に近い印象の音が聴こえており、音質にはそこそこ満足できるものになったのではないだろうか。
・マイク1:AKG P220
・マイク2:AKG P220
・マイク3:Zoom H3-VR、ステレオLine出力
セッティング
長机一つの上に機材を並べた。PCも含めコンパクトに収まっている。
マイクの配置の写真。カメラはより中央に移動させた。しっかりとした雲台が付いた三脚を1つしか持ってこなかったため、このカメラには頼りない三脚を使用してしまっている。このため、人が近くを歩く度に、カメラ1の映像が揺れてしまった。
各機材の配置の模式図は下記の通りとした。全て一人で作業するため、どうしてもカメラの位置はPCを配置した位置に集中してしまう。
振り返り
配信後、帰宅して配信の振り返って、ツイートを上げた。ここでは、現場の状態を記載するとともに、ツイートの内容を箇条書きにまとめる。
・M.C.用にマイク要るね。
楽市楽座・風三章はキレイに配信出来ている?
※演奏の配信しか頭になく、M.C.の事を考えていなかった。声が全く拾えていない。ライブ配信するのならば、M.C.用にマイクは準備が必要だと痛感した。ただ、演奏自身は綺麗に拾えていたのではないだろうか。
・F・L・Y途中くらいから遅延発生。
※この時、OBS Studioの一番下の表示「ドロップしたフレーム」が急激に上昇する現象を確認した。PC上で表示される映像が一瞬固まった記憶がある。「ドロップしたフレーム」が上昇する原因はアップロードの通信速度の問題や、サーバーの問題が考えられるという。今回の配信では、スマートフォンからのテザリングで行っていたので、アップロード速度が追いつかなかった可能性が高い。
・祝宴は音ズレひどいな。途中で音止まるし。
演奏は上手なのに、申し訳ない。
演奏前に修正したつもりだったけど、悪化させてたか。
※前述のように、F・L・Yの途中でOBS Studioの「ドロップしたフレーム」が上昇したため、PC上で表示される映像と音にもズレが生じていた。
これを解消すべく、祝宴の演奏前に、Zoom LiveTrak L-8の再起動と、Atem mini Proの再起動を行った。OBS Studio上の遅延はマシになったように感じていたが、結果は前述の通りで、『この方法では改善しない』ということが分かった。
・コメントでお顔を隠してしまったのも申し訳ないな。場所の修正したつもりが、反映できてなかったり、素人ワンオペには試練だった。PC側では音ズレここまでひどく出てなかったのだけれども。配信は難しいね。
※YouTubeのコメントを映像に載せていたが、チャットが盛り上がることもなく、完全に蛇足となってしまっていた。
・三曲YAGIBUSHIは音ズレ修正できている。
演奏前に機器の再起動をかけたのが良かったみたい。
ごまかすよりも、再起動を挟んだ方が良さげかな。
※三曲YAGIBUSHI前には、音ズレを解消するために、Zoom LiveTrak L-8・Atem mini Proの再起動と共に、OBS Studioの再起動を行った。遅延の解決には、OBS Studioの再起動がクリティカルに効いたように感じている。
・基本的には、画質・音質は悪くなかったのではなかろうか。
配信が不安定(機器の不調・スマホテザリングでの配信)で遅延が大きかった点は、機器の再起動で切り抜けられそうだと分かった点は大きい。
明日の若者コンでは録画を流すタイミングでは機器を切ろう。
・それにしても、みんな上手いな。
聴いてて心地良かった。
何より、楽しそうだったのが素晴らしい。
結果的にこの配信だけで、作業のバグ出しがかなり行え、私の経験値が貯まったように感じている。
遅延が多かったり、問題があった曲については録画データを基にして再編集をしようと考えている。
まとめ
本コンサートで私が得たライブ配信の知見をまとめる。
・楽器用マイクと、M.C.用マイクは別に準備すべき
・マイクは多数個必要。混ぜると音が馴染む。
・カメラは揺れないように、しっかりとした床・三脚に固定必要
・YouTubeのコメントの映像への表示は蛇足(場合によるだろうが)
・テザリングではフレーム落ちは覚悟すべき
・音ズレを解消するにはOBS Studioの再起動が最適
並べてみると、『当たり前の事がなんと多いことか!』と思うが、やってみて体感した知見は身に染み込んでいるだろう。
実際、私の中での本番であった若者による邦楽コンサートでは、このあたりがかなり改善した配信が出来ている。
これらの経験を踏まえて、演奏会の配信や録画のお手伝いをしていきたいと考えている。少しでも興味があれば、是非お声掛けいただきたい。
次回は、若者による邦楽コンサートについてまとめたいと考えている。