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フォロワーさん0人になる覚悟はないけど、写真界に対し思ってること書いてみた。【後編】

◆目次
【前編】
・自己紹介
・写真のプロって?
・いい写真って?
【後編】
・なぜマウントの取り合いがはじまるのか
・写真を「仕事にする」ということ
・写真を撮る人としてのあり方が問われる時代

この記事は後編になります。
前半を読みたい方はこちら^^

いろいろと前編の記事に反応いただきありがとうございました。
知る人ぞ知る元ネタを知っている人向けにちょっとしたネタ的に記事を書いてみたのですが、思いの外反応あって後半もっとちゃんと書かなきゃと思いました^^;

やはり「いい写真」というのは難しいというか、それぞれのフィールドがあるというところで共感していただきよかったです。

さて、後編はまず、そんな中でも何かと定期的に起こるSNS上でのマウントの取り合いについて思うとところを言葉にしていきたいと思います。
元々のネタが実はここだったんですね。
もうすでにnoteの記事は消され、Twitterもアカウント削除されたようですが・・・

それでは言語化していきましょう。

■なぜマウントの取り合いがはじまるのか

そもそも「マウント」というのもここ数年で流行ってきた言葉ですよね。
マウンティングというのは動物が相手に自分の力を誇示するために馬乗りになる様から来てると言われ、僕自身は沢尻えりか出演のファーストクラスというドラマで知りました。

流行りはじめた当初は女の子同士が、妬み僻みから相手より自分の方が優位だと思いたいがゆえに、相手へ自分の方が上だと誇示する様がマウンティングと言われていた気がします。

結婚している女子が、「独身女子に対してマウンティングする」的な。

写真界隈にこれを持ってきたときに、色々なマウントの取り合いがあり、それがSNS上で炎上する案件がたくさんあります。

単にあいつは写真が下手で自分の方が上手い!というものから、プロカメラマンがアマチュアに対してマウントをとったり、よりいい機材を持っている人がそうでない人に自分の方が優れた機材を使っているということを示す「機材マウント」と呼ばれるものだったり。
昨年は、ストラップ云々で炎上した案件もありますよね(笑
いや僕、がっつりディズニーヲタ丸出しのストラップでプロの現場行ってますからぁぁーー!(幼稚園の先生や生徒たちにはばっちりのウケですw)

今回の写真界隈に物申す!的なものは「イキり」とも呼ばれますが、要は「俺の方が優れているのに、なぜに評価されない?」という深層心理が働いているのが前面に出てしまうので嫌われ炎上案件となります。

関西では「大阪のアートはレベルが低い」と発言しちゃった人が炎上していましたね。本人は後からツイ消しして誤解だと言っていましたが、元ツイの文からは誤解もなにも普通に文として読んで主語と述語の関係を現代文として読み解いても、本人の真意とはまったく別の文章になっていましたね。

さて、SNSの写真界隈で自分の方が優れてるぞ!というのを主張する一つの目に見えやすいものが「フォロワー数」であり「いいね」「RT」の数だったりします。これが、いわゆるマウントのとりあいの要素になっていたりします。
先日、ビリヤード台の上にピンヒールで乗って撮影している写真あって、それってアウトじゃ?っていうのを言ったのに対し、このカメラマンはその写真のイイね数で「写真を評価してくれる人が多くて感謝」と言っていて残念でした・・・


今回の炎上元の人は本人が「1万フォロワーのカメラマンにもフォローされてた!」という文や、「普通にやっていれば今頃1万は余裕で超えてた」と多少なりとも有名カメラマンにフォローされていることやフォロワー数がマウンティングに使える要素となってしまっていましたね。

いやいや!お前もフォロワー増やししてるじゃん。っていう解釈もあると思いますが、僕の場合は完全にマーケティング戦略の1つなので「仕事」として必須なものに当たります。テレビCMを何十億とかけて視聴率高いドラマのスポンサーになることはマウンティングではないですよね。
撮影会を運営していたり、PR案件を獲得したり、フリーとして仕事を獲得する一つの手段としてSNSのフォロワーがというのは僕にとっては大きな意味を持ちます。
3000フォロワーのときの撮影会の埋まり具合と、6000フォロワーのときの撮影会の埋まり具合では明らかに差があります。

こういった目的ではなく、「相手に力を示すため」というのが目的になると拗れてくるのがSNSの世界です。

そしてよくも悪くもSNSは写真界隈とは非常に親和性が高いものです。
拡散されやすいコンテンツです。
前編でも書きましたが僕自身はSNSと共に成長してきているので、活用方法がある程度身に染みてて、それでフリーとして仕事にできています。

写真界隈は風景にしてもポートレートにしてもブライダルやカップルフォト等、どんな分野においてもtwitterやinstagramが、その拡散性や一度拡散されたときに得られるものが大きいので多くの人がSNSを使っています。

そして、ここに乗り遅れた感のある人や、SNSの上手な使い方ができなかったり距離感が掴めていなかったりする人が、妬み僻みから、それを使いこなしている人に対してマウントをとってしまいがちなのです。

よくあるinstagramに上がっているフィルターかけたり、フィルムっぽい写真、彩度あげあげの明瞭度さげさげの写真というのが槍玉にされ、「俺の方がいい写真撮ってるのに見る人が・・・」だとか「インスタ映えなんて・・」と揶揄されるわけです。

twitterでも、適性露出ありき、プリントありき、WBでさえもマニュアルで適性に持って行ってた人が、いまのPhotoshopやLightroomのRaw現像ありきの写真を批判してしまいがちですよね。

あ、でも、やっぱりプリントするのであれば適性露出は基本ですからね!
これはプロとしては伝えたいところ!!!
画面のみ、スマホで見るのみSNS用であればどんなでもいいと思います。

そして、この手のマウントを撮りたがる人は、わりと自称アーティスト。フォトグラファーな人が多い気もします。
俺の方が優れている!という顕示欲を感じられて、距離置かれたり炎上したりしますよね。

僕としては、いわゆるサービス提供カメラマンとしてのプロなので、ニーズをキャッチし、より求められている写真をupするというのは極々当たり前のことであり、より求められている写真を撮り、編集し、上手にSNS運営をできる人が強い。ということになります。
それこそ、SNSで評価を得たいのであればここは必須です。

そうではなくて、「写真の仕事」としてやっているフィールドで、ナンセンスな対応だったり、それどうなの?というものもあるので、そういうのが批判されてしまうのは全うです。
ブライダル撮影をノンストで撮るとかありえないだろ。というのはごもっともですし、被写界深度問題もここが要因です。
これに関してはマウントではなく、当たり前に起きてしまう「指摘」かなと思います。

インスタに写真upしている高校生カメラマンというのにいい年したおじさんが、自分より反応いいものだから撮ってる本人のことも、それに「いいね」している見ている側も全然何にもわかっていない!と叩くのはオカシな話です。

色々見てきて大事だな思うのは、これは写真界隈に限らず「視野を広く持つ」ということかなと思っています。

ここに関しては、本当にインターネットとSNSと共に育ってきた自分世代はかなり強みだなと思っています。
まだSNSという言葉さえ一般的でない時代にカフェスタやってましたし、もっと遡るとサンリオが提供していたマグネットというサービスも使ってましたからね。(知ってる人いたらとりあえずご連絡をw)

■写真を「仕事にする」ということ

色々と起きてしまうこの写真界隈で写真を「仕事にする」ということについて、少し書いておきたいなと思います。

僕自身は前編である通り、フリーのサービス提供カメラマンなので、アーティスト性はゼロで写真が上手いとか下手くそだとか、それを決めるのはお客さんであり、仕事を振ってくれている方たちです。

いま個人的に懸念しているのは、前編にある3つのフィールドにおいての自分がどこでプロとして誇りを持って行うかが曖昧なままプロと名乗ってしまい、変に仕事にしてしまっているところです。

アーティストなのか、広告系なのか、サービス提供者なのか。
もちろん、アーティスティックに撮って喜ばれるサービスフィールドもいま流行っていますが。

アーティストとして写真で食べていくのであれば、ひたすら芸術性を持つことと、よく写真学校で言われるのは「その写真で何を伝えたいのか?」というところが大事ですよね。
ただ評価される写真が撮りたいだけなら、アマチュアで純粋に写真撮って若い人支持される方向に行けばいいと思いますが、おそらくそれではプロとして名乗っていくのには短命すぎるかなと思います。

広告系でばりばり109のあの丸いところに自分の撮った写真を載せたい!!というのであれば、おそらくコネにコネを使って実力もつけて長期的に見た上で、運も重なってくるのがここ10年だと思っています。
これから5年は、ここにSNSの上手な運営ときちんとした土台のある写真技術が大事になってくるかなと思っています。評価経済というものですね。

そしてハードルが下がっているサービス系カメラマンにおいては、自分が有名になり自分が評価されるのではなく、いかにして相手に喜んでもらえる写真が撮れるか。というのがキーになってきます。
ここに、その場に必要な技術を瞬時にアウトプットできる力が必要になります。スクールフォトを基盤に、ブライダルやプロフィール、イベント撮影をそこそこやっている身としては、プロとして誇り持ってできるのがここかなと思います。一見誰でも撮れるような写真。でもその写真の裏には、その道のプロしかわからない心遣いとうのがある。
それが、サービス系カメラマンの醍醐味でもあります。
僕はアーティスト性もなければ、広告系もできるポテンシャルでもないというのもありますが、すごくスクールフォトの現場やアルバム制作が好きなので、それなりに誇りもってプロカメラマンとして現場にいます。

僕と同じ様なフィールドにいるのに、アーティスト系の人や広告系の人に対抗しようとして妬み僻みをうんでしまっている人は少なくないですね・・・・

■写真を撮る人としてのあり方が問われる時代

さぁ、前編と合わせるとここまで7000字を超えてきました(笑
もう読んでない人も多いのかな・・・

写真を仕事に・・というところで、よく言われる価格破壊の話ですが、ブライダル関係を例にとるとわかりやすいですかね。

もともとブライダルでは10万20万の世界が、フリーランスカメラマンの持ち込みで価格破壊がおき業界潰し。という論調があります。

教育業界で18年、フリーとして色々な仕事をさせてもらってきた身として言えるのは、これは業界潰しとかではなく、「お金の流れが変わってきている」という一言につきます。それがわからないなら、今後フリーとしても経営者としても成功はしないと言えます。

ちなみにブライダル関係の話ですが、一番ブライダル関連で儲かっている会社はどこかご存知でしょうか?
日本で一番売り上げが上がっているのが横浜のみなとみらいにあるアニヴェルセルらしいんですが、そんな売り上げはしょぼいんですよ・・・
ブライダル関連で一番売り上げあげているのは、ゼクシィを刊行しているリクルートさんですからね。業界では常識です。
少し前に聞いた話では1ページ3桁万円のときもあったそうです。
数ページの特集組んでもらうときは、もうそれは余裕の4桁万円だそうで。
よく、ブライダル業界のマージンの抜きすぎ問題がありますが、すべてはゼクシィに載せる費用、その他広告費が要因となっている現実があります。

そんな中、マージンがっつり抜かれるよりも上手に派遣している会社を通した方が、消費者にとっても働き手としてもwin-winなんですよね。
結婚式会場にしてみれば、マージン抜けないので面白くない話で、ホテルなんかは持ち込みカメラマン禁止というところもあります。
逆に最近はそれもSNSで簡単に情報が入るので、あそこは何かとお金取る方針だから★2つ。とか口コミ書かれると結局売り上げ下がってしまうという。
いまはそういう時代なのです。

そして、逆にフリーの人間にとって一番弱いのは広告宣伝のフィールドです。
僕自身前編で書きましたが、最初に1年の無償での撮影を受けて撮りまくっていますし、無償ポートレートなんてもう死ぬほどやっています。
写真やイラスト、その他クリエイティブな仕事で定期的に話題にあがるきちんとお金取らないと業界全体を潰しかねない。という話がありますが、個人的には、これまで講師としても切磋琢磨あった人間なので、どうなろうと自分にしか出せない様な価値を出し続けていれば関係ない。というのが持論です。
これには賛否両論あると思うので、持論が絶対だとは思ってはいないです。
人それぞれ考えがあると思います。
動画配信で授業を行う予備校がトップの時代、かつ、youtubeで山ほど無料の解説動画があり、どれだけでも安いアルバイト家庭教師がいる時代で、プロ家庭教師をしている身ですからね・・・・強くもなります(笑

ここで起きるのが、質の悪いカメラマンの派遣。
技術が高くなくてもレタッチ等でどうにかなってしまうフィールドの存在。

これが相まって、いま荒れている業界といえばそうかもしれません。
実際、スクールフォト業界では起きていますね。
大手のWEB販売業者が素人カメラマンを集めて派遣してしまい、質の悪いスナップや集合写真が量産されるということが多々起きています。
カメラマンとしても、半日とかの6時間労働とかで1万5千円とかもらえるので美味しい仕事といえば美味しい仕事かもしれません。

これまで、繊細な技術を持って、コミュニケーション中も工夫して撮影していた色々な前撮りや七五三やら家族写真のフィールドに、ぽっとでの若い人たちが入ってきたわけです。

時代に乗り遅れてしまったベテラン、ノリと勢いと運で仕事になっちゃってるセミプロの混在。
これは時代の移り変わりの中で仕方のないことであり、必要なことかなと思っています。

ただ、本当に実力がない人は淘汰されていくものです。

そこで今後何より大事になってくるのが、写真を撮る人としての「あり方」、つまりは何を目的に、誰のために、写真を撮るのかというところかなと思っています。

自分の顕示欲を満たすためにモデルを「使って」自分の作品を撮り、評価をされることを目指すのか、写真を通して何か人に与えることはできないか・・と模索しながら自分にできることをするのか。
はたまた、単純に「写真撮るのたのしーーー♪」という純粋に楽しむために写真を撮るのか。
お金を儲けるために、地位や名誉のために写真を撮るのか。

こういうところがこれからテーマになってくるんじゃないかなと思っています。

僕自身は、趣味のポートレートなんかは完全に楽しみたいだけの人です。
可愛い子をいかに可愛く、撮られた子も、それを見た人も、「おぉぉぉぉぉぉ!かわいいぃぃー!!!」ってなると嬉しいです。
ですので、あまりコンテストとか、写真自体の上手い下手とか気にしてないというか、アーティスト性基準での上手い下手だったら、まったく上手くないカメラマンだと思います。

さて、そろそろ、まとめに入りますが・・・・・・

個人的に色々見ていて痛々しいマウントの取り合いだったり、自己主張だったり、それどうなの?っていうコミュニケーションだったり。写真を撮ることって、絶対シンプルに楽しいフィールドなはずなのに、そういうのが起きていて悲しいなと思います。
何か業界を盛り上げる議論だったらそれはいいと思いますが、どっちかというと、そうではなくて、己の顕示欲だったり、蹴落とすための批判だったりが多いんですよね。

もし、自分の目指すものがあるのであれば、マウントとったり、イキらなくても、粛々と自分にできる最善を積み重ねていけばきっと成し遂げることができると思うんですよね。

時代の変化。いいじゃないですか。
面白いじゃないですか。

個人的には、いろいろな人が活躍できていい時代だと思っています。

長い長い記事もこの辺で終わりにしましょう。

最後に・・・・純粋に写真を楽しむための撮影会。というところで、
立ち上げた撮影会がPureWhite撮影会になりますので、ぜひ遊びにきてくださいね♪


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