「バカテスト」は未来の生徒の学び方?
昔アニメで見ていた「バカとテストと召喚獣」。当時はおもしろいと思いつつ、これいつか実現しないかなーと漠然と思ったものだ。主人公のテストスコアが召喚獣の強さに反映される仕組みだが、その可愛さと自由度に心ひかれた。
現在コロナウイルスで教育機関は止まってしまっており、大部分はアナログな問題集や大量のプリントを課すことで対応している。しかし時代の流れからするとこの方式は革められるべきであり、5Gやリモートワークのアプリ、VRの技術などの様々な波が同時に来ている。これらが社会、特に教育に入ってくることは明白であり「バカテスト」の召喚獣のようなシステムを運営することも可能なのではないかと考えた。ここに端的にではあるがその意義をまとめてみたい。
「VR分人で自分を育てる」
最近のゲームには自分の容姿を自由にカスタマイズでき、やりこむことでアカウントを育てて進むものが多い。そして多くのユーザーはカスタマイズに莫大な時間やリソースを割いている。ということは人々はゲームの中であっても自分の見た目や能力を意識するということだ。その性質を利用し、自分を育てるゲームを展開していく。まずブロックチェーン技術を活用することでデータの改ざんを防止しつつ、VR技術を活用して自分の分人を作る。その分人をより進化や強化、より自由に運用していくためにはリアル世界の自分の努力が必要にするのである。勉強のスコアを上げる、資格を取る、運動能力を高める、礼儀正しくなるなどの努力をすると分人の強化ポイントとして反映されるのである。この分人は名刺にもなり、その人の価値をリアルタイムに表現する。
⇒スコアリングが活用される未来への対応も兼ねている。またテストのような定点観測ではなく、IT技術によって継続的な能力の把握が可能になる。であるならば一夜漬けでドーピング可能な勉強だけでなく、性格や行動などのキャラクターがスコアリングされてくるように思われる。アニメ「PSYCHO-PASS」の世界のシビュラシステムのようでもある。バカテストとサイコパスがつながるというのも面白い。
また分人を使うと現代の教育が抱える問題のいくつか解決策を提示することができる。現在の学校は本人が登校しないと出席にならない。しかし分人による出席が可能となると、体調など個人の状況に柔軟に対応することができ、登校にハードルを抱える人に新たな選択肢を提示できる。また遠隔地や仮想で行われているプロジェクトに分人を参加させたり、数学や物理、歴史のVR教科書が出てきたときに分人を登場させたりすることで体験者や目撃者として学ぶことも可能にするなど、教育に自由度と「自分を使って理解する」ことを可能にする。またその学びの成果をポートフォリオとして残すことで、進路を決める際の材料にしたり、受験や採用のための考慮材料にできたりも可能。
⇒eポートフォリオというものが2022年から導入されるということ?だが、その延長線上には名刺代わりの分人が最適である。ある意味「人は紙切れ一枚ではわからない」もの。理解するためにより高次元の個人情報をまとめるには高次元の仕組みを使った調査書が将来的には整備されていくのだろう。
コロナウイルスの影響で世界が止まっている。これによってリモート技術の存在感が大きくなり、自然とスコアリング技術が導入される素地ができてしまっている。そんな時代を生き抜くためには客観的に自分を育てる仕組みが必要だ。そのためには自分をそだてる分人は効果的である。
高校教諭ではあるが、このコロナウイルスによって休校措置が取られる中での自分の無力さを知った。と同時に現在の学校というたくさんの人間を一部に集めるというリスクの高さ、今の教育がもたらしている質や柔軟性の低さとリターンのまばらさも感じ、学校はいらないといわれてしまう理由を痛感した。これからの学校は未来を見据えながら柔軟に教育を変えていかねばならない。その変わっている先端に自分はいたいと思うし、その内容をこれから残していけたらと思う。
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