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ナナシス の「夏」曲

夏です。

開放感と喪失感。
「正しい夏」への憧れと後悔。
明るさと同時にどこか陰も差す季節です。

行き着く避所としての音楽は、何だかんだアイドルソングなのかも。


そんな夏に聴きたくなるナナシスの曲を紹介!

不意に歌詞を見返したくなる映像的で繊細は歌詞は、特別な感情を含んだ「夏」を肌で感じさせてくれます。

今記事は、

特にお気に入りな曲とその歌詞
      ~自分の雑音を添えて~

の構成になっております。

以下プレイリストです。


SiSH 『さよならレイニーレイディ』

作詞 : SATUKI-UPDATE

SISHは透明感のあるユニットです。
例えるなら「通勤バスの中で見かけた彼女」がテーマだそう。

少し濡れた君の髪が
微笑み舞うように踊って
旋毛風が夏の匂いを
もう連れてきそうになって

街はきっと戻れたはずの
昨日を引き換えに光って

僕らはそっと魔法を解いた

雨上がりの静寂、自然と注視していた髪…

一気に視界は開け、雨露のきらめきが街を幻想的に変えます。

いつもより少し小さな部屋で 正しさを宙に浮かべて
ひとつだけ壁に残った時計 なんだかうまく進まない

梅雨時期の鬱屈した空気と別れが醸す窮屈でぎこちない時間。
とつとつとした語りで教えてくれます。

君の好きな春の雨が
あの日もふたりに注いで
なにか言ったら消えちゃいそうで
僕は言葉を失くして

足りないもの探した両手は
透明な壁に触れて

君が僕の代わりに泣いた
さよならレイニーレイディ and レイニー

早速ナナシスの繊細な歌詞を感じてもらえたでしょうか!
SHiSの歌声が一層映えます。

特にこの曲は最後まで好きな表現ばかり。
ぜひ歌詞カードを片手にフルでどうぞ!



サンボンリボン 『14歳のサマーソーダ』

作詞 : カナボシ ツクモ

三姉妹ユニットサンボンリボン。
かわいすぎる系の声ですが、歌詞が特別好きな曲です!一番かも。

急に降り出した雨に
濡れたフラッシュバック
喉が渇いて 埃っぽくて
何もないあの街みたいだ

歌い出しの2節でシーンの空気の味を感じさせる描写。拡がる世界観。
前曲もそうですが、
1つの物語として続きを読ませる引力があります。

待って ロンリー・フォーティーン・ソーダ
解き放ってよ 空き缶の表面
伝う夏雫が映してたヘブン
だって ロンリー・フォーティーン・ソーダ
忘れないよ 夕立ちが痛かった

炭酸、解き放つ、空き缶の表面、夏雫...…

別に難しく考えた末じゃなくて
胸騒ぎとか向日葵とか
いつのまにかもう消えていたんだ

君の汗ばんだ
Tシャツについたタグ
おどけたまま笑う癖と
蝉時雨と雨の予感


不能。なんか書くのも野暮。

最後は、
" 忘れないよ 君だけが夏だった "
で締められます。
サウナ上がりのような恍惚さ。

あの夏の君に想いを馳せる恋の曲ですが、「君になりたくて真似した」と。
恋心と憧れとしての同化願望が入り混じる感情、
14歳という絶妙な年齢を感じさせます。

恐らく二度と会えない君とあの時の夏。
「夏」。



Le☆S☆Ca 『ひよこのうた』

作詞 : カナボシ ツクモ

LeSCaはレモンスカッシュの意味で、「十代の甘酸っぱい青春の日々」そのものがテーマだそう。

この曲、推し曲です。
推しって言葉は嫌いだが、推薦曲って意味で使わせて下さい。

三年前辞めた会社の
上司に貰った
「あっち向いてもこっち向いても
人生はジェットコースター」
なんて文字が書かれた
ハワイ土産のコースター
駅前パルコで見かけて
Ring Ring やべ遅刻だ!

「十代の甘酸っぱい青春の日々」とか言いながら、どう考えても社会人です。
人生は波乱万丈だと教えてくれる社会人としての先輩、
ジェットコースターのように振り回されて疲弊する日々。

忙しさに想いを馳せるも中断、現実に急かされます。

自信持ってたはずの“私”も
夢見る頃をもう過ぎて
季節外れ地味なタイツを
隠して駅で待つの

“私”と書いて、「あいつ」と読んでいます。
いつだって夢みがちだった頃の自分は卑下の対象。

駅前なんとなくで買っちゃった
ハワイの海の素に
肩まで浸かって 考えてたら
いつか怒られた失敗の意味が
ようやく分かって
泡浮かべた

ただのひよこに
生まれたからには 
立派なニワトリに
なりたいと思えた金曜日

唯一の休息の時間、
特に意味もない少しの贅沢に浸りながら
将来の展望や成長に想いを馳せます。

が、金曜日です。
明日が休みなら立派な考えも浮かぶよね。
そして月曜には忘れてる。

愛と恋と夢を
冷蔵庫に入れたなら
いつか晴れた朝に
飛び立つのを夢見たい

冷蔵庫。そのままの状態で、置いておく。
諦められない大事なものだからこそ、
大切に保存しておきます。

人生の重荷を日常的な風景で軽くしてくれます。
みんな、冷蔵庫に入れよう。


最後は唐突に、
"どんな鳥になりたい"
で締められます。

立派なニワトリになって飛び立つことを夢見ていた主人公ですが、ニワトリは飼育されるもので飛ぶことも不得手。ジェットコースターも然り線路が与えられて振り回されています。

最後の最後に今までの歌詞のアンサーを投げかけるような、疲れに寄り添いながら鼓舞してくれる応援ソングです。




777☆シスターズ 『NATUKAGE -夏陰- 』

作詞 : SATUKI-UPDATE

ストーリーに絡む曲なのでオススメし辛いですが、ナナシスの夏には欠かせない曲なので軽く紹介。

日ごと高くなる青空の行方を
ひどく眩しそうに見ていたあなたの
声が遠くなって気がついた
またこの季節がやってきて
ぬくもりを攫うよ

例に漏れずこの曲も歌い出しの魅力がすごい。夏の陽射しを感じる電子音もとても悦。

この曲はグループの中心にいた人物と突然別れる事になった夏を歌った曲です。

ストーリー補正はあれど、夏のシングルの表を別れの曲で飾ったナナシスの「夏」への解釈がとても好きな一曲です。




とりあえず以上 !
夏のナナシスとして個人的至高の4曲を紹介させて頂きました。

そろそろ作詞のSATUKI-UPDATEとカナボシ ツクモの存在が気になってきた事でしょう !
実はナナシスの曲の9割以上はこの2名が作詞をしています。
かつ、実はこの2名は同一人物で……

気になった方はぜひ調べてみてください。
ナナシスにハマる入口が、そこにあります。

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