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梅の木は剪定が大切!美しさを保つために知っておきたい時期と方法

実を食べたり美しい花を観賞したりと、さまざまな楽しみ方ができる梅は、春を代表する花のひとつです。自宅の庭で木を育てることもできますが、美しい姿を保つためには不要な枝を切り落とす「剪定」を行う必要があります。

しかし、「なぜ剪定を行う必要があるのか」「具体的にいつ頃、どれくらい剪定すれば良いのか」など、知らない方も多いでしょう。

剪定する時期を間違えると、花付きや実付きが悪くなったり樹形が崩れたりする可能性もあるため、注意が必要です。

ここでは梅の木を剪定する理由や時期、具体的な方法などをご紹介します。

梅の木を剪定する理由は?

「桜切るばか、梅切らぬばか」という言葉からもイメージできるように、梅の木は定期的に剪定する必要があります。しかし、なぜ剪定がそこまで大切なのでしょうか。

梅の木を剪定する理由は大きく2つに分

けることができます。


樹形を整える

梅の木は成長が早いです。手入れをせずに放置していると、日当たりに差が出て成長のバランスが悪くなったり、枝や葉が伸び放題になって美観が損なわれたりします。

梅の木が道路に面している場合は、伸びた枝が道にはみ出して通行の邪魔になるかもしれません。

また、剪定を行わないと枝に必要な養分が行き届かなくなり、花が咲いたり、実がなったりする前に枯れてしまう恐れもあります。

梅の木の成長を促しきれいな樹形を保つために、剪定は欠かせない作業といえるでしょう。

一方で、桜は枝の切り口から雑菌が入り腐ってしまう恐れがあるため、むやみに剪定してはいけないのが、「桜切るばか、梅切らぬばか」ということわざの由来だそうです。


害虫から守る

日当たりや風通しの悪い場所ができることで、害虫が寄ってきてしまうのも剪定を行わないデメリットです。害虫が原因で、木が病気になる可能性があります。

薬剤の散布で害虫対策を行うこともできますが、ペットや近隣住宅への影響の兼ね合いで、散布が難しいこともあるはずです。

害虫による被害を防ぐためにも、剪定を定期的に行うことが大切です。


梅の木を剪定する時期

種類によって多少異なりますが、梅の木は、春(4~5月)、夏(7~8月)、冬(11~1月)が剪定に適している時期といわれています。特に、冬は葉が落ちているので、枝の混み入っている部分がわかりやすく、枝を整理して樹形を調整するのに最適です。

【時期ごとの剪定を行う理由】

春:太い枝を切り、新しい枝を伸ばす

夏:無駄な枝を軽く切り落とし、樹形を良くする

冬:樹形を良くしたり、花付きや実付きを調整したりする

他の時期でも剪定は行えますが、翌年花を咲かせる「花芽」の付いた枝を切ってしまうこともあります。花付きに影響が出るため、作業の際は注意が必要です。

剪定に必要な道具と方法

必要な道具が揃っていて方法やコツも押さえていれば、剪定は自分で行うことができます。

必要な道具や基本的な方法、コツなどをご紹介するので、剪定前に確認しておきましょう。

剪定に必要な道具

剪定には、枝を切る道具に加えて作業中に身を守るものや作業後の枝葉を処分するものが必要です。


【剪定ばさみ】

小枝を切り落とす際に使用します。梅の木は枝が固いので、普通のはさみを使用するのは避けましょう。

また、切れ味が悪いと木が傷んだり、余計な力が必要になったりするので、切れ味が良いものを用意すると安心です。


【剪定のこぎり】

剪定ばさみでは切るのが難しい、硬い枝や太い枝を切るのに使います。剪定ばさみと同じく、剪定専用ののこぎりを用意するのがポイントです。


【軍手】

枝の尖った部分や切り口に触れると、けがをする恐れがあります。厚めの軍手を用意して作業することを心がけましょう。

同様の理由から、選定作業時は長袖長ズボンを着用してください。地面に落ちた枝を踏んでも問題ないようにソールが厚い靴を履くと安心です。


【脚立】

高い場所にある枝を切り落とすために、脚立やはしごが必要な場合もあります。枝に近づけるので、不要な枝を判断しやすいのがメリットです。

高所での作業が不安な場合は、柄の部分が長い高枝切りばさみを用意しておくのも良いでしょう。

その他には、枝や葉を捨てるための掃除道具とゴミ袋、切り口に塗布する癒合剤も用意しておく必要があります。


剪定が必要な枝の見分け方

梅の木の剪定は大切な作業ですが、枝を適当に切るのは避けましょう。見た目が悪い、成長の妨げになるなど、不要な枝に絞って切る必要があります。

剪定が必要になる枝の例をご紹介するので、参考にしてみてください。


【剪定が必要な枝の例】

・枯れている

・枝同士で絡まっている

・残したい枝に対して平行に、または交差して伸びている

・真っすぐ上に向かって伸びている

・幹の下側から伸びている

・木の根元から伸びている など


また、枝の長さも確認しておきましょう。梅の実は、短い枝になりやすく、長くて太い枝にはなりにくいとされています。

梅の実を収穫したい場合は、枯れていなくても長い枝を切り落とすのがおすすめです。


・樹齢別の剪定方法とコツ

梅の木は、樹齢によって剪定する方法や時期が異なります。樹齢別の剪定方法やコツは、以下のとおりです。


【1年目】

樹齢1年ほどの梅の苗は、幹が真っすぐ1本伸びた状態です。9~11月頃を目安に、梅の木の幹を地面から30~60cmほどの高さで切り取ってしまいましょう。

幹の先端を切ることで、苗木の成長を促すことができます。


【2年目】

樹齢2年の梅の苗は、幹の先端辺りから枝が少し伸びている状態です。12~1月頃を目安に、幹から上に向かって伸びている状態の良い枝を残して、残りの枝は剪定します。

残した枝に細い枝が生えている場合は、3本ほど残すように整理してください。枝の数を絞ることで栄養が集中して届くようになります。

切り口が大きい場合は、癒合剤を塗布しておくのもおすすめです。


【3年目】

3年目は、樹形を整えるために剪定を行います。12~1月頃を目安に、不要な枝を切り落とすようにしましょう。


【4年目以降】

4年目以降は、前述したとおり、春・夏・冬を目安に剪定を行います。夏は樹形を整える程度の軽い剪定で済まし、大きな枝を切り落とす「強剪定」は冬に行うのがポイントです。

夏は外芽(木の外側に生える芽)の部分で切ることを、春は実の数を間引くことを心がけると、栄養を行き渡らせやすくなります。

剪定を業者に頼んだ際の費用は?

時間がない、上手にできるか不安など、剪定を自分で行うのが難しい場合は、専門業者に依頼することも可能です。

剪定にかかる具体的な費用は業者や状況によって異なりますが、一般的には木の高さが高いほど相場が上がる傾向にあります。

自信や時間がない場合は業者に依頼するのも良いですが、複数の業者に相談・見積もりを依頼して、費用を確認しておくと安心です。

梅の木を正しく剪定しよう

​​梅の木の樹形を美しく保ったり、花付きや実付きを良くしたりするためには、剪定作業が欠かせません。

しかし、剪定の方法や時期などを間違えると、木にダメージを与えてしまう恐れもあります。

樹齢や剪定する目的などを踏まえて、不要な枝を切り落とすことが大切です。基本的には、夏は軽く形を整え、冬場にしっかり余分な枝を剪定していくことをおすすめします。

梅の木を育てている方はご紹介した方法を参考に、しっかりと剪定を行いましょう。

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