社会人帰宅部
徹夜をする流れになったとき、翌日のことを考える。
正直そんなに行きたくない。
でも、参加しないと悪い気もする。
付き合い悪いやつだと思われても嫌だし、これから誘ってくれなくなるかもしれない。
だいたいみんな参加するっぽいし、とりあえず参加しておこうか。
そして、酒も抜けてきて、脳内を眠気が支配する頃、
この徹夜にどれほどの意味があるのだろうかと、どこまでも冷静に考えてしまう自分がいる。
あのとき断ったとしたら、きっと今頃は、シャワーを上げてベッドですやすや寝ていることだろう。
ただ、断ったことで友達にはあんまりよく思われないかもしれない。
あいつの好感度がめちゃめちゃ下がったのだろうか。
次から誘ってくれなくなるかも。
では、逆に参加した現在、好感度は上がっているのだろうか。
そうでもない気もする。
ちょっと待ってくれ。
そもそも僕は誰かの好感度を上げるために行きたくもない徹夜の判断をしているのか?
あなたの人生はあなたのものだ。
他人の好感度を上げるシミュレーションゲームではない。
そして、他人はあなたが思っている以上にあなたに興味はない。
徹夜に来ない人と聞いて心当たりはあるだろう。
別にその人のことが嫌いなわけでもないはずだ。
断りたいときは気軽に断っていいのだ。
たまには自分の心に素直に行動しよう。
今日は絶対に日付が変わらないうちに帰ろうと決断して飲み会に行く。
そして、気づけば午前2時半。なぜかカラオケボックスにいる自分の姿に気づく。
結局断れないのも、また人間らしい。
まあこれも若いうちしかできないし、そこそこ楽しいから、まあいいかと自分に言い聞かせる。
次こそ絶対帰るから。