平日の宇都宮
平日の日に上野東京ラインの宇都宮行きの電車が魅力的に見えた。
このまま、宇都宮まで行ったら何があるのかと、謎のワクワク感がある。
もちろん宇都宮でやりたいことがあるわけでもない。
それでも人生の7分の5を占める日常からだと、
現在の場所から少しだか離れた知らない場所は魅力的に映る。
ところがどっこい、
休日になるといつも通り部屋でダラダラYouTubeをみながら過ごす。
特に宇都宮に行ってみたいとも思わない。
行こうと思ったらいつでも行けるのに。
平日の宇都宮は、今行けないからこそ魅力的なのだ。
人はいつだってないものねだり。
きっと有給を取って行く宇都宮は、魅力が少し減る。
それはもう手に入った宇都宮だから。
平日の宇都宮には永遠に行けないのだ。
だから、ないものばかり見ていないで、
自分が持っているものを見なくては。
今手に入っているものは、かつて自分が熱望していたものではなかったか。
初めて一人暮らしを始めたときの喜びはどこへ消えた?
初めて東京にきたとき、
電車の人の多さにすらワクワクした自分はどこへ行った?
かつての夢を手に入れたことを忘れ果て、
今日も手に届かない影をひたすら追い続ける。