なんにももうまくいかない日
お弁当にソースとか、しょうゆとかが入っている小袋があると思うが、たまに、まったく開封できない屈強な奴がいる。
急いでお弁当を食べているときは、そいつに無性に腹が立つ。
「なぜ、こんなことに時間を使わなければならないんだ」と。
そういうときは、大抵イラっとすることが重なる。
駅のホームで人にぶつかって舌打ちされ、
改札では残高不足で通れず、
家に帰ると、机の脚に小指をぶつける。
ここまでくるともはやこの世の出来事すべてに腹が立ってきて、トイレットペーパーが切れるだけでもため息がでる。
すべてがうまくいかない日は確かにあって、小さな幸せを見過ごし、小さな不幸は何倍にもなって降りかかる。
そういうときは、イライラモードになっている自分を自覚する。
冷静に考えてみれば、一つ一つの出来事は大したことないはずだ。
それでもだめなら、そんな日は熱い風呂に入ってさっさと寝るのが一番。
ぐっすり眠った翌日には、床に転がっている、昨日握りつぶしたトイレットペーパーの芯も笑えてくる。
まったく開かないソースの小袋に、「おめでとう。君は明日のコラム行きだ。」と話しかける。
いつだって、そんな心の余裕を持っていたいものだ。
急に雨に打たれても、なんだか楽しくなっちゃうような。
小学生の夏休みのような気分を心の隅っこに置いておきたい。