見出し画像

農村から中共と日本の相違を眺めてみた

数値から読み解く日中比較

見慣れたGDP比較図

日本はバブル崩壊以降に、GDPは30年間ほぼ横ばい状態です。
いろんな背景、要素があろうかと思いますが。
バブル崩壊と同時に押し寄せたいくつかの潮流があります。
その1,外国ファンドの投資が増えた
その2,株主と配当重視の姿勢が増えた
その3,製造業の多くが中國、東南アジアへとシフトした
その4,外国人労働者の雇用が増加した
個人的には、この4つの要素が多くを占めていると感じています。
中身を書くのは本日の本意では無いので辞めときますが。
GDPとは、民間設備投資と政府支出、個人消費の三本柱でしたね。
諸外国に製造拠点を移せば、設備投資は減少し、同時に正社員雇用が減少すれば、個人消費は減少する。簡単な論理ですね。

耕地面積比較

中國の国民数は14億人と伝わります。
武漢ウイルス以前は、日本中に、中國の観光客が押し寄せてましたね。
沖縄在住時に随分と多くの中国人が訪れていた。
過半は、沖縄に一度入るとビザなし渡航が可能になると云われてました。
数次のパスポート欲しさに押し寄せていたんですね。
数年後、今度は、バッタの大群とも思しき集団が、京都や銀座を埋め尽くしていた。当時は、日本製の炊飯器が飛ぶように売れた時代。
銀座の百貨店も潤ったかと。
当時、来日していた皆さんは、農家ではありません。
沿海部と呼ばれる、北京~上海~深セン、および内陸の工業都市の住民の皆さんでした。
いわゆる富裕層とよばれる皆さんですね。当時は8000万人とも伝えられてましたね。
くどいですが、その中に農民は居りません。
中國農業の弱点があります。
水源です。
豊富な水を使えるのは、揚子江沿岸と、山東省くらいのもので、慢性的な水不足状態です。
三渓ダムは、そうした背景でつくられた、電力と水活用のダムだったかと。
中國内陸を旅された皆さんなら氣づいておられるかと思いますが、彼我の大きな相違があります。
森林と河川です。
万里の長城は観光一大名所ですね。
あの周辺には森はありません。
元来が広大な森林が存在していたとされており、小生も30年ほどまえに、巨木の根っこがゴロゴロしている地域を見せていただいたことがあります。
その森が消えた背景は、万里の長城。
当初は日干しレンガでつくられたそうです。
日持ちがしないので、レンガを焼くようになった。焼くには、燃料が必須。
と言うことで周辺の樹木は万里の長城のレンガに変貌した。
このあたりが大陸の常に異民族の侵入に怯え続けた国と、同国内のみでの権力争いに終始した日本との違いかも知れません。

彼我の政策の違い
彼の国は、中共の上に共産党が君臨している。
ゆえに、共産党主導で国策が進められている。
共産党員は8000万人でしたね。
その8000万人のために存在するのが農民なんですかね?

10ha以上の園芸施設が点在する

広大な園芸施設は、政府系の組織が担っている様子。
とある農場は、ダッチ式と呼ばれるオランダの園芸施設。
資材も苗もすべてオランダ支給の契約になってるそうで、年間の赤字額が日本円で億単位だそうです^_^
このような施設が多数点在しているのが現状のようです。

我が国の高度経済成長の過程で、地域間格差、都市と農村の格差、が拡大せずに成長を共有出来たのは、食糧管理法の存在と多彩な補助事業にありました。食糧管理法は、役目を終え廃止されていますが、米一俵の政府買入れ価格が、18000円の時代がありました。当時農村で収入の多かったのは稲作農家でした。政府買入れ価格と売渡価格が逆ザヤになり累積赤字が膨らんだこともあり、食糧管理法(政府買入れ)は廃止されている。
もうひとつ見逃してならないのは、基盤整備事業なる圃場整備が政府支出により大規模に行われています。
農機具稲作の時代を見越した末なんでしょうが、これにより、稲作は機械化の時代に以降。
余剰労働力は、製造業へと流れています。
復帰後の沖縄の農業は、もっと凄まじい国金が投入されています。
現代は無くなってるようですが、園芸施設の補助率は97%の時代もあったようです。今でも盛んに栽培されているサトウキビは、政府の補助金なしには成立しません。
功罪あい半ばと伝わりますが、功が過半だったことが中國の農業と比べると再認識できます。

そもそも論でいえば、1億2000万人の国民と14億人の国民の差異でしかないことは自明。
世界の人口は70億人程度でしょうか?
それを相手に数百万人単位で農業から製造業に移った国家・日本。
14億人を製造業立国で同様の成長を遂げることは叶いません。

不平を云う前に知恵と工夫をしてこなかった己を還り観るべきです
時折、自己の足元を放りだして、農政の責に帰そうとする皆さんと遭遇します。自家の、地域の農業がうまくいかないのは、農政のまずさ!と。
少なくても9兆円前後で推移している農業産出高に対し、年間2兆円内外の予算が執行されている日本。
彼の国の農業予算は知りえませんが、農奴にならずに済んでいる背景ですね。就農者の平均年齢が70歳前後になったのは政策の貧困ではありません。
農家および農業団体の努力不足に過ぎない!
と他国の農民情報を得るにつけ思います。
金(資金)のある奴はカネをだせ!
カネがなければ知恵を出せ!
どちらも無ければ汗をかけ!

冥土へ逝った師匠のひとりの言葉です。


いいなと思ったら応援しよう!