ACT米田んぼの交流会(鬼怒川の遺産)
平成27年9月10日に鬼怒川が氾濫してます。
ここから10kmほど下流の常総市にて堤防が決壊し、自然災害の少ない当地では珍しく、大災害になりました。
当地も、R125の上流100mほどの堤防のない所から越水し、市の温泉施設が水没。復興に多額の金額と日時を要しています。
この遠因は2つあると伝わります。
まずは、江戸時代。
江戸川へと流れ込んでいた利根川の流路を銚子方面へと大改造。利根川下流に行けばわかりますが、極めて高低差がすくなく、流れが穏やかになります。その利根川へと流れ込むのが鬼怒川。利根川に阻まれ、滞留しやすくなります。
もう一点は堤防ですね。
当時も騒がれましたが、堤防が築かれてなく、竹林や台地がそのまま自然堤防になっていた地域が多数あり、その中の一箇所から越水し、別の場所で堤防が決壊したとされています。当地の越水も自然堤防から越水したものでした。鬼怒川は、名前が示すとおり、暴れ川。源流域は、栃木県の日光連山になります。那須方面は別の河川が存在しますから、ほぼ、日光連山の水系となりますね。
下の絵は、平成30年の大雨の翌日の鬼怒川の様子です。
常総の大水害の後に、国交省は素早く堤防の再整備に入っています。この左にみえる堤防もその一環だったかと思いますが、一部では1mほどに迫っていたとされています。この付近までは流れが急ですが、ここから下流に行くん従い、高低差は限りなくゼロに近づきます。
下の画像は、越水した地域の現在の姿です。堤防が築かれ、堤防の上は、アスファルトで舗装されたサイクリングロードに変貌してます。(未開通です)上流や下流域にお住まいの自転車好きな皆さんが愉しめる場になりますね。ここから筑波山方面に数km走ると小貝川。こちらも堤防上はサイクリングロードになっています。厳冬期はのぞき、多くのサイクラーで賑わうといいですね。
古代鬼怒川の恩恵
ACT米は、一部地域の皆さんだけが、認識されていた、肥土(あくと)で育てられています。自宅の米は供出(政府管掌時代はこう呼びました=食糧管理法ですね)し、食用として、肥土の米を分けていただく。
考えてみれば、エゴだったのかも知れませんね。まずい米は消費者に向け出荷し、自分たちは美味い米を食べる。
米を育ててくれてるのは、陽光と大氣、水と土です。肥土はその中の土壌を指します。米離れが進んだ背景のひとつかも知れません。不味い米も美味しい米も同じ値段で売られてた時代がありましたからね。
結果、最大では1200万㌧もあった米の生産高は700万㌧に減少し、それでも余剰が出るようになりました。他にも外食産業の隆盛も米消費減少の要因だったのかも知れませんね。日本から東南アジアの穀類は、米が過半であり、欧米諸国は小麦文化圏。同じ粉でも食べ方が違います。
日本食では、小麦は、うどん!としてきたが、ファストフードに代表されるハンバーグは小麦。パン類も小麦ですね。米は自給出来ても、小麦の過半は海外からの輸入に頼ってます。
このことも米離れの要因のひとつに数えられます。
肥土(あくと)に話題を戻します。
知りうる範囲で肥土を学術的に研究した論文などは存在していません。ほぼ、言い伝えの世界でしかありません。
が、昭和の建設ブームの時代。隣町の肥土から砂利、砂を掘り出している田んぼがありました。砂利砂が不足した時代でもあり、高額で売られたようです。残念なことに当時はそのことに氣づかなかったので、画像は遺しておりませんが、10m~15mほどの、砂利砂層でしたね。
当時、村の物知りのジイさんに教えられたのが肥土のカタチでした。
日光連山から急流に流れ出したのは、水だけではありません。砂利も砂も流れていたことが判明した。それだけではありません。堆積した有機物が一緒に流れ出して、砂利砂層の上に堆積。これが肥土の形成でした。
こちらも科学的な検証はされておりませんが、とある研究者の論文では、古代鬼怒川は、筑波山麓まで流れていたそうです。
堤防なんぞ無い時代ですからね。10万年とも50万年とも云われる古代からの蓄積が肥土なんですね。
幸いなことに、当地は、古代鬼怒川の流路になっていたようです。
肥土と呼ばれる地域には、上流も含め、5~6世紀の古墳が見受けられます。この時代、川は、水と魚介類を齎してくれる恵みの川だったかと。
ゆえに、古墳を構築できる豪族が出現したのであろうかと。小生は、研究者では無いので、詳しいことは不明ですが、前方後円墳が市内二箇所に点在してます。いずれも古代鬼怒川の流路跡であったろうかと。
それがACT米を世に出そうとしたきっかけのひとつでした。
こちらは15年ほど前。通りすがりに栃木の農村での一枚。
落ち葉を集めています。昭和30年代後半までは、地域の山林も同様に冬になると落ち葉を集積してましたね。
家畜の糞尿と一緒に堆積し、堆肥にして活用していました。この方にはお断りして撮らせていただきましたが、その後どうして居られるか?
落ち葉が堆積し、その落ち葉を昆虫類やミミズが分解したものと火山灰が土壌です。土壌は有機物とミネラルと火山灰の三要素で形成されています。
我が家は周囲を欅とシラカシに覆われています。欅は冬に葉を落とします。
屋根に積もった落ち葉は分解され土になります。そこへ野鳥が植物の種を運んだり、植物が自ら種を運んだりします。結果、屋根に木が生えたり、草が生えたりしてます。定期的に除去しないと、根が瓦を痛め、破ったりして、雨漏りが発生することになります。
有機物とミネラルと土中微生物群
海水がなにゆえ、塩っぱいか? こちらも長い間を要して、急流を下った水が、岩を穿ち、岩に含まれているミネラルを溶出させ、海に蓄積したものですね。河川の流路跡には、適度な量のミネラルが含まれています。海水イコール塩と連想しがちですが、海水は、塩だけではありません。数多くのミネラルが含まれています。こちらも学問が無いので想像でしかありませんが、ミネラルも植物や生き物にとっては必須要素のひとつ。
有機物とミネラルと水と昆虫類およびミミズ類などが土壌を形成しています。もうひとつ、師匠の一人が仰せだったのが、土壌は大いなる、もうひとつの宇宙! その宇宙の星々と対象的な無数の微生物が棲息して、土壌と呼びます。水田には稲株が残ります。
有名な、納豆菌は別名バチルス菌とも呼び、稲株についています。
土中の微生物群は解明が進んで居りませんが、土中菌の多寡が米の味を左右すると仰せの篤農家さんも居られます。
ACT米はそこに着目し、ボカシ化した有機物を適量散布しています。
今回の交流会は、最初の販促活動の一貫としておこなったものです。
クラウドファウンディングの大手であり、老舗でもある、MAKUAKEの皆さんに協力いただき、首都圏から27名の皆さんに参加いただきました。
皆さんには感謝の言葉もありません。
この先、ACT米の食味を向上させる取り組みを続けることは無論のこと。米を通じて親戚づきあいを深化させたいと念じてます。
画像はお試しセット。6戸の米が同梱されています。
https://www.act-mai.com/