要望を伝えきる、要望を聞ききる
ビジネスコーチ・チームコーチ連盟の会員はPHP研究所の認定コーチとして、松下幸之助のイズムを大切にし、そして松下幸之助を学ぶ機会を設けています。
先日のとある勉強会にて、松下幸之助の話しの中に、「目標を与えるとともに、要望を機会あるごとに伝える」というのがありました。
この話には、大きく二つのポイントがあるのではないかと感じています。
◆一つ目は、目標だけではなく要望とセットであること。
目標、場合によってはKPIになるのでしょうが、多くの企業でその目標の理解につながる説明がなく、(説明があっても伝わらず)単に尻叩きのための目標・KPIになっているケースが多々あります。
本質が語られず、達成しなければ行けない単なる数字として。
目標を背負ったメンバーも、よくわからずとにかく達成しなければいけない状況に追い込まれている状態。
そこに、要望をセットで機会あるごとに伝えることで尻叩きのための数字ではなく、本来伝えたい本質がしっかりと共有されていく。
◆二つ目は、要望は伝えてもなかなか伝わらないし、聞く側も本気で聞いていないことが多いということ。
松下幸之助は、”要望”という言葉を用いていますが、その内容は軽いものではなく、ミッションやビジョン、パーパス、生き方、あり方など、様々なものを包含して表現していると理解をすると、この要望の重みがずっしりと。
これを機会あるごとに伝えることで、じわじわと浸透していく。
そして、それを聞く側もしっかりと聞く・聞ききるスタンスが重要。
その取りこぼしが本当に勿体ない。
直接自分自身に影響のある目標というのは伝わるけど、(しかも本質は伝わらずにその数値だけが)
経営者の要望は伝わりにくい、だからこそ諦めずに、愚直に機会のあるごとに伝える。その重要性をその当時から認識し、実践している。
松下幸之助は要望という表現をしているが、いま語られているミッションやパーパスなどに言葉は変わっても、本質的なことは何も変わらない。
これを常に伝え続けることの大切さ。
様々な学びや気づきのある時間を会員の仲間と過ごす有意義な時間でした。