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【往復書簡】アーカイブ(仙仁透様)

京都に住む塾講師の仙仁透さんとのお手紙のやりとり。会って話せばマシンガンですが、ここではゆるゆると日頃持つ興味関心について話しています。お互いの職業柄「対人コミュニケーション」に関する話になるのがわりと多めですが、基本的には毒にも薬にもならない話ばかりです。

1通目(仙さん→シモダ)

イントロダクション。読み返すまで完全に忘れてたが「だからこそ今の読書をサボらないようにしないといけない」なんてことを当時の自分は宣ってたらしい。本当にサボらないようにしないといけない…

2通目(仙さん←シモダ)

初回に投げられた「虫の音」という言葉から連想。田舎の風景を例に、記憶の曖昧さについて書いた。曖昧だからこそ想像力で補完できるし、そのためには日頃から想像を積み重ねて力を養うのがだいじ。とはいえ過去の曖昧な記憶を都合良く美談に補正してしまうのはなんでなんだろう。

3通目(仙さん→シモダ)

同じ言葉でもそこから思い浮かべられる景色はそれぞれで異なるという文字の魅力に関するお話や、仙さんによる《自然》の捉え方が書かれている。情報量を切り口にしているのが面白い。このお手紙を読んでからしばらくの間、落語にはまった。

4通目(仙さん←シモダ)

それぞれで異なる景色を思い浮かべているはずなのに、それを共通の話題(共感)にできるといった言葉の面白さについて。情報量をあえて省くことで共感へ促すこともできる。が、日頃から省略に慣れているといざという時に言葉が出なくなるので、なるべく細かく言語化せねば。なんてお話。

5通目(仙さん→シモダ)

《言葉》に関する話や《いき》に紐づく《美意識》やその他の日本的感覚について。「言葉の印象は、それまでの自分の体験の集合知」はもう本当にその通り。今読み返してもそう思う。後半の《無粋》や《野暮》の解釈もお見事。

6通目(仙さん←シモダ)

《言葉》との距離感について。この前後でちょうど構造主義にはまっていて、付け焼き刃の引用をしながら共時態なんてもっともらしいことを言っている。あれから月日が経ち、構造主義のことは今だによくわかっていない。

7通目(仙さん→シモダ)

引き続き《美意識》について。時代を縦に跳躍して日本の美意識に迫った6通目に対し、「詫び寂び」という点を反復横跳び的に掘り下げられている。後半はむずかしい話をわかりやすく伝えるコツについて。塾講師というお仕事を通して「既存の知識と未知の知識の接続」を心がけているとのこと。ことも無げにさらりと書いてるが凄い。見習いたい。

8通目(仙さん←シモダ)

前半は日頃人に何かを伝える時に自分が意識していることについて。後半部はお店で開催していた都々逸のパネル展を用いた《解釈の幅》に関する話や、大学に聴きにいった講演会で感じた《聞くこと》の重要性について。盛りだくさん。

9通目(仙さん→シモダ)

仙さんが相手の話を聞く時に意識していることについて。話の途中に出てきた相手の話を理解する際の[聞いた量=傾聴量×受容度]という公式が鮮やかすぎて、その後しばらくの間脳内で暗唱していた。

10通目(仙さん←シモダ)

前回の公式を受けて、日頃お店に立つ上で気をつけている[聞いた量]の塩梅について。目的によって受容度を細かく調整しつつ、相手にとって一番気持ちのいい場所を探す試み。さらりと書いているが満足にできているかと問われたら怪しいので問わないでください。後半は企画論(企画のコツ)的なものを書いた。

11通目(仙さん→シモダ)

仙さんによるコンテンツ作り論。まるで手品の種明かしのように丁寧に紐解かれているので、企画やコンテンツ作りで悩まれている方は必見の内容。読むと自然とアイデアが出てくる頭になるかもしれません。(ただし個人差があります)

12通目(仙さん←シモダ)

影響を受けた本と、《未知》との向き合い方について書いた。“知らないから何も言わないのではなく、無論知ったような顔をして言うのでもなく、大切なのはなるべくお互いがお互いを知る努力をし続けながら、わからないところは想像しながら、意見を出し合うこと。それができる世の中になったら素敵だなと思いつつ、まずはその初期段階としてこの書簡のやりとりをそうしていきたいなと思いました。”みたいなところが話の肝。

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