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プロダクトマネージャーはアンパンマンだ〜愛と勇気だけが〜

SecureNaviでプロダクトマネージャー(PM)として働いているゆーたろー(@shimotaroo)です。

日々プロダクトマネジメントに向き合ったり、他社のシニアPMの方々とお話する中で「PMはアンパンマンだわ」と思ったので、それについて自分の脳内にあることをまとめてみようと思います。

過去にポストしたけど驚くほど反応なかったので…この記事でリベンジです(笑)

プロダクトマネージャーがアンパンマンである理由

顔が欠けて力が出なくなったら新しい顔に入れ替えたらいいよね、という話ではなく、

プロダクトマネージャーには「愛」と「勇気」が絶対に必要。とりあえず「愛」と「勇気」があれば細かいスキルはどうにかなるよね。

というお話です。

愛と勇気だけが ともだちさ

アンパンマンのマーチ

まあ、実際には細かいスキルも必要なのですが、あくまでそれは枝葉に過ぎず、根幹には「愛」と「勇気」があると考えます。敢えてキッパリ書きますが、「愛」と「勇気」が無ければPMとしての成功はありません。(全力で自戒です)

雑な図でごめんなさい

というわけで愛、勇気についてそれぞれいくつかに分けて書いています。(繰り返しになりますが自戒です)

愛 / Love

ドメイン・事業への愛

あなたは今戦っているドメイン、会社がやっている・やろうとしている事業を愛せていますか?

(PMに限らずですが)もっと知りたい、もっと学びたい、などの好奇心の源泉は「愛」だと思います。愛があるから知見を深めたいと思います。PMの仕事で良く語られる「ドメイン理解」を深めるためにはドメイン・事業への愛が必須です。

こんなことを偉そうに書いている自分自身、PMキャリアをスタートして2年近くはぶっちゃけ愛を持てていませんでした。愛がなくてもある程度の深さまではキャッチアップできるのですが、あくまで「ある程度」であり、世界を変えられるだけの装備を身につけることはできません。当時のことを振り返ってみると自分が満足する成果をあげられていなかったと思います。(おそらくCEOや上司もそう思っていたでしょう)

僕はあるタイミング・ある出来事をきっかけにドメイン・事業への愛を持ち、ここ1年は以前より仕事がうまくいっている感覚があります。

もし「プロダクトマネジメントは好きだけど今戦っているドメイン・事業にはあまり関心がない」と思っているならば、別の事業に社内異動するか、思い切って環境を変えた方が良いかもしれません。

「愛が無くても十分仕事で結果を出しているぜ」というPMの方はシンプルに尊敬します。深く一礼したい。

仲間への愛

まず、プロダクトマネジメントをPM1人が全て完璧にこなすことはできません。(地球上には「天才」がいるので実際には可能な例もあるかもしれませんが、少なくとも今の僕はできませんし今後もできる気がしません)

となった場合、PMとして必要になったり求められたりする立ち回りは「仲間を頼る」「組織全体でプロダクトマネジメントする」など、「周りを巻き込む」ことです。(会社員の場合、「仲間」は同じ会社のメンバーがメインです)

仲間を頼ったり、組織を巻き込むときに大切なのが仲間からの信頼であり、仲間からの信頼を得るためには仲間への愛が必須だと思います。愛を持ち(≒興味を持ち)、仲間のことを深く知る、困っていたら助ける、迷っていたら導いてあげることで仲間からの信頼を勝ち取ることができます。

仲間からの信頼を得るためにできることはたくさんありますが、手軽なのはやはり1on1でしょうか。30分でも構いません、1対1で話すことでこれまで知らなかった仲間の一面を知ることができますし、自分のことも知ってもらえます。

また、PM3年目にしてようやくですが、PMは組織も「プロダクト」と捉えて、プロダクトマネジメントに向き合うべきだと感じています。いわゆる「良いプロダクトは良い組織からしか生まれない」というやつです。

書籍「プロダクトマネジメントのすべて」にも以下のように書かれています。

プロダクトマネージャーには2種類の仕事がある。プロダクトを育てることと、ステークホルダーをまとめプロダクトチームを率いることである。

プロダクトマネジメントのすべて P.8

僕自身、組織づくりの知見も経験もまだ足りませんが、ビジネスサイド、プロダクトサイド問わず仲間からの信頼貯金をコツコツ貯めることを心掛けながら仕事をしています。(組織・チームビルディングにも今後関わっていきたい…!)

「仲間への愛を持とう!と言ったって、会社の中にはモチベーションが高い人、低い人がいるんだよなあ…」というそこのあなた。わかります。個人的にはまずは前者の仲間への愛だけでも良いと思います。熱量が高い仲間と良い関係を築いておきましょう。

顧客への愛

ドメイン・事業への愛と重なる部分もありますが、PMには顧客への愛が絶対に必要です。

「顧客への愛」というのはこれまでの内容から言い換えると「顧客のことをもっと知りたい、喜んでいただきたいという気持ち」です。

BtoB SaaSを例にすると、プロダクトマネジメントをするためには顧客に関する以下の事柄を知る必要があります。(あくまで一例です)

  • 普段どこで仕事をしているのか

  • どんな仕事をしているのか

  • 兼任なのか選任なのか

  • 社内でどんなミッションを課せられているのか

  • 仕事中、どんなときにストレスを感じるのか

  • なぜストレスを感じるのか

  • 本当にやりたいことは何なのか

普通に考えてここまで細かいことを知るためには愛(≒興味・関心)が必要だとは思いませんか?

「顧客への愛」の先に「顧客理解」があります。

当たり前ですが顧客のことを深く知らなければ顧客が本当に欲しがるものを作れません。ただ、「顧客が本当に欲しいものは顧客自身は知らない」ということがまた難しいところですが…(PMには常識かと思いますが、有名なのはフォードの話)

なお、顧客理解を深めるためのHowはすでに多くの諸先輩PMの方々が色々な記事にまとめてくださっているのでここでは割愛します。(インタビューとか現場見学とか丁稚奉公とか)

勇気 / Courage

意思決定の勇気

何かの書籍に「PMの仕事のほとんどは意思決定である」的なことが書かれていたのですが、本当にそうだと日々実感しています。

PMの皆さんに質問です。(突然)

あなたは意思決定することが怖くないですか?

僕は怖いです。その意思決定が正しいのかわからないし、できることなら間違えたくないので。

でも、勇気を出して意思決定しましょう。(自分に言っている)

PMはプロダクトを育て、成功に導くことが役割の1つです。プロダクトに関する意思決定の際には「正しいかどうかは進んでみないとわからないけどコレが今の最善だと思う!ワシの意思決定を信じてついてきてくれ!」くらいの気概が大事です。

「この選択が正しいかわからないけど、コレで行こうと思っています。もし良かったらついてきてくれませんか?」とか言うやつには誰もついてきてくれません。

「意思決定の勇気」を持つためにはとにもかくにも「準備」だと思います。事業(経営)戦略、プロダクトの状況、顧客、市場、組織の状況などをどこまで理解できているかによって意思決定の勇気の大きさが変わりますし、意思決定の質も変わると思います。

PMが意思決定できないとプロダクト開発は前に進まないし、プロダクトを良くすることはできません。

仮に「準備」が万端だったとしても、PMの経験歴が短いほど勇気を持ちにくいです。特にジュニアPMにとっては大きな壁だと思いますし、僕もPM1年目に悩みました。そんなことを過去のnoteにも書きました。

未来を完璧に予知することはできません。自分なりの最高な道を見つけ、仲間を巻き込んでいきましょう。(頑張ります!)

「意思決定」に関する内容はそれだけで1記事書ける気もするので、自分の中で整理できたら書こうかなと思います。

頼る勇気

「仲間への愛」のパートでも書きましたが、プロダクトマネジメントはPM1人が完璧にこなすことはできないと考えています。

冷静に考えてみると1人で全てをこなすことができないなら周りに頼るのは自然なのですが、いざその場面に立つとなぜか1人でこなそうとしてしまいます。(はい、直近の僕です。PMMから「下田さん1人で全部しなくて良いんですよ。周りを頼りましょう。」と言ってもらってハッとなりました。)

僕は「The best idea is boss.」(最も優れたアイデアに従え)という言葉が大好きです。

プロダクトの施策アイデアは必ずしもPM起点である必要はありません。PMはそれを採用するかどうか最終的に意思決定すべきですが、アイデア自体はPM以外の仲間のものでも全く問題ありません。

時には自分の能力だと判断が難しい問題に直面したり、色々なことを抱え込み過ぎてキャパオーバーになってしまうこともあるかもしれません(キャパオーバーはPMのあるあるな悩みだと思います)。

そんな時に「わからないので教えてください」「ちょっとキャパやばいので助けて欲しいです」「自分だけだと良いアイデアを思いつかないので一緒に考えて欲しいです」と言える勇気が大切です。

上記のような負の側面のあることを打ち明けるには人によっては抵抗があるかもしれません(幸い僕にはあまりそういう感情は無いので良かったのですが…)。が、その抵抗により、仕事が進まなくなったり、自分が評価されなくなったりするのは勿体無いです。

PMのミッションはプロダクトの成功です。プロダクトの成功にために「頼る勇気」を持ちましょう。

愛と勇気を持ってプロダクトマネジメントに向き合っていきましょう

「愛」と「勇気」だけがあってもプロダクトを成功させることはできないですが、その2つが無いと始まりません。

厳密には「愛と勇気だけがともだち」ではなく「愛と勇気と組織と細かいスキルがともだち」ですが、根幹はスカスカだと結果を出せないので、まずは強靭な根幹をつくりましょう。

PMは悩み多き職種です。僕もまだまだ伸びしろありまくりです。一緒に頑張りましょう。

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