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旅行記:23年11月東京旅行

ここでは23年11月に東京へ旅行したときの記録を残しておくものである。
自分用の備忘録でもあるし、感情や感想を記録しておくものでもある。


序 出発前の話


東京へ行くのは何年ぶりだろうか。
前に行ったのは流行り病の前だったから、かれこれ4,5年くらい前かもしれない。
東京旅行は都合3回行っていて、これで4回目である。

今回のメインの用事は、推しのVtuberである澄さんが参加するポップアップストア&イベントと推しアーティストであるそれ故さんのオフラインライブ(?)に参加することである。

澄さん
https://www.youtube.com/channel/UCNethwV7AkG4NKfNGaCuXMg

それ故さん
https://www.youtube.com/@soreyue

ふたりともVtuberという肩書で括るとちょっとばかり物言いがつくのだが、ここでは便宜上そう呼ばせていただくことにする。

また今回の記事では基本的にイニシャルトークということで話を進めていく。
頭文字被ってる人はいないはず……多分。

都合では、ライブの参加の方がメインの日程であり、ポップアップストアイベントの方は覗き見できればいいかな、という程度であった。
でもこれには理由があって、告知のタイミング的にそれ故さんのライブの方が早かったのよね。なのでお仕事のお休みをそちらに合わせて進めていったら、後から澄さんのイベントのほうが文字通りポップアップしてきたという、そういう話でしてね、はい。
これでもギリギリ日程を調整できたので、ポップアップストアの方もなんとか見れるし、ライブも楽しめる、という感じに落ち着けることができた。

 過去の東京旅行ふりかえり

ここで記憶を検める意味も兼ねて、自分の東京旅行を軽く振り返ってみる。
それぞれ2015年12月、2017年11月、2018年12月、2019年7月、2021年11月らしい……のだが、あれ、意外と内容覚えてないな……。

記憶をさらってみると、どの回も当時プレイしていたMMORPGのイベント関連に参加するためだったはず。
初回だけは運営の公式イベントで、それ以降は同人誌即売会的なもの。
まぁ、あのゲーム、自分の魂の還る場所だと思っていますのでね。
それくらい大事な思い出である。

最初の回はもう10年近く前になるのね。
その当時はまだ埼玉に住んでいたおば上(※親戚。母の母の妹)のところに泊めてもらった記憶があるから、10年くらい前……なのか……? もう細かいことはほとんど覚えていないけど。
ともかくゲーム自体がイケイケでアゲアゲな機運の時期だった。運営側の人も面白い人が多くてとても楽しかったのを覚えている。オフラインイベントと同時に二次創作の即売会の場も兼ねていて、以降長年の友人となるTと初めてリアルで顔を合わせたのもそのときだったと思う。
このイベントのときの物販か抽選かで手に入れた毛布は今も大事にしまってあるし、オリジナルパッケージのうMy棒の封も空けてない。そろそろ腐ってるかもしれない…。

2018年は……年上のいとこ夫婦と会食をしたのは覚えている……。お高めのオシャレなお寿司でいまいち味が分からなかった……。
初めて見る奥さんは美人さんだった……。
このときはイベント会場が大宮ソニックシティだったから、東京とは少し違うかもだけど。
で、友人Tの同人誌の挿絵を担当しているT……ああ! Tが被った! まぁT2と初顔合わせをしたのがこのときだった。それはよく覚えてる。
T2とはその後しばらく直接のやりとりはなかったのだが、2年後くらいにAPEX仲間として再会することになる――――

2019年も上記MMORPGの即売会絡み。
このときのイベントが一番大きかったのかな。サークル数とかの意味で。

2021年11月、これは都産貿=東京都産業貿易センターで開催された一般の同人誌即売会だった。オンリーではなく他にも2作品との併催だったと思う。例の流行り病の前である。
当のゲームは2017年にすでにサービス終了していたにも関わらず、他の2作品よりも既に終わったゲームのサークルの方が異様な盛り上がりを見せており、エントリーしたサークル数も多かった、という笑っちゃうような逸話もある。
まぁ、それだけ愛されていたゲームということだ。
そうか……あれからもう3年か……。

そんなこんなで久しぶりの東京……だったのだが、今回はなぜか出発前でもあまり実感が沸かず、佐渡旅行に比べるとなんだか熱意がない感じになってしまった気がする。
なんだろうね、なんだろう。
佐渡旅行は500枚くらい写真撮ってたのに東京旅行は100枚ちょっと、というところからも不完全燃焼感がうかがえる。
まぁでも佐渡は景色ばっか撮りまくってたからな……東京で景色撮るとこってあんまりないしね。
そのぶんメインの用事はとても楽しかったし、人との出会いも得られたので、結果的にはもちろん行って良かったなというのが感想である。

では今回の旅行の日程を辿っていこう。


今回の白地図


1日目

 東京着~新宿駅

以前は夜行バスで通っていた東京だが、今回は新幹線を利用することにした。
まあうん、あの、その、やっぱ疲労がね。当時はお金もなかったけど今はちょっとはあるしね。

新潟駅の構内で昼食用のパンをのんびり物色し、飲み物も買って、その夜に会う人へのお土産なんかも見繕って、よ~しそろそろ新幹線出発の時間だな、なんて新幹線乗り場へ。よし、余裕持って20分前には到着できたぞ、いつもギリギリで動く自分だけど、今回だけは自分を褒めたいな。そう思ってたんだ。

なんかね、変だと思ったんだよね。「◯時◯◯分が発車します」なんて言われて、おや?ってね。
……発車時刻見間違えとるやんけ!!!
20分前に到着したつもりが既に逃している!!

幸先、悪いね。へへっ。
指定席でチケットを買っていたので、もしやチケットはパーだろうか、払い戻しはしてもらえるだろうか、こういうときはどうにかならんのか……と恐る恐る駅員さんに尋ねる俺。
すると駅員さんはよくあることだと言わんばかりの軽い口調で「次の便の自由席でしたら乗れますよ」とのこと。

ありがとう新幹線のシステム。
ありがとう駅員さん。

指定席分の上乗せ運賃はパーになったがそこは自分のミス、次の発車を待つことに。……まぁ新幹線って1時間以上間隔空くんですけどね。そこは仕方ないね。

次の便にはきちんと乗り込んで無事出発できましたとさ。
ちゃんちゃん。

それから東京駅に着いて、新宿駅まで山手線を周り、コインロッカーに荷物を預ける。

コインロッカーの利用場所ってとても悩むよね。
行きと帰りに必ず寄らなければいけない場所に置きたいけど、大きい駅のコインロッカーはだいたい埋まってる。駅から出たくないこともあって外のコインロッカーを使うのもいまいち気が進まない。こまめに預けるとなると1回1回の料金がこれまた高い。
東京は怖いところだ……。

 行き先1 新宿マルイ ポップアップストア

新宿へ到着したのが午後2時くらいだっただろうか。
それから新宿マルイという建物を探し歩いて三千里。(大嘘)
いや~東京ってスケールがでかいね……なんかこう、すぐ近くだと思っても駅の端から端まで歩くのに5分くらいかかったりとかするしね。
しかも地図に表示されてても縦方向の場所がわからなかったりするとさらに苦戦するしね。
東京は怖いところだ……。(※東京5回目)

その建物は新宿駅から東へ徒歩10分くらいのところにあった。
スマホ片手に何階か調べながらエスカレーターを登っていくと……

ででん。

あった! これがお目当ての!

シンプルな棚がいくつかあり、そこに各Vtuberさんのグッズや寄せ書き用のノートなんかが整然と並んでいる。
おお……なるほど……こういう感じなのか……。

そして! なんと!
事前の情報では最終日には片付けられていると聞いていた等身大パネルが!
あるではないか!!!
しかも全員分!

推しです

途端にきゃっきゃしだす俺!
慣れない自撮りをしてみる俺!

一応顔は秘す

こんなことなら全景も撮っておくんだった。

ポップアップストアの概念をよく知らなかったが、調べてみると要するに「短い期間だけ出店する形式の店舗」という感じらしい。
なるほど、見てみれば什器も移動や片付けが簡単そうだし、都会という常に激流に晒される土地に適した出店方法なのだなぁと感心してしまった。

で、グッズを買い~の、交流ノートに記入し~の。
事前の予定では恐らく行けないだろうと思っていたことから、澄さんの交流ノートには人に頼んで自分の生霊(※ただのシールです)を残しておいてもらうようお願いしていたのだが、それもばっちり記入されていた。ありがとうJ氏。そして結局生身も来たんだけどね。

で、さっき自撮りはしたけど、やっぱり並んだ写真を撮りたいという気持ちがむくむくと湧いてきて。
しかしここでおれ、コミュ障を発症してしまう!

近くでは綺麗なおねーさんが接客をしている……他にお客さんはいないし……あれ、でも写真とか頼んで良いんだっけ? どうだっけ? それってマナー違反?
そんなお悩みを抱えながら10分くらいそのへんをうろうろしていたら、接客のおねーさんは途中から来た人と話し込んでしまった。なんてこった! しかも聞き耳を立てていると、その人も今回参加したVtuberのファンで毎日足を運んでいるそうで……そうかぁ、この都会では、そういう趣味の人も多くいて、それでいて受け入れられるものなんだなぁとなんだか妙に感動してしまった。
田舎ではそういうのってあんまりオープンにできないからさ。今回もなんというか、ある意味ではかなり『羞恥』の観念が強く出ていて、そういうのをどうにか捨て去りたいけど、これまでに受けた影響ってのはなかなか捨てられないな、みたいな感覚を抱いたりした。

それからまたぐるぐると悩んで、写真をお願いするのがマナー違反じゃないかどうかを人に確認して、それからようやくおねーさんにお声がけすることができた。
「写真……撮ってもらえませんかッ……!?」 ちいかわか?
おねーさんは快くOKしてくれた。
ぼくは緊張で変な汗をかいていた。

手に持っているのはグッズのリストバンドと自作のアクキー

後からTwitterのアカウントだかをちょろっと覗いて知ったんだけど、あのおねーさんも職業柄(?)こういう手合にはそれなりに慣れっこな人っぽかった。
ちなみにこの話には続きがあるのだが、それは夜の話。


 行き先2 明治神宮

この辺からちょっとノープランぶりが目立つことになるのだが……。
とりあえず近くの観光地を見に行こう、ということで近場にあった明治神宮まで歩いて行くことに。

歩いて。
歩いて。

直線距離でも2キロくらいあって、しかも道は狭くて細くて建物が密集していて方向がわかりにくく土地勘もない。
正直ちょっとしんどかったです。

でもまぁ、一回は見てみたかったので良かったかも。
平日だったせいか境内では外国語がたくさん飛び交っていた。
あとはでっけー鳥居とか。
樹とか。
菊まつりもやってたかな。

手前の二人と比較すると大きさが分かる

で、明治神宮で一休みして。

公園のようなものだと思っていたけど、午後5時くらいになると鐘がなって、アナウンスで退去を促されてしまった。
よく考えたら神社だからそりゃあタイムリミットはあるよね。

辺りは既に薄暗くなりつつあり、明治神宮の敷地内にある鬱蒼とした森は鳥の鳴き声が響いて一種不気味な雰囲気を漂わせていた。
このままここにいたら異界にでも紛れ込んじゃうんじゃないかって雰囲気だった。
こういったきちんと整備された『森』っていうのは、田舎には案外無いものだ。整備された道と、整備された森。はっきりと引かれたその境界線が紐一本隔てて隣り合わせにある環境は、なんというか作為的な違和感みたいなものを抱かせて、それがかえって自然と不自然の境目を強調していた気がした。

そういえばここで引いたおみくじはこんな感じでした。

  むらぎもの心にとひてはぢざらば よの人言はいかにありとも

  自分の良心に聞いてみて、少しも恥ずる所がなければ、
  世間の人はなんと言おうと動揺することはありません。

らしい。
なるほどね、と思った。

 行き先3 B氏との会食

B氏には事前にお声がけをいただいていた。
関東住みなのは知っていたし、ぼくも一度会ってみたいと思っていたのだけど、なんとなく忙しそうな人だしこちらから声をかけるのも憚られるような気がしていた。
……んだけど、ありがたいことに、というか申し訳ないことに、向こうから「会いませんか?」と言ってくれたのだった。

さすがB氏、気遣いの達人。

待ち合わせ場所は新宿マルイ。
明治神宮から歩いて戻ってきてもまだ約束の時間にはかなりあり、ここらへんもノープランぶりがうかがえる。

事前に一方的に顔は知っていたので、こちらからは一目で分かったのだが、向こうも一目で分かったようで、すぐに気付いてくれた。

B氏は仕事帰りだったらしく(平日だもんね)、着慣れたワイシャツとカーディガンにスラックスに革靴という出で立ち。
垢抜けていながらゆるっとしていて、相手に失礼のない程度のビジネス感と相手に気負わせない程度のカジュアル感があって、なんというか、人柄そのままという雰囲気の格好。

いやそれにしても……知ってはいたが……身長たっか!
それが第一印象だった。
いや自分と同じくらいなんだけどね? 多分自分よりちょっと高いよね? そこまで高い人と並ぶ機会はそうそうなかったので、改めて自分の身長というものを実感した。おうおう、こんなんが闊歩してたらそりゃちょっと怖いわ。
それでいて顔ちっさ! スタイル良っ! 体格ほっそ! 待ってくれ! 横に並ぶのめっちゃ恥ずかしいんだが!?
しかも顔良っ! 笑顔可愛っ!
危うく夢女子になりかけるところだったぜ。あぶねえ~っ。

そのまま二言三言話して、何故か再びマルイのポップアップストアへ。(これ今でもよくわからない。でも多分気遣い)
そして二人並んで等身大パネルと写真撮ったりした。うへへへ。楽しかった。
途中おねーさんとB氏が話していた内容からする察するに、多分初日にSさんとのトークイベントがあったときにもこのおねーさんが接客担当だったのだろう。多分。
そうかぁ……都会人はこんなときでも軽妙洒脱な会話ができるんだなぁ……すごいなぁ……と自分の至らなさとB氏の凄さを同時に感じた瞬間だった。こんなふうに気さくに会話を弾ませられるようになりたいね。一種の特殊能力かもしらんが。

それからB氏の案内でお店に。
「新潟って麺も強いし海鮮も強いし肉もブランドのがあるしイタリアン(※)もあるでしょ、チョイスに悩んだんスよね~」と言いながら選んでくれたのはフレンチ。
気遣いの鬼である。
そこで食事をしながら色んな話をした。ありがとう。それとあんまり話を弾ませられなくてごめんなさい。緊張してどんな話をしたかあんまり覚えてないけど、楽しかったです。ごちそうさまでした。新潟に来たら奢ります。

こういうとき、よくオバちゃんたちが「あたしが払うわよ」「いえあたしが」のやりとりをするけど、あれも大事な儀礼なんだなと最近思うようになりつつ、そういうやりとりをしたくないという気持ちもあり…どうするのが正解なのだろうね…。

※ちなみにここでいう『イタリアン』というのはイタリア料理のことではなく、「みかづき」という名前のお店のへんてこな麺料理のこと。感触としては焼きうどんに近いだろうか(公式には焼きそばらしい)。太めの麺に白生姜を添え、特製ソースやホワイトソースをからめて食べるもので、新潟では意外とメジャーなファストフードだったりする。ちょっと大きめのショッピングモールのフードコートによく入っている。まぁ新潟ジョークのようなものである。

ひとつだけ、東京の住居って兎穴みたいだよね、というくだりだけは妙にはっきりと覚えている。
B氏の名前が兎に関連するものだからだろうか、それともそこへ来るまでに、確かにせせこましい住居をいくつも見てきて実感に迫った話だったからだろうか。
文化や芸術や催事へのアクセスがとても容易で羨ましい……というのが田舎暮らしのぼくが都会へ抱く印象なのだが、やはりそこに住んでいる人にとっては違うのだろうなと、当たり前の感想を抱いたのだった。

ノリで「ハグしようぜ!」ってお願いしたら、めちゃめちゃ渋ってたけど最後にはしてくれましたね。ありがとう。本当にありがとう。おかげさまで好感度がカンストです。
また会いたいね。

 1日目 宿屋にて

宿へついたときにはほわほわした幸せ~な気分でいつつ、歩き通しだったので割とくたくた。
だいぶ遅い時間になったにも関わらず、電話を入れるとホテルのスタッフさんはにこやかに「お気をつけて帰ってきてください~」と言ってくれた。ありがたいね。

今回の宿は東横INN北戸田東口。
東横INNのことは結構信用しているので、よくお世話になっている。価格とサービスのクオリティがちょうどいいんだよね。
あとは立地も、都内に近すぎると宿賃が高いけど、あまり遠くでの宿泊も嫌だなぁということでこの辺をチョイス。
朝食もついてるし、バイキング形式なので好きなものを好きなだけ食べられるのも嬉しいところ。
あとは宿を取るときのコツとして、少し価格は上がるけどダブルの部屋を取るようにしている。一度だけシングルの部屋を予約したら、あまりにもベッドが窮屈で足を飛び出したまま寝るはめになったので……ダブルのベッドなら斜めに寝れば体入るからね。平方根!

本当は3日目のためにお手紙とか手書き推しうちわを作る時間も確保したかったんだけど……やっぱり旅先での活動は疲れるわね……。

どうでもいいけど何故かホテルの部屋では裸族になってしまう。
なんで?


2日目

 行き先1 明日館を見てみる

この日は夜にT氏との食事がある以外はノープラン。
事前にT氏から美味しいラーメン屋の存在を聞いていたので、狙いを定めて午前中は池袋へ。
池袋のドンキで手書き推し団扇の材料やマジックペンなどを買い込みつつ、お昼頃には近くのラーメン屋をはしご。

一軒目は『瞠』と書いて「みはる」と読むラーメン屋さん。
その名の通り目を瞠る美味しさ。
売りの鶏チャーシューも美味しかった。

おいしかった


分量は少し物足りなかったので二軒目。
『俺の空』。
こちらはかなりしょっぱめの味付けで、一杯目はラーメンを、二杯目はつけ麺を、という食べ方を推奨していたのでここは素直にラーメンを。二回目があるかどうかはわからないけどね。

おいしかった ちょっとしょっぱすぎたかも

二軒目のラーメン屋で財布を忘れちゃったりするアクシデントもあったけど、急いで戻ったらお店の人が拾ってくれてて。こういうところの運は割と良い方なんだなぁというのを再認識しました。

そういえば以前はやってたこととして、財布はメインとサブを分けておく、という用心を今回きちんとしなかったので、次回からはやっぱりちゃんとすべきだなと思いました。

ラーメンは両方とも美味しかったんだけど、そのぶん新潟のこってりしたみそ味が恋しくなったりもして。
やはり食べ慣れた味の方が舌に合っているのか、それとも新潟のラーメンのレベルが東京に匹敵するのか、そんなことを考えた時間でした。


全然関係ないけど可愛いパーカー売ってた


で、買い物を終えて足を運んだのは自由学園明日館という建物。
重要文化財に指定されていて、建築物として幻想的でとても綺麗だとTwitterで聞いたことがあったので、何かインスピレーションをもらえないかと考えて見学に行ってみたのだ。

が。

残念ながらその日はイベント事があり、外観しか見れず。
仕方ないのでささっと写真を撮って退散することになった。
事前に調べてれば分かったかもなぁ……なポイントでした。


そういえばこのとき、どうしてもトイレに行きたくなったのと、歩き通しでへろへろだったこともあり、南池袋のジュンク堂内にあるブックカフェというところで少し休憩をした。
トイレ借りるだけでも良かったんだけど、まぁ都会って何するにもちょっとお金がつきまとうというか……ね? 折角なら腰を下ろしたかったしね。

フロアの奥まったところにあるカフェは20脚くらいの椅子があり、そこでは買った本を読みながらコーヒーを飲んだり軽食を食べたりできるらしかった。

都会のコンクリートジャングルを眺めながら見る珈琲はそれはそれで美味しかった気がした。

ところで、その接客のお兄さんが、なんとまあ爽やかなイケメンで。
ともかく良い笑顔で人当たりよく接客してくれるものだから、珈琲と共に東京の恐ろしさの片鱗を味わっていた。
もしこれでぼくが文学少女だったら、このお兄さんと会話をするためになにか甘いものを追加で注文していた。危ないところだった。
残念ながらぼくは文学少女ではなかったので、このカフェの経営形態の方がどちらかというと気になっていた。
あんまり儲けとかなさそうだけど、あのお兄さんはどこに雇われていて、どこからお給金が出ているんだろう。
ジュンク堂の社員なのか、別の会社に委託していてそこの社員なのか、それとも単なるバイトなのか。
こういうときに雑に世間話できる能力が欲しかったな。


 行き先2 上野

このあと、本当は靖国神社をチラ見してみようかな、という予定だった。
宗教的なアレソレというよりは、宗教的なアレソレの舞台になった場所を見て見聞を広めておいたほうが良いかな、というような、そんな気持ちだったのだけど、なんか違うな~そういう感じじゃないな~という気持ちを拭いきれなかったので、色々な行き先を検索してたんですよね。

そこで目に止まったのが上野。
上野。

……実は、冒頭の5回の東京旅行の他にもう1回だけ、東京に来たことがある。それはぼくが物心つく前のこと。
両親に連れられて東京に来たときに、上野の動物園を見たというのである。
当時2歳のぼくは当然そんなことを覚えてはいなかったが、それがずっと頭の中に引っかかっていて、じゃあこの際だから行ってみよう!という気がむくむくと湧いてきた。

そうと決まりゃあ話は早い。

どん

上野駅前の広場はハチャメチャにデカかくて、スケール感が狂いそうだった。
東京の真ん中にこんなどでかい広場があって、遠くにはどでかい建物が見えて、近くに見えるようでその実ものすごく距離が遠いのだ。さながら自分が小人になったかのような錯覚を覚えた。
そういえば上野のアメ横には以前足を運んだことがあったな、なんてことを思い出したけど、こっち側に来るのは初めての経験だった。

上野駅の西側の建物の並びは、一種の心理テストのようだなと思ったのをよく覚えている。

駅を出て正面やや右には国立西洋美術館。
さらに右手には国立科学博物館と東京国立博物館。
真正面には東京都美術館と上野動物園。
左手に視線をやれば上野の森美術館。
広場の中央には外国人でごった返すスタバ。

さああなたなら何を見ますか?
的な。

そんなふうにとにかくハイレベルな文化と芸術がもちゃっと一箇所に集まっている特異点みたいな土地があるというのが、本当に東京のすごいところだと思う。

とりあえず往年の思い出の場所(まったく覚えてないけど)で自撮りを1枚。

実に30年以上越しの再会(?)である
これは国立博物館の洒落たポスト

でも、その時既にぼくの興味の矛先は決まっていた。
動物園、ではない。
広そうだったしね、うん。なんか半日じゃ周りきれない雰囲気をひしひしと感じてたし……。

代わりに向かった先、それは――――

国 立 科 学 博 物 館
National Museum of Nature and Science,Tokyo

なおこの正面玄関からは入れず、右下の方に新し目の入口がある

人類の科学の叡智が結集されたこの建物がね!
もうね!
行きたくて行きたくて!
男の子なら誰もが一度はどっぷり浸かる科学への!
浪漫の高ぶりが!
キッズの血が!
騒いで!
仕方なくて!

科学博物館、略して科博は2つの館に分かれていて、ひとつは日本の成り立ちを詳細に追った日本館、ひとつは地球全体の動植物や鉱物などを扱った地球館、にそれぞれ分かれていた。
もちろんぼくが組分け帽子に頼るまでもなく飛び込んだのは地球館。
科学技術なんて興味ないね! そんなことより大自然の方が興奮度高いよ! ←後々嘘になりました。

入場して驚いたのはまず入館料の安さだった。
千円札を握りしめて券売機の前に立ったぼくの眼窩から目ん玉がこぼれ落ちた。

大人一人630円

待てぇい!!!!
安すぎる!!!!

人類史の智の結晶の総まとめを閲覧するために必要な金額がたったの630円!?!?! おかしいでしょう!?!!?
その倍は取ったって納得だよ!?!?

そらクラファンしないと経営立ち行かないわな…と妙に納得してしまったし、未来ある学生たちから金は取れねえ(高校生以下無料)とする志の高さにはとてもとても感動した。

ので、帰りに物販コーナーでカンブリア期の生物の模型を買いました。
あ~~~~~~LOVE~~~~~~!!!!
カンブリアンクリーチャーの中ではアノマロカリスがやっぱりいちばんかっこいいんですけど、形状で好きなのはハルキゲニアなんですよね。この前とも後ろとも上とも下ともつかない意味不明なフォルムが好きで好きで一時期はpixivのパスワードにしていたくらいですからね。あとはオパビニアのへんてこりんな顔もたまらないですし、ピカイアのちょっとなよなよっとしていて神秘的な色合いもかわいい~ですよね!! しかも! セット限定カラーの青アノマロカリスとか渋い色合いでさすが分かってる~~~って感じで最高でしたね!!!
いやぁ、カンブリアンクリーチャーってやっぱり一般的にも大人気なのか、こういうフィギュアまで作られてるものなんだなぁと感動しました。
(※本当にカンブリアモンスターが一般的に大人気かどうかは不明です)

閑話休題。

事前に科博の案内で「一日では全部回りきれません」と書いてあったのがとても親切だったと思いました。
おかげで駆け足で色々なものを見ることができました。ありがとう。
規約に則って、ここでは写真を出すことはできないのですけど、館内の写真をとてもいっぱい撮りました。

マジ大興奮。

あの日、あの時、恐竜の図鑑を見て胸をときめかせた童心の記憶の行き着く先が、ここに結集している。
そう思うと、もう居ても立っても居られなくて。
さながら箒に乗って飛び回る魔法使いのように、ぼくの心は好奇の空へ舞い上がっていた。

あの日の憧れが、あの日の夢想が、こうやって間近で、迫力満点の姿で見られる場所にいられる。これほど感動的なことがあるだろうかと思いました。
館内では親子連れも多くいて、幼い頃からこんなところに通える子供たちの幸運を内心で祝福しました。
おめでとう、君たちは今それと知らずに科学の最先端に触れているんだ。
図鑑やテレビなんていう遠くのものを切り取った媒体じゃなくて、間近で見られて肌身で感じられるとても貴重な空間にいるんだ。どうかそのことを将来思い出してくれたらこの施設の役割はきっと十分に果たされるはずだ。

なんて。

恐竜の説明も、最先端の学説である「恐竜は鳥類の一種である」というものに基づいた内容にきっちりと沿ったものになっていて、とても感動した。こういうものは古い図鑑や映像で更新されることはほとんどない。これぞ専門的な施設の役割と言えるだろう。
他にもマッコウクジラの原寸大標本や大量の動植物の標本などなど見ごたえのある展示物ばっかりで、感動で涙ぐみながら館内を駆け足で往来する不審な男性が出来上がってしまったのだった。

そうして動植物・鉱物ゾーンを見終えたあと、少しだけ閉館まで時間があったので科学技術コーナーへ。

はい。ここでも泣きました。
あの日あの時間に置いてきた科学キッズの魂がいっときだけ戻ってきてしまいました。
だって……だって……絵や図でしか見たことなかった実験機器が目の前にあるんだよ……文章でしか知らなかった光を捉えるための実験や重力を測るための実験が目の前で、ボタンを押すだけでできるんだよ……こんなの泣いちゃうじゃん……。
頭の中に知識としてしか蓄えられてなかったいろんなものが目の前で現実になって現れてるんだよ……泣いちゃうじゃん……。
すばる望遠鏡(のレプリカだったはず)とかも展示されてるんだよ……。
子供の頃に憧れたファンタジー小説の世界が目の前に飛び出てきたかのような、現実離れした感動がそこにあったんだよ……。
我ながらちょっと気持ち悪いね、そうだね。
でもそれくらい衝撃的だったんですよ。本当に。

半日どころか丸一日いてもきっと飽きないだろうな。
少年時代のぼくだったら、丸一日どころか通い詰めていたかもしれない。

シアター360のムービーも見たかったなぁ。
行ってよかった。
また行きたい。


 行き先3 T氏と会食

科博の閉館時間を過ぎて、池袋辺りで待ち合わせしたんだけど、それでもT氏の仕事終わりにはしばらくあったので、またもやしばらくの待ちぼうけ。
金曜夜だったのでいつものとこは混んでるよなぁ、という話はしたものの、やっぱり二人で飲むならあそこだよな、ということでいつものダイニングバーへ。

T氏との最初の接点は東方Projectというジャンルで、魂の故郷であるMMORPGでは一緒にプレイしながら合同の同人誌を1冊出したこともある。その後もTRPG、定期更新ゲームと付き合いが続き、今でもほぼ毎日なんらかのやりとりをする仲だし、歴戦のコミケ参加者でもあるTの小説の原稿をチェックする役割も任せてもらっている。
一時期は(こっちが一方的に)険悪になった時期もあったが、思えばそこで喧嘩別れしなくて本当に良かった。貴重な友人である。

初手のビール
ポテト&フィッシュとクリスピーチキン
池袋のビアザウルスってお店です
オムライス

東京に来てT氏と会うときはだいたいここでお酒を飲む。
このお店、やや隠れ家的な雰囲気があって、料理も美味しいしビールも種類があって美味しいしカクテルも頼めてとてもお気に入りのところ。

スタッフさんがみんな練度が高くて、数年に一度だけ顔を見せる我々のような客にもまるで顔見知りであるかのように、適度な距離感で接してくれる。
その日も大口の予約客がいて、しばらく入口で待っている時間があったり料理がなかなか届かなかったりしたのだが、着席するなりホール係のお兄さんが「すみませんね」と一言入れてくれたり、料理に時間がかかっていることを気にかけてくれたりして、待つことすら苦にならないような気遣いをしてくれる。そんな手腕を見せてくれるのが、また気持ちいい。
なかなかこんなお店ないと思うんだけど、どうだろうか。

T氏とは毎日文章でやり取りしてることもあって、会って特別に話すようなこともないのだけど、あれやこれやととりとめのない会話を楽しんで、良い時間を過ごすことができた。
いつもありがとう。持つべきものは友ね。

 2日目 夜

この日もまぁまぁ遅めの時間にホテルへ帰還。
酔った頭と疲れた体で睡魔と戦いながら、翌日のライブへ向けてなんとかファンレターを書き上げる。
その勢いでお手製うちわを……つく……つく……れずに力尽きてしまったのであった。
南無三。

これは余談なのだけど、ダブルの部屋を頼むのって普通に考えたら二人組なのでバスローブとかタオルが2セットあるんですよね。
で、当然ながら朝にもらう換えのタオルとかも2セットあるので……まぁ……贅沢だね!


3日目

 3日目 朝 池袋にて集合

この日は朝から連絡を取って待ち合わせ。
今回のメインであるそれ故さんのライブイベントは13時頃に受付開始。
会場は江古田のライブハウス。
となればみんなでどこかに集まって移動しよう、ということで、この旅行2回目の「こちらは顔を知っているが相手はこちらの顔を知らない」待ち合わせをすることになる。

ここで初登場するのが、11月の東京ですら半袖で通す変人K氏と自身もVtuberとしての姿を持つM氏。
池袋のドンキ周辺で待ち合わせということでその辺をうろうろしていたら、二人は割とすぐに見つかった。
K氏の声と喋り方は東京においても特徴的だったし、M氏もVtuberとしての活動は知っていたので声と喋り方が記憶と合致したからだ。そう考えるとやっぱり喋り方って人柄出るんだなぁ。
ふたりとも思ってたより小柄で可愛い感じ……という感想を抱いたのだが、男性に対して可愛いというのはいささか失礼かもしれない。自分の体格と比較したら大体の人は可愛い体格になっちゃうしね。一昨日は例外と会いましたけど。

ちなみに二人からは当然ながら「でっか!」と言われました。第一声としては予想通り。

顔を見るまではなんか物凄く緊張していたけど、実際に会ってみると同じ推しのファンという共通点からか、お互いにそれなりに大人なせいか、わりかしするっと喋れる仲になったように思う。
ぼくはコミュ障だけど、ふたりとも普通にコミュ強っぽいもんな…。ありがたいな…。

合流してから、二人がドンキでちょっと買い物したいと言うので荷物を預かって自分は外で待つことに。

そこに後から来たのが、ポップアップストアでぼくの生霊(シール)を交流ノートに貼ってくれた関西のあんちゃんJ氏――――いや、コードネーム”パパ”。眼鏡とロン毛で夕日を背負ったO氏、コードネーム”ドクター”、そして酒と鮭を司るコードネーム”SAKE”。
やがてK氏――袖を忘れてきたパンダ頭の男、コードネーム”半袖”とメイド服に造詣が深いコードネーム”エム”もドンキから出てきた。

あまりにも個性的過ぎる面々がここに集い……

役者は揃った――――( ド ン )

なんかさ、こう……見ず知らずの男たちが集まって一箇所に集うのって、良いよね。
良いか?
分からないけど。
映画のワンシーンみたいな気がしないでもない。
これから決戦の地に赴くぞ、みたいな。

まぁライブ会場なんですけど……決戦の地と言って言えなくもないかも。

そんなこんなで集まった七人の侍(人数不足)は新宿から江古田へ移動することになったのだった。

 3日目 昼 江古田 クラブドロシー

江古田に到着したのは12時過ぎくらいだろうか。江古田は学生街だそうだけど、大人数で食事ができそうなところもなかったので、とりあえず喫茶店で軽く時間を潰すことになった。
"エム"が素早く調べてくれたカフェ『ぶな』というところにぞろぞろと入っていく。そこでみんなで自己紹介したり、物品の受け渡しをしたり、ファンレターを書いたり、しばらく自由な時間を過ごした。

ぼくはというと、必死にお手製うちわを完成させるべくペンを動かしていた。『ぶな』どころかクラブドロシーまでの道中も、なんならクラブに入ってからもしばらくカキカキしていたくらいだ。
今思えば折角顔を合わせたんだからもうちょっと喋れよ!!という感じだったのだが……逆に言えば、これはこれで緊張がほぐれたのかもしれない。
あとは”パパ”が資格試験を控えていると聞いていたので、お礼代わりに明治神宮で買った学業成就のお守りを渡したらめちゃめちゃに照れていた。ちょっとプレッシャーかけてしまったかも……しれない……?

ちなみに『ぶな』では自分で選んだカップにコーヒーを淹れてくれるというサービスがあり、ぼくはたまたま目に止まった深緑色のカップをチョイス。
……深い意味はないデスよ?

光の反射は色合いをまるっきり変える、という絵の色選びに通じる1枚で気に入っている
カップの色はソーサーと同じ緑のはずである

オリジナルブレンドは美味しかった。
普段ならちょっと気が引ける700円という値段も気にならないくらいには。

13時頃に『ぶな』を出発。
坂道を上り下りすること数本。
目的地であるクラブドロシーはそこにあった。

広く取られた間口からそのまま地下へと降りる階段。
階段の先には急拵えのカウンターがあり、物販が並べてある棚と数人の受付の人が。

到着するともうそこそこ人がおり、階段のところに列を成していた。我々も同じように並ぶと、演者へのプレゼントをオーナーらしきお姉さんが回収しに来てくれた。メンバーは思い思いのプレゼント……お手紙とか、本棚から抜いてきた詩集とか、本日の主役タスキとか……を渡していた。

手続きを終えてから、ワンドリンク制のために瓶コーラをもらって、会場内では多分飲むスペースがないだろうと踏んで一気飲み。

ブ厚い防音扉を開いて、外界と隔てられた薄暗いハコの中に入る。
中は十畳ほどの空間になっていた。
正面にはVtuberの姿を映すためのスクリーン、左手には座って見る人用に長椅子が一脚、右手側はおそらく演者控室だろうか、年嵩のスタッフが何度か出入りしていくのが見えた。そして入ってきた扉のすぐ右を見ると、そこはイケイケなあんちゃんとミキシングコンソールが備えられたDJブースとなっていた。
ナマDJ、初めて見た……しかも東京の本場で戦っている人となれば相応の実力の持ち主に違いない。後ほど演者のパフォーマンス中も何度かそこを盗み見る瞬間があったのだが、あんちゃんは曲に合わせて細かくツマミを上下させていた。面白かった。

我らがそれ故さんは第3番目の出演。
途中、換気のための休憩や物販購入のために出入りをしつつも、このときライブハウス初心者の自分は白オンリーのペンラを購入したことを密かに後悔していた。

いよいよ我らがそれ故さんの出番……というときになって、ぼくがギリギリ完成したうちわを構えながら前を伺い、「こんなデカいのが前に出ても良いのかな」そわそわ、そわそわ……していると、すぐ横から見知らぬお兄さんが声をかけてくれた。

「そのうちわ、良いっすね。前行って見せてあげましょうよ」

 そのうちわ、良いっすね――

 良いっすね――

 すね――

細かい文言はちょっと忘れたが、だいたいそんなことを言ってくれたはず。

「あっ、はい、手作りなんすよ。はは。そっすよね、行ってきます」

そのときのうちわ

これでぼくの中で完全に何かが吹っ切れた。

ライブ会場でパフォーマンスをするのはなにも演者だけでない。観客もその役割を担っているのだ。多分。
歌や踊りやMCを披露するのが演者なら、それを受けて合いの手を入れたり歓声を上げたりして場の空気を盛り上げるのが観客の役割であり、使命でもある。コール&レスポンスには応じたほうがお互いに気持ちいいし、「これで最後の曲となります」と言われたら「ええ~~!!」と返すのがお約束。よくテレビで入るようなガヤの笑い声もここでは録音ではなくナマのそれだ。
普段youtubeのチャット欄で騒いでいるようなのを、キーボードと指先ではなく、自分の体で、声で、身体性を伴ってやっているのだ。
引っ込み思案でコミュ障気味のぼくもこのときばかりは頑張った。だって折角演者がパフォーマンスしに来てくれたんだもん。楽しんで帰ってもらわないと損だし、楽しんで帰りたいじゃんね。

ちょっとごめんなすって、みたいなへんてこな断りを入れながらいそいそと前の方に寄っていく。(配信では結構ばっちり声が入っていたらしい。恥ずかしい)
左手にペンラ、右手にうちわ。片面しか完成しなかったうちわのどっちを見せるか悩んだ結果、演者控室でも配信は見えているらしかったので、配信カメラに完成した側が映るように構える。

万全。

いよいよそれ故さんの登場。

それ故さんはやや緊張した雰囲気で、しかも初お披露目の3Dモデルの足が動かないというアクシデントに見舞われながらも、ばっちりファンを楽しませてくれた。

ありがとう、見知らぬお兄さん。
ありがとう、うちわ。
ありがとう、それ故さん。

初めてのライブハウスでのライブイベントが今回で本当に良かった。


 3日目 江古田から帰途へ

ぼくの手元には往路のときと同様、新幹線の指定席のチケットが。
しかしライブが終わったのは午後4時。
これがどういうことか分かるね?
つまり――復路も自由席に座ったということだ。

さておき、ぼくは翌日からもう仕事だったので、みんなで記念撮影をして、ついでに”パパ”と肩組んでツーショットを撮ろうぜ!という約束(挑戦?)も果たして帰途に就いたのだった。
ちなみにそのシーンも、なんならその後駅で談笑してたシーンも、ばっちりそれ故さんに見られていたらしい。

帰りの電車の中ではなんだか夢を見ているような気分で、旅の記憶を振り返っていた。

新幹線が新潟へ近づくたびに、自分の存在も日常へと還っていく。
新潟駅から自宅の最寄りの駅への電車に乗れば、そこはもうすっかり見知った風景。
小腹が空いていたので近くのスーパーでパックの寿司を買って食べた。
まさに日常の味がした。


なお改札で乗り越し料金を少し取られた。


 終わりに

Vtuberのオフラインイベントは初めてだったし、ライブハウスも初めてだったし、久々にオンラインの友人とオフで会ったりしたし、また色んな体験をしてしまったなぁと思う。
ちょっと不安な面があったりもしたのだが、まぁそれも含めて未知への冒険と言えるだろうし。
貴重な経験をさせてくれた人たちに感謝だね。

また行きたいと思う一方で、今度はもっと別の土地を見てみたいとも思う。東京近辺はおおよそ見て回ったから、静岡とか千葉とかかな。
関西に足を伸ばしてみるのもいいな。その場合は恐らく飛行機になってしまうだろうけど……。
あとは小樽とかにもちょっと行ってみたいなと最近思っている。

そんなに余裕がある生活じゃないけど、遠く見知らぬ土地を散策するのは結構好きなので、半年に一回くらいはどこかへ行きたいなと思う。


 旅は道連れ、ってね















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