カスタマーサポートのデジタル化とは何か?
本日は、カスタマーサポートのDX推進、デジタル化は何か?というテーマです。(以前書いたこちらの記事のリバイスです)
Q:カスタマーサポートのデジタル化とは何か?
そもとも『デジタル化しよう!』『DXが必要だ!』と叫ばれていますが、コールセンター業務、カスタマーサポート業務におけるデジタル化とは、どういことを意味するのでしょうか?
弊社では、下記の図のように、3つの側面のデジタル化、①プロセスのデジタル化、②コミュニケーションのデジタル化、③統計・データのデジタル化を同時並行に進めることと定義しています。
上記図は、マーケティングのプロの高広さんのデジタル化の図を元に、作成させていただいています。ありがとうございます。
例えば『AIチャットボットを入れたい!』となった場合おいて、『コミュニケーションのデジタル化』の観点での議論(どこにチャットボットを搭載するのか?やどんなキャラクター設定なのか?)についはよくされるのですが、チャットボットに搭載する回答データの品質に関わる『プロセスのデジタル化』の部分の議論が抜けて落ちているケースがあり、その場合は回答精度がよくない、もしくは回答内容がカスタマーにとって役に立たない=役に立たないチャットボットが出来上がることになります。
『プロセスのデジタル化』の部分がクオリティ高く作り上げること、リリース後もクオリティ向上のためにどんな業務プロセスをすればいいのか?という観点での考慮が必要になります。
ポイントは、3つのデジタル化の相互作用で成り立つソリューションなのに、1つの側面だけでデジタル化を推進すると失敗するということをご理解いただけるといいかと思います。
Q:コミュニケーションのデジタル化とは?
カスタマーサポートで、一番わかりやすい箇所で、問い合わせチャネルのデジタル化は避けて通れない大きなトレンドかと思います。
Salesforceのレポートでも『40%のカスタマーは、好きなチャネルを利用できない企業とは取引をしない』とある通り、電話だけでなく、電話・チャット・メール・セルフサービス、などを通して一環した顧客対応(チャネルによってたらい回しに合わない)を求めています。
同じ1人のカスタマーでも、時には電話、時にはチャット、のように、カスタマー自身が置かれている状況や気分によって、問い合わせチャネルを好きに選ぶ傾向が見て取れます。
とはいえ、各企業にとって、そもそものオペレーションのコストの制約や、オペレーションの業務フロー・体制が同時にデジタル化されているか、によって実現範囲が異なってくると思います。
マルチチャネルを期待している顧客に対して、自社としてどのようなコミュニケーションしていくべきか?という問いに向き合っていくことが重要かと思います。
Q:プロセスのデジタル化とは?
ここはコールセンター内の業務プロセスのデジタル化をどれだけ実行できているか?という点がメインの論点になります。
・オペレーションのデジタル化
・デジタルを活用したマネジメント体制
・リモート体制におけるセキュリティ体制
あたりがこのあたりの論点になりそうです。結構壮大です。電話対応においては、コールリーズンを把握するのも一苦労のテーマです。
Q:統計・データのデジタル化とは?
カスタマーサポートの領域では、ここは主にSalesforceなどのCRMなどの顧客管理データや、Google Analyticsなどで取れる行動データ、コールセンターの応対マニュアルなどのデータ、さまざまなものが当てはまります。
どんな問題を解決するのに、どのようなデータをどう蓄積すればいいのか?という点について、別の機会にまとめたいと思います。
まとめ:それぞれのデジタル化の相互作用で価値が高まる
カスタマーサポートのデジタル化は、3つのデジタル化の相互作用で、価値がより高まっていきます。どれか1つから実施していくというトライの仕方はいいと思いますが、最終的には3つのデジタル化を目指していくのがいいと思います。
また、そもそもの議論として、『今すぐ急いでデジタル化する必要はないのではないか?』という話が登るケースもあると思います。
現状では、デジタル化に積極的な企業と、そうでない企業が混在していると思います。
下記もSalesforceのレポートが示す通り、(当然なのですが)カスタマーは顧客体験がよくなることを望んでおり、いい顧客体験を提供する企業あり続ける限り、カスタマーの期待値も上がり続けます。
自社で、どのような顧客体験を提供していくべきなのか?その理想に対して、現状はどうなのか?理想と現状のGAPはどこで、そのGAPを埋めるにはどんな解決策が取り得るのか?その解決策はデジタル化が必要なのか?デジタル化が必要な場合、3つのデジタル化のどのデジタル化が必須なのか?という流れで考えていってもらえるといいかと思います。
以上、カスタマーサポートのデジタル化とは?というテーマでした。