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カスタマーサポート業界における「AI vs 人間」という考え方の違和感
コールセンター業界における「AI vs 人間」という考え方
カスタマーサポート業界でよく取り沙汰されるのが、「AI対人間」という議論です。しかし、この対立的な考え方は本質的な問題を見落としているかもしれません。
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その対立軸を前提とした、「どちらがいいのか?」「自動化できないものが結局、多いよね?」「人が対応したほうが、温かみがあるよね」「自動化しないと、先はないよね」のような議論になりがちです。
◯◯vs◯◯な図式の考えが前提だと、基本的にどちらが優れているか?に、終始するケースが多いと感じています。
なぜ対立軸で語る人が多いのか?
そもそも、なぜAIと人間が対立するのか?論争を繰り返すうちに、多くの人がAIや自動化技術が自分たちとは別の仕事をしていると認識していることが一因だと気付きました。
つまり、AIや自動化が自分たちの仕事を簡単にし、質を向上させることができるという現実感が持ちにくいのです。
そのため「自分の仕事が奪われる!」という拒否反応が先に発生し、どうしても対立で考えてしまうのだと思います。
人のほうが価値が高い局面もある
しかし、人には人だからこその役割もあります。
例えば、あるホテルのドアマンがVIP客の顔と名前を数千人覚えていることが話題になったことがあります。しかし、このような業務はテクノロジーを利用すれば、誰でも可能になりえます。システムで顧客情報を管理し、顔認証などで本人特定等をすれば、人間が顔と名前を一つひとつ覚える必要はありません。ただし、「人間がやってくれる」ということの重要性は依然としてあります。システムが名前を呼びかけたところで感動はしないでしょうが、人間が同じことをした場合は「覚えていてくれた!」と喜ばれることがあります。
同様に、オンラインショッピングの商品推薦機能は、利用者に感動を与えにくいものです。一方、リアル店舗で、以前に訪れた店の店員に個別のアドバイスを受けると、より感動させることができるでしょう。
カスタマーサポートにおいても同様で、人のほうが気持ちがいい、という局面があります。そこを自動化すると、成果が低下することもわかっています。
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人+AIでカスタマーサポートをエンパワーメントしたい
カスタマーサポートでも、テクノロジーを活用してより迅速で心地よい対応が実現できると信じています。私たちのお客様の事例でも、AIはコンタクトセンターのオペレーターが使うシステムとして活用されています。
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優れた顧客対応は、カスタマーサクセスの概念に基づいて行われ、企業のビジネスの基盤となるべきです。売上や利益、顧客生涯価値を向上させるようなインパクトがある顧客対応を実現するためには、人間とテクノロジーを組み合わせるのが最適な方法です。人手不足の現代においては、人の役割は、レバレッジ&インパクト(私たちが大事にするバリューの1つ)のある場面に焦点を当てるべきでしょう。
とはいえ、理屈ではわかっていても・・・・どうしても受け入れられない、ということもあるとは思います。
カラクリは「ぬいぐるみ」を、顧客に送っていますが、これによりAIが敵ではなく味方であると認識していただける効果もあります。目に見えるだけで、ちょっと変わってくる、というのも面白いなと思います。
私たちもサービスをさらに向上させ、多くの人に利用してもらい、人間とテクノロジーが融合したカスタマーサポートや顧客対応が一般的になる世界を迅速に実現したいと考えています。
引き続き、応援のほど、何卒よろしくお願い致します。