【シリーズ】令和のKCS【2】
令和のKCSシリーズ
HDIアカデミー 2023のセミナーを『令和のKCS シリーズ』として編集したものの第二弾です。
第一弾はこちら。
本編のスライドは、本記事の最後にリンクを張っておきますので、興味があるという方はぜひ御覧ください。
第2弾の主題は、『強制しない』を深掘り
今回は、強制しないKCSとは?を深掘ってみようと思っています。
セミナー当日に、スライドにあるような質問をしてみました。すると、命令/強制的にしか、手が挙がりませんでした。
私もKCSの深掘りをするまでは、『必ずナレッジを使う必要がある』『すぐに応対可能なものもナレッジを参照する』ということに囚われすぎていました。故に、そんな運用が実運用として可能なのか?という点で、KCSそのものに懐疑的になっていた時期もありました。
しかし、よくよくKCSを深堀って見てみると、『強制せよ』とはどこにも書いていないことに気づき、視点を変えて『常に使いたくなるような仕組みをつくるには?』という問いに向き合うことができました。
なぜそんな『KCSは強制する』という誤解が生まれたのか?
推測ですが、ナレッジにないものは都度ナレッジをつくる運用をする、を裏返してナレッジがあるものはナレッジを使う=絶対使う、という運用プロセスが組まれるケースが多かったからだと考えています。
強制の呪縛に囚われたまま、無理やりKCS的な取り組みを現場に敷いた場合、どのようなことが起こるでしょうか?
いろいろなコールセンター/コンタクトセンターの見学や、自身のBPO企業時代を鑑みて、以下のようなことが発生します。
・適当なナレッジを選ぶ(ナレッジを使ったふり)ので、コンタクトリーズンの正確な把握ができないばかりか、完全に見誤るケースすらある(住所選択で北海道が多くなる現象と似ている)
・ナレッジが改善されないので、顧客応対の品質も上がらない。新人への教育も『ナレッジを使って』ということが基本路線になるが、実際はナレッジは使った振りで実務には別の知見が必要で、新人が全くスキルアップしない。その結果、すぐに辞めていく。新人だけが異様にやめていく現場はこのようなケースが隠れている
などなど。いいことは1つもありません。
影響を受けた一冊の本
強制せずとも、みんなが使いたくなってしまうようなナレッジマネジメントこそが、令和のKCSの根幹なような気がしています。
そのような考えを巡らせているタイミングで以下の本に出会いました。
任天堂のゲームクリエイターの方の本で、『つい、やってしまう』ような体験はどのような要素を組み立てて作っているのか?というのがまとまっています。
ゲームの話と思って侮るなかれ、ビジネスでもかなり役立つと思います。ChatGPTなどの生成AI大ブームの中でもこの考えはめちゃくちゃ参考になります。
弊社のエンジニアたちの表現を借りると、『息を吐くようにナレッジマネジメントができている状態』と表現できます。
もともとKARAKURIでは、『(運用担当者が自分で)本当に運用できるサービスをつくりたい』という思いでスタートしています。KARAKURI chatbotの管理画面は世界一運用しやすいと思っています(自称)。
それぐらい、つい運用したくなる、仕掛けがほしいところです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?第二弾、強制の深掘り、でした。
繰り返しになりますが、KCSの理念やビジョンに1片の曇なし、とも思いますので、その前提でご理解いただけたら嬉しいです。
また、HDIアカデミーでの120ページのスライドは以下のURLにございますのでご興味がある方はぜひ。リンクに飛んで、すぐにご覧いただけます。
スマートフォンでは、少しスライドが崩れます。ご了承ください。
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【補足】KCSの概要コラム
当社、カラクリのコラムで以下のような記事もまとめております。KCSを知りたい方は、合わせて参考にしていただければと思います。こちも第6回までありますので盛りだくさんですが、お時間あるときに。
【補足】いいナレッジを作るための生成AI活用
カラクリナレッジジェネレーター(KKG)というものを開発しています。
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