ChatGPTのカスタマーサポート分野での活用について
カスタマーサポート分野でのChatGPTの活用はどうなる?
ChatGPTのAPIが公開され、様々なシステムに取り込まれはじめました。
もう『ChatGPTの技術が組み込まれていない(広い意味だとAIが搭載されていない)サービスなんて使いたくない!』という空気が生まれそうです。
ChatGPTなどの生成系AIを組み込むのは当たり前として、どのような体験を提供できるのか?という点が勝負になりそうです。
では、カスタマーサポート分野では、ChatGPTはどんな活用がされていくでしょうか?
完全に私見ですが、まずはコンタクトセンター内で働くオペレータ、SV、管理者が使う道具として、EX(従業員体験)の領域で発展すると考えています。
ChatGPTはクリエイターの力を高めるソリューションだと感じており、コンタクトセンターのオペレーターさん、SVさん、管理者の方の生産性の向上や、クリエイティビティの向上が可能になると思います。特に、オペレーター、SVに業務上の発見やインスピレーションを与える新しい道具として大活躍していくと思います。
逆にカスタマーポート文脈の顧客体験(CX)での活用は限定的と判断しています。
理由は、①顧客体験側での活用は『正解が1つのものは生成が向かない』ため、検索と生成のバランスを企業側がコントロールする必要がある点、②顧客の入力がトリガーになるので検索意欲の高い顧客がターゲットになるので、顧客ターゲットが狭い点、③回答が長くて読んでくれなさそう、あたりが、まあまあデカ目のハードルだと感じています。
カスタマーサポート×顧客体験だと、問題に対するよくある回答を提示するというシーンでの自動化がメインになります。ChatGPTは、新しい発見やインスピレーションを与えるのは強いのですが、1つの正解を発見するというのはコスパが悪そうです(他の技術で十分)。
とはいえ、技術の進化が激しいので、来月、別のことを言っているかも知れませんwプロンプト次第でなんとでもなりそうなので、顧客体験側でも新しいUXをつくりたいなと思っています。
何事もやってみることが大事
さて、今のフェーズはいろいろと触ってみることが大事!ということで、コールセンターやコンタクトセンターで使えるようなものをプロンプト縛りの中で試してみることにしましょう。
APIを使うのではなく、普通のChatGPTを使っていますので、みなさんもすぐに試せると思います。
第一弾は『応対ログの要約』について
その第一弾、まずは応対ログの要約を試してみようと思います。
まずはChatGPTで応対ログを適当に作成します。
次に、要約のプロンプトを書いてみます。
結果は以下。
応対ログの要約としては、十分な感じがします。
コンタクトリーズンに分類はできるか試してみます。
結果は以下。
それっぽい分類もきちんとできそうです。結構有効活用できるかも?と思います。
まとめ
一応、コンタクトリーズンを増やしたバージョンでもやってみましたが、分類はうまくいきそうでした。
実際の音声ログは、もう少し不完全なデータなので、同じ結果が出るかはわかりませんが、試して見る価値はありそうですのでぜひ。
(ちなみに、お客様の質問を津軽弁などに変換して試してみましたが、うまくいきました。とはいえ、欠損がない日本語なので実際のコールログとは別の話かなと思います)
一歩進んで、次の実験に移行する際は、
不完全なコールログの前処理(不必要なところを省くなど)
個人情報等の排除の前処理
あたりがポイントになりそうです。
来年あたりには、応対ログの要約やコンタクトリーズンの分類などにChatGPTが当たり前のように使われているかも知れません。