ぼーろランドへようこそ 4
すごい早さでリリースしている、一泊3日の旅日記。
何故か。忘れちゃうからである。
感動には賞味期限がある。
感動の記憶を忘れがちな私は急いで記録する。
同行したなんてねの方でも書いているが、ペースがだいぶ離れてきた。
彼女はじっくり苦味の効いた珈琲のように、ポトリ、ポトリと思い出を抽出中で、その辺対比が面白いのでよかったら覗いてみて頂けたらと思う。
あんこどんがマガジンにしてくださってる。
さて、次の聖地へ向かう前に、少しだけツーショットを披露させて頂く。
妹が色々知らない間に撮ってくれていた。
すんごいスマホが カシャっていうので、隠し撮りというほどでもなく、なんか撮られていた。
そして午後3時。
私たちは更にパワーアップしちゃう場所に来た。
湯治場である。
薬草入りの蒸し風呂に入り、身体を温め、少し横になる。
蒸し風呂は3回ほど繰り返し入るのが良いらしいのだが、冬の体ができつつあるこの季節、中々毛穴が開かず、6回くらい繰り返してから休憩所で横になる、を繰り返した。
2ローテーションしたら2時間が経ち、閉店時間になって終了した。
今度はお弁当持って1日がかりで来て下さいね
店主の女性がそう言ってくださった。
ありがたい。
是非また来たい場所になった。
毛穴の奥からデトックスして、体のエネルギーが軽くなる。
お昼にうどん屋のテレビで芋煮を見かける。
芋煮食べたことない、という話から夜は芋にパーティーになった。
食材を買い、家に戻り、マッキーとも合流。
私たち姉妹は無心で里芋を剥きまくり、ぼーろ氏は淡々と下ごしらえを終わらせ、いつの間にか鍋の完成を待つのみとなる。
マッキーには私たちのおしゃべり相手をしてもらい、
そして鍋が出来上がる。
鍋を囲むと、それだけで親戚になったような身近な感覚になる。
寝食を共にする
その言葉の威力を感じる。
ここで録ったのがこのトークだったわけである。
アプリで聴きたい方はこちらをブラウザにコピペすると🙆♀️
https://stand.fm/episodes/61b73495a3d2740006db140e
グダグダの完成度が、それだけ和やかな空間だった証だ。
人様に楽しんでもらえるものではないかもしれないけど、やはり私たちが楽しいということを大事にした。
(結果楽しんでくださる方がいてこれまた嬉しかった)
ここで驚いたのは、
帰ったら寂しいなぁ、と惜しげもなく話してくれたこと。
なんのお世辞でも方弁でもなく。
100%ピュアの搾りたてジュースなのか、君たち夫婦は。
ものすごく分かるのである。
何日も前からどれだけ楽しみに準備してくれていたか。
この日のためにどれだけ走り回って、イメージに近いものを用意してくれたか。
それがきっと楽しくて楽しくて、どれだけ楽しみに待っていてくれたか。
ありありと分かるのである。
あの、親戚や知り合いが集まって沢山遊んで、帰るよーって言われて従兄弟たちが帰ってしまう、友達が帰ってしまう時の。
帰っちゃうの?
の、大人バージョン。
楽しい宴の後のなんとも言えない余韻。静けさ。
それを思うと、ものすごく嬉しかった。
嬉し過ぎて表現出来なかった。
いい作品に出会えて、その朗読をさせていただき、もはや芝居だと感動してくれて、本当に本当に喜んでくれて、私がお礼参りに伺ったつもりだったのにお礼たっぷりの時間を企画してものすごい楽しみに待っていてくださった。
いよいよ帰る間際、
シモーヌさんこれ持ってって
とぼーろ氏がなんかボソッと言った気がして振り向く
とそこには
小さいけど、間違いなくキヨが持っていたであろう、野菜カゴが。
美味しそうな、いや、あの美味しかった野菜たちがギュギュギュギュっと詰めてあった。
この写真は帰宅後のものだからすこしゆとりがあるが、小さくてもずっしりするほどに野菜が入っていた。
ひょっとしたら中に将棋や歴史の本が入っているのかもしれないと思うくらいに。
ひとまず押上の路上で売ります!
どうしようもないお礼の言葉を伝える。
もう胸がいっぱいで、
最後にぼーろ氏が
お気をつけて、
と言ってくれたのに、
こちらこそ
と返した。もう幸せすぎてバグっている。
そうして、私と妹は、ぼーろランドを後にした。
この後、ぼーろ氏に、ロスになる余地を与えないトラブルが待っているとは1ミリも感じず、私たちは夢のような感覚で深夜割引の高速道路に向かった。
つづく