あまとみトレイル2泊3日③3日目28km
まずは妙高高原ビジターセンターへ
この日は朝4:30に起床。
あまとみトレイルの最終日は、斑尾山山頂からタングラムスキーサーカスに下りそこから発着する飯山駅行きのバスに乗る必要がある。
バスの時間は13:00と16:05。元々計画を立てた時は遅い便で帰るつもりだったけど、もしかしたら早めの便に間に合うかも、と思い早めに出発することにした。
この日の気温は詳しく覚えていないが、確か10℃前後。トレイルを歩き始める早朝の5~6時は大抵1日の中で最低気温を迎えている時間帯でショーツスタイルで歩くにはかなり肌寒かったが、3日間の中でも唯一しっかりと晴れた午前だったので少し歩けばすぐに暖かくなってずっと気持ちよく歩くことができた。
杉野沢から15分ほど歩くと、すぐに妙高ビジターセンターに到着。
残念ながら営業している時間帯ではないので、建物の外観だけ眺めていもり湖の周りをぐるっと回っていく。トレイルを終えてから知ったのだけど、この辺りはベンションエリアでもあるらしくよく整備された家屋や道が広がっていて、朝日を浴びながら歩くには最高のセクションだった。
トレイルは楽しいことばかりじゃない。この3日間の中で、雨に打たれたり、泥にまみれたり、退屈で足にもキツイロードがずっと続く辛い時間帯があった。それでも、最終日のたった数時間の晴天がもたらした高揚感は大きかった。
まるで祝福でもされているかのような景色に、気がつけば初日とは違うワクワク感を感じながら歩いていた。
ペンションエリアはすぐに終わってしまって、ロードに出る。上信越自動車道の高架下を縫うように歩くエリアで、野尻湖方面に向かって緩やかにあがっていく。
特筆すべき景色があった訳ではない。むしろほとんどのハイカーにとっては消化試合みたいなセクションだと思う。それでも、ふとした瞬間に自然が見せてくれる表情が豊かでうきうきしながら歩けていた。
野尻湖を抜けて
この辺りから、ロードの突き上げからくるダメージがピークに達して足の裏
がとにかく痛くなってきた。
GWにみちのく潮風トレイルを歩いた時もそうだったが、ロードを長時間歩いていると足裏の骨がコンクリートにダイレクトに接地しているような、いかにも足に悪そうな感覚の痛み方をする。
もう一つ嫌だったのが、某所で汲んだ水がきつめの金属臭がして猛烈に不味かったこと。晴れているということは、その分体温も上がるし汗をかいて水分補給が必要になる。
バスの時間を考えるとこのスピードだと間に合わせたいので急ぎたい、でも足が痛くてスピードが出ない、喉が渇く、水がマズい、の無限ループだった。
野尻湖周辺はとても景観が美しいエリアだったのに、楽しむ心の余裕がいつの間にかなくなっていた。
ゴールである斑尾山
野尻湖の脇から2時間程度トレイルを歩くと、信濃町の集落エリアに入り再びロードに戻る。ここからはゾーンに入ったような、妙な感覚の時間帯だった。
痛かったはずの足が気にならなくなり、なんだか足音もなくなったようにペタ足でスイスイと、何も考えずにひたすら「歩いて進む」に没頭してるような感覚。
途中、ああこの田園風景が綺麗だな、遠目に見える山容に雲が勝って神秘的だな、なんて見たままに感じたことを思考して、そばから忘れて頭の中が空っぽになる。自分にとってこれがハイキングをしていて一番心地いい状態なのでだけど、それを楽しみながらラスボスである斑尾山を上り切ることができた。
あとがき
これまで、霧ヶ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル。伊豆山稜線トレイル、みちのく潮風トレイルのセクションハイクを歩いてきたけど、2泊3日分の食料を全て担いで歩き通したのは今回が初めて。
歩く距離と日数が長くなればなるほど疲労だけでなく体へのダメージがあとから効いてくるので、カロリーだけではなくタンパク質を一日60g摂る、という食糧計画で持っていって大正解だった。この辺りもどこかでnoteに書いてみようと思う。
また、3日間を通して風土や食事、歴史を楽しみという面で全てにおいてバランスがいい (ハードすぎず楽しみやすい) トレイルだなと感じたので、またどこかのタイミングで歩きに来ようと思える素敵なルートだった。特に、戸隠神社と笹ヶ峰のエリア。
次回は信越トレイルについて書こうかな。