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「2023年度エコガーデナー養成講座」受講生レポート11月・水曜クラス
造園における移植
*今回は座学に続いて先月出来なかった実技が授業の主なテーマでした。
世田谷区大蔵のみかんの木と桜の木の移植をスライドで見ながらで、器具の使い方、概要を学び、後半に実技となります。
造園における移植とは、栽培を目的とせず、肥培管理されていない樹木を現存している場所から移動させる事。
*移植が行われるケース
①建物の増改築
②土地の再開発
③新たな庭づくり
上記のように人の事情による所が大きい。例えば樹木への思い入れを残す、
また建造物を作るなど、育った樹木を枯れてもいないのに伐採して終わりにするのではないということ。
環境への配慮、樹木が生きている効果や命ある物への無視を見過ごすことなく別の場所に移すということ。
移植の手順
①事前調査
樹木のコンディションはどうか、運搬方法は何を使うか?道路状況などの環境を予め考慮する。
②根回し
早ければ早いほど良い。世田谷区大蔵のみかんの木の移植は7月に根回し10月に移植を行った。大木の場合は1〜2年前にその周囲を掘り、側根の大きなものを主根として残し、その他の根を切り細根を発生させ移植を楽にする。果樹の結実を良好にするために行うこともある。よく使われている慣用句はこの造園の技術が語源となっている。毛細根が出やすいように発酵促進剤など塗る場合もある。
③掘り起こし
今回の実技授業で世田谷代田のさくら広場のイヌマキの木を実際に3本掘り上げてボーナストラックの駐車場に植えた。
④運搬
世田谷区大蔵のみかんの木の時は大きな木のため、滑車で持ち上げ移動し台車に乗せた。実習のイヌマキはマメシバさんの軽トラックを使い移動させた。
⑤植え付け
移植先の植え穴を予め掘っておく。土壌の状態を確認しておくことが大事。
実技では、もみ灰、竹チップ(かなり発酵が進んで土の様になっている)、鹿沼土をよく混ぜた物を毛細根が出易い様に周りに使用した。
⑥支柱・養生
風によってユラユラしないように、毛細根がしっかりはれるように支柱を立てる事が多い。また土壌改良は、掘った穴にバケツで水を張り土に水が吸収されていない場合にする事が多い。水はけをよくするために掘って出てきたごろ石を敷いたりもする。本日は既に土壌の把握ができているので現場にて確認。
*根の構造と根回しの必要性
・成長した樹木ほど根元に古い根(指示根)が占め、毛細根(栄養根)に乏しい
・養分や水分を吸収する新しい毛細根は幹から離れた先端にある。いきなり切断すると養分の吸収が鈍化し、衰弱・枯死の原因になるため、根回しは将来移植したい根鉢のボリューム内に栄養と水分を吸収する毛細根を発生させる処置。
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*手順 (状況により変更あり)
環状剥皮のポイント
葉で作られた糖分が剥離により先までいかず、剥離した幹側に貯まりこれによって細胞分裂が促され、かつ根の先端部分の水分と養分は吸収し続けることができ、葉の剪定量が減らせる。太い根が切断されないので支柱を簡略化できる。
移植の時期
樹種や地域性、当年の気候を総合的に判断する。
・落葉樹:休眠期
・常緑樹:梅雨入り前、秋。
※成長や光合成の旺盛な活動時期は体内エネルギーが最も低くなるので避ける。
※大きな樹木を移植する時は、木が可哀想な位、葉や枝を落とし植え替えをする。(余分な葉や枝は養分、水分の発散になり樹木が体力を失い易いため。)
※もう一つの方法は枝でさし木や接木で苗をつくり、遺伝子の同じ物を育ていく。
以上を 世田谷区大蔵のみかん移植、ソメイヨシノ(桜)のスライドで学びました。
ここから実技
世田谷代田のさくら広場の垣根のイヌマキの木の移植
さくら広場の垣根の向こう側に新しくできるパティスリーランチカフェのオーナーより、垣根があると区道側を通行する人たちから店が見えないし、通行出来ないという事で、木を抜き背丈を低くし、見通しを良くなるようにする依頼を受け、イヌマキ3本を抜きボーナストラックの駐車場の垣根に移植することに。
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・線路街の周辺地域の活性化のための事業と依頼いう事ですが、子供達が遊ぶ広場の垣根で、垣根を出て直ぐ道路(自転車、車が通る)があり、今までバリアーでもあった樹木を抜くのか。子供達の安全を重視して欲しかったです。
垣根がなくなったことで子供が飛び出さない様に柵の設置を園藝部では今後提案する予定です。
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元々の生垣の隙間が大きいので、間に目隠し的にイヌマキを植えます。
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樹木の品種それとも個性?木の育ってきた環境?強い木、弱い木が分かれる様に思います。
授業は午前中まで。午後からは有志で支柱をたてました。残念ながら途中で帰宅しましたので写真を入れておきます。
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*感想
今日は盛り沢山の授業で、今まで知識がなくしていた事、良いと思ってしていたことが間違っていた事を知り、しっかり実践できて とても良かったです。
園藝部の色々な活動には中々参加できず残念で申し訳ありませんが、毎月1回の授業を凄く楽しみにしています。でも年間予定を見てあと12月と1月の2回、凄く寂しい気分です。
最後にもう一つ、授業で紹介のあった神保さん発案(日陰を作れる)の、のはら広場圃場のパーゴラの写真を入れます。ぶどうを植える事を計画中で、たわわに実る事を楽しみにしています。
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11月レポート>水曜クラス 清野恵子