循環園藝ラボ〜第2回 ”まちに種をまく 新たなグリーンインフラとしてのアーバンファーミング”〜
園藝部員のゆうかです。
2月12日(土)にシモキタ園藝部が主催する 第2回循環園藝ラボ が開催されました。
今回はオンラインZOOMでの開催となりましたが、約20人ほどの方がご参加くださいました。
今回のテーマは、”まちに種をまく 新たなグリーンインフラとしてのアーバンファーミング”と題して特定非営利活動法人 アーバンファーマーズクラブ 代表理事の小倉崇さんをお招きし、現在、渋谷や恵比寿などで実際に実践されている都市農業(アーバンファーミング)についてお話を伺いました。
まず、種について考えてみる
小倉さんがまちに種をまく、という活動をされている中でどんな想いで始められたのか、まず、種ってなんだろう、というところから話はスタートしました。
私たちは1万年前の農耕文明から、種を繋ぎながら生きてきました。
もし種をまくことをやめてしまったら?
繋ぎ続けなければそこで途絶えてしまう。
タネとは過去と未来を繋ぐ今この瞬間の一粒であり、私たちが生きていく上で欠かせないものであり、未来の為に私たちが出来ることは種をまくことでもあります。
また、種のことを想像しながら、まちについても考えてみました。
まちにも過去と未来がある、と考えると、「まちにとっては私たち自身が種なのではないか」と小倉さんはお話ししてくださいました。
小倉さんにとってのUFC(アーバンファーマーズクラブ)はご自身にとっての種
小倉さんの考えるアーバンファーミングはシェア畑などの市民農園や都市近郊で生産している都市農業とも異なります。
年代も職業も肩書などにも捉われない、畑を通じて繋がるコミュニティが必要だと感じアーバンファーマーズクラブを立ち上げたそうです。
UFC(アーバンファーマーズクラブ)活動の4つの軸
現在では恵比寿や渋谷、原宿などで畑をはじめ、年々仲間が増えていき、現在メンバーは約700名もいらっしゃるとのこと。
それぞれの畑ごとのコンセプトも異なり、働く人や子育て世代、子ども達、飲食店のシェフなど・・・
渋谷という場所の中で人と人とが畑を通じて繋がりあい 、知恵を出し合い、素晴らしい循環がうまれていました。
参加者が楽しみながら暮らし、働く当事者として新たなまちづくり、社会の仕組みの担い手に。
そんなコンセプトを大切に活動されています。
食べるをおすそわけ
様々な事情があり、育てるところまで来れない人に、フードバンクや養護施設などへ畑でできた野菜やお米、お味噌などを寄付されているそうです。
育てるをシェア
土と種の無人ステーションを設置。
近年、家庭菜園など始める人が増え、何から始めたらわからない、という方の為に土や種をシェアする取り組みもされています。
まちの資源を持ち寄る
都内のまちの幸ってなんだろう?
「そう考えたときに、人の知恵が集まっているところだと」小倉さんは話します。
まちではゴミと言われたものを資源に。
そういったことが都心の人の繋がりで実現できることがたくさんあり、こういったことを特に大切にされているのだとか。
まちのグリーンインフラとしてのアーバンファーミングとは
UFCの実際の活動が今多くの地域循環を生み出していて、それをハブとして仲間が増えていくことでグリーンインフラとして大きな役割になると考えられています。
その為にも、行政や企業、NPOなどの団体が繋がって生み出していくことも大事なことで、それが繋がっていくことで、小倉さんの考える、グリーンインフラの未来図がすぐそこにあるように感じました。
みなさんが手にしている種は?
小倉さんのお話はそれぞれ聞いている皆さんのお仕事や生活や立場は違えども
共通すること、参考になることばかりでした。
早速、UFCの活動や下北園藝部の活動にも参加してみたい。と言ってくださる参加者の方も。
(早速明日手伝いにいきます!なんて盛り上がっていたりもしました)
まずは小さなことからでも
出来ることをやって楽しむということ。
活動に直接参加できなくてもこの活動が良いと思ったら誰かに伝える、ということでもいい。
農家さんを応援してお野菜を買うというアクションでもいい。
一人一人が小さなアクションをおこして、仲間として繋がっていくことに意味があるのだ、という言葉がとても印象的でした。
小倉さんの活動の原動力とは
自分も楽しみながら
みんなが喜んでくれることを考える
そうして今の活動がある
と楽しそうにお話される姿がとても印象的でした。
そういうことを思わせてくれたのも土や畑と触れたことがきっかけだったそうで、その実感は、私たちの心にも共感することがたくさんありました。
小倉さん、素晴らしいお話をありがとうございました。
ぜひ皆さんの小さな活動のきっかけになりますように!