大切なのは日々の幸せ
カレーで人を喜ばせる惑星の住民
今回はカレーの惑星の店長である星野聖也さんにインタビューしてみました。
星野さんは高校を卒業後、保育の専門学校へ進み、幼稚園の講師になりました。幼稚園で働くことを決めた契機はご両親が子供が好きなのであれば子供と関われる仕事がいいのではないかという助言を受けたからだということです。
幼稚園に二年間勤務した後、幼稚園でのお仕事をずっと続けようという気にならなかったようです。大学に通っていた同級生が二年間遊んでいた分、自分も遊ぼうと思い、星野さんは退職して自転車の旅に出ました。人と会って話を聞くということをテーマにして、西日本中を巡りました。
日々の食事という幸せな時間
旅をしている中で、食事をしている場の楽しさや喜びというものに気付かされたそうです。
それから、星野さんはそのような喜びを人々に提供したいという思いから外食産業に関わるようになりました。家庭の温かい食事の象徴としてカレーをイメージしており、初めは名古屋市内のいくつかの飲食店で働いた後、カレー屋で勤務をはじめました。カレー屋では接客を中心に担当していることが多かったため調理の仕事を探していたところ、居酒屋を経営している人からお誘いを受け入社したそうです。
居酒屋で働いている中で、飲食業に従事するためには何かしらの専門性をもつことが重要だ、ということに気づきました。それをカレー作りにも活かしたいと思い、カレー作りを学ぶために名古屋から上京しました。
人に対して平等に接する
カレーを作る上で大事にしていることを尋ねたところ、人に対して平等に接することを大事にしているそうです。
「自分で進んでやったほうが仕事は進むし、人から『やれ』と言われてやるだけだとその人の前だけそうしようとなってしまう。」
「それに、せっかく食事を楽しみに並んでくださったのに、怒声が響き渡っている中では肩の力を抜いて食事ができないし、嫌な気持ちになりますよね。」
自分が店長であったとしても一方的に指示するのではなく、それぞれの主体性を尊重されているそうです。
また、食事に来てくれた人が居心地良く過ごしてくれるような空間づくりも意識されています。
やってみること、話すこと
星野さんが二十歳の自分自身に贈るメッセージは「やろうと思ったことはやってみるということ、あとはいろんな人と話すこと」です。
「若いうちは色々経験したほうがいいし、人から色々吸収したほうがいいと思います。そのとき何も感じなかったとしても後で気づくこともありますよね。」
取材・執筆 吉田英嗣