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ヨーロッパ中を旅し、帰国後インターンを経て、起業をした20歳



まず、二十歳の時は何をしてた?と直球を投げてみた。

「スイスのバーゼルに留学しに行ってたんだけれども、スイス選んだ理由としてヨーロッパの中心から色んなところに旅行したかったからっていうのがあって、だから二十歳はその旅行中のラトビアで迎えて。」

ラトビア...!!一言目から衝撃たっぷりである。

「大学はいってからずっと起業がしたくて、けど何がやりたいっていうのがあんまりなくて。色んな国の会社とか様子を見て回りながら、どんなことをやってこうかみたいなことをずっと考えてて。留学から帰ってきて、いくつかの会社にインターンとして入って、そこから起業したっていうのが二十歳でやってたことかな。」

基本的には、カジノで朝食を。

旅では、お金をかけずに各国を回りたいと考えていた。そこで普段の観光というよりも、その国の面白い制度や、安くものを買える場所、現地の人が普段使ってる場所を中心にみてまわったという。各国をまわる中で、どのようなインスピレーションがあったのだろうか?

「起業に役立ったことと言えば、色んな国で行われている施策とか公共援助をみてたかな。例えば、これ公共じゃないんだけど、基本的に朝食はカジノの中で食べてたのね。めちゃくちゃ豪華で、しかも無料で食べれるっていう。だから毎日、各国のカジノだけは通ってた。」

カジノ...!!二言目も衝撃たっぷりである。それがどのように起業に繫がるのだろう。

「カジノは、朝に店を開けてくれて、ちょっと朝食食べられるっていうところが多くて。日本のパチンコみたいな感じで、結構高齢者の人たちが通うところでもあるのね。それでその人たち向けに朝食を開放してるみたいな。」

起業を志した理由、そして起業における旅の存在とは

ではそもそも、なぜ起業したいと思ったのだろうか。

「めちゃくちゃ金持ちになりたいなって思って。やりたいことがずっとなかったからこそ、やりたいことがもし見つかったら、自分はお金に不自由を感じたくないなと思って。」

「そのための起業って感じで最初考えてたんだけれども、留学から帰ってきて、インターンしたり、いくつか起業を手伝ったりして、その時に思ったのは、結局行動して人と話す中でどんどん考え方が変わるから、だったらもう起業しちゃおうと思って。」
「初めて誰かの起業を手伝って、企業自体がどういう風に成長していったのかに触れて、自分でもやってみたいなっていう感覚と、自分の考えが変わっていったなっていう感覚を味わえたかな。」

二十歳の時に、自分自身の生き方について感じていたこと
ー今まで生きてきて話さないであろう人と話してみようー

「他の起業家たちとちょっと違うことを体験しておこうと思って。これは生き方としても思ってたことで。留学中旅をする中でも、帰ってきてインターンとか起業の手伝いをする中でも、ちょっと違う体験を積んでいって、今まで生きてきて話さないであろう人と話してみようっていうのが、その時思ってたことかな。」

例えば?

「スイスで留学してたときに、ロストバゲージしちゃって。荷物もお金もないから、この機会ちょうどいいなと思って。」

この機会、ちょうどいいな。その続きに何がくるのか。ぞくぞくわくわくである。

「1ヶ月半くらいホームレスをしながら、現地のホームレスの人と色々話してたかな。基本寝るところはスーパーの裏とか駅ホームとか。昼はホームレスの人にちょっとした小銭稼ぎのテクニックを教えてもらって、ご飯のありかとかを探してもらいながら、こういうところに小銭いっぱい落ちてるよっていう。」

王さん、ホームレスの経験があったのか!

「あとは中国出身で少数民族だから、結婚の風習とか違っていて、うちのお兄ちゃんとかは結婚式に1000人くらい呼んで、ホテル一棟まるまる貸し切って。披露宴の場には300人くらいいて、それ以外の700人くらいはそれぞれのホテルの部屋から生中継で結婚式に参加するみたいな。そういうのも面白かったな。」

「満民族っていう、もともと馬に乗ってた世代で、だから結婚式終わった後に草原見に行きたいとおもって、モンゴルに行って、ずっと馬乗ってた。」

色んなタイプの人と話す、ということ

そんな経験をしてきた王さんに、今の二十歳の人たちに伝えたいことを聞いてみた。

「色んなタイプの人と話してほしい。普段話さないであろう人たちが集まるところに行ってみて、何話してるんだろうって聴くだけでも、そこに自分を大きく変えるきっかけが埋まっているような気がするので、ぜひそういう人たちに触れてみてほしいなって思ってます。」

色んなタイプというのは、どんな人たちなのだろう?実際に、王さんがどんな人たちと接してきたのかを聞いてみた。すると一人一人がまた、濃~~いのである。

「例えば、それこそ旅の時は結構色んな人と話して、犯罪者の人とか。麻薬取引してた人に、どうやって麻薬を隠せたのかとか、そういうテクニックって誰から教えてもらうんだろうっていうのを聞いたり。」

麻薬取引...!

「あとは日本からスペインにわざわざ渡航したのに、スペインでホームレスをやって、これからスペインのホームレスの人用の保護シェルターに行こうとしてる50代のおっちゃんとか。」

おっちゃん...!!

「オランダで、ドラッグクイーンとお酒飲みながら、今日の夜何をするのかとか日常の話をしたり。スイスでは観光地のど真ん中に家があったから、観光客とよくバス停で、スイスで楽しいと思ったところある?って話とかしてたかな。あとはエアビーにずっといたから、エアビー先の人と、普段どんなもの食べているのかみたいな話とか。ラトビアのカジノにいる超金持ちのドレスアップした人とか。」

ドラッグクイーン...!!!
このような旅で、多くの人と接する中で、王さん自身への変化はあったのだろうか。

色んな人と接する中で、人の定義が広がる。

「すごい抽象的だけど、人の定義が広がった。例えば普段、自分が人を助けたいっていう言葉を使ったときに、その「人」が指している言葉ってどこまでの範囲なんだろうなって振り返ってみると、そこに含まれてない人と、これまでたくさん喋ってきたなっていう感覚はあって。」

「そういった中で、自分自身が思う世界の広さとか人の多様性とかに触れられたのは、すごいいい経験だなって思ったかな。」

(ガチで面白いところは書けない部分なので書けませんでした笑。)

取材・執筆 渡辺紗於里

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