免許合宿16日目「教官、指導者に有らず」

免許合宿16日目
日記作成者 下島
半谷との関係 普通
帰りたい度 100
朝食 無し
昼食 醤油ラーメン
夕食 豚の生姜焼き きゅうり ちくわ

学科が昨日でほとんど終わった僕は、今日からはあまり忙しい日々ではない。教習所にいじめられているので一日にMAXで3つ入れれるはずの技能も2つしか入れてもらえず、しばらくは飼い殺されるのであろう。これで追加料金とか払わされることになったらみんな僕と一緒に戦ってくれますか?

技能教習はいっこく堂に似た教官がついた。半谷からあいつはやばいと聞いていたのだが、こいつがもうほんとに仕事をしない。道だけは何とか教えてくれるが、本当にずっとしょうもないことを言ってくる。「お笑いやってんのか」「コンビ名変えよう、ピンセントコンセントはどうだ?」「今本当に神が降りてきた、ピンセントコンセントむちゃくちゃいいコンビ名じゃないか?」「ピンセントコンセントのショートコント『憧れ』ってのはどうだ?」もうこいつ殺そう。運転のことについては何も教えてくれないし、ピンセントコンセントへのその自信はなんなんだよ。「どうしようもなくなったら人のネタパクれ」「最終的にはちんこ出せば面白くなっからさ」よし殺す。頭ではそう思っても現実ではそうはいかないので、僕は「たしかに」と「よさそうっす笑」の2つで何とか乗り切った。途中いっこく堂の「ここ右ね」に対して間違えて「よさそうっす笑」と言ってしまったが、「…ここの手打ち蕎麦よさそうじゃないすか?」と、恋愛コメディあるあるのような誤魔化し方で耐えた。「半谷にもちんこ出せば面白くなるって言ったんだけどさ、あいつはそんなんはお笑いじゃないとか言いやがったんだよ」とも言っていた。半谷は普段ヘラヘラしてるけど、お笑いには熱いやつなんだな。ちょっと見直したよ。

午後の技能教習では、ひょろ長いおじさんが担当であった。初めてだったのだが、こいつが普通のおじさんに見えて本当に癖のある教官だった。まず、助手席で体育座りをしている。これはガチやばい。僕が仮免実習生だってことをお忘れか?僕がもし操作をミスった時に急ブレーキを踏むのはあなたの役目ではないのか?そして道は教えてくれるものの、それ以外はずっと僕にギリギリ聞こえない声でブツブツ唱えている。もちろん運転のことについては何も教えてくれない。これのせいで運転に全く集中できず、何度も道を間違えそうになってしまった。そして急に手を叩いてリズムを取り出す。なんのリズムなのか、怖すぎる。魔導師かなんかですか?もしかしたらこの教習が終わったら急に僕の肩が軽くなってたりするのかも、とかも考えたりしたが、特に何も起きずにただ怪しいだけのおじさんだった。あの魔導師教官には2度とあたりたくない。

明日は教習所が休みであるそう。半谷とは電車に乗って温泉までおもむき、疲れを癒そうかと話している。今までの脱走とはひと味違うため、これから念密な計画を練るための作戦会議をするつもりだ。地獄の1週間であったので、明日は最高の1日にしたい。

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