免許合宿2日目「年上の後輩」

免許合宿2日目
日記作成者 下島
半谷との関係 やや劣悪
帰りたい度 90
朝食 無し(寝坊)
昼食 味噌ラーメン
夕食 豚肉の西京焼き スパゲティサラダ ちくわの磯辺揚げ 味噌汁


「免許は合宿で取るべきだ」とほらを吹いたのはどこのどいつだ。ちゃんと地獄に落ちたのだろうか。僕は今日、免許は通いで取るべきだと静かに確信した。いやそれとも、条件が違えば楽しい合宿生活をおくれていたのだろうか。とにかくそれほどに僕の合宿生活への思いは冷めてしまった。それにはやはりこの1つ年上の後輩、半谷の一挙手一投足が密接に関わってくると思う。


まず今朝。僕は7時に目を覚まし7時20分からの朝食を食べに食堂に行こうと半谷に提案した。しかし半谷は「いりますかね」と一言放ち、またいびきをかきはじめた。あとで献立表を見たら今日の朝食は納豆ご飯とソーセージ、絶対に食べるべきであったが半谷が起きないまま授業の時間に。僕一人でも食べるべきだった。午前の授業が終わり、昼食は11時半から。11時半になり、さあ食堂に行こうと半谷に提案し、半谷を見た僕は驚愕した。口はもぐもぐし、手にはソーセージパンを持っていたのである。僕が朝あんなに食べたかったソーセージを昼の時間に食べ、食べ終わったら「全然これでお腹いっぱいだなあ」と。この窮屈な合宿生活ではご飯が唯一の楽しみだというのに、こいつは僕からその楽しみを奪うというのか。僕は憤りの類の感情を一通り感じ、そして諦め、半谷の腹を無理くり引っ張り食堂に向かった。昼食の味噌ラーメンを配膳され席に着こうとすると、半谷は「あそこに座っている女子2人組のとこ座って話しかけましょう」という。何を言っているのか。その女子2人は昨日お前が話しかけて明らかに嫌そうな顔で一線を引かれたばかりであることをもう忘れたというのか。僕は恥をかくからやめておけと伝えたら、半谷はブツブツ言いながら端っこの席に座って行った。ちくしょう、僕だって友達は欲しいのに。仕方なく半谷の隣に座った。唯一の救いはこの味噌ラーメンが非常に美味であったことである。
午後の授業を終え、1度部屋に戻り夕食の時間を迎えたので食堂に向かおうとすると半谷、「腹減ったんでパン食っていいすか」とぬかしやがる。こいつは本当に。飯の時間に腹が減るのは当たり前なのに、なぜそこで菓子パンを食す発想に至るのか。僕は半ば諦めつつも半谷の奇行を制し、食堂に向かった。夕食が配膳されいつも通り席に着くと、半谷は僕の皿と自分の皿を見比べニヤニヤしている。よく見てみると、メインディッシュの豚肉が僕の皿に乗っているものより半谷のものが倍くらい大きいではないか。僕はそんなことに無性にいらいらし、いつもより格段に早く食べ終えスマホをいじった。このチビ小太りといると僕までキモくみられるのではないか。明日こそは友達を作り、この合宿生活を昇華させたいと思う。僕の免許合宿はまだまだ続くが、日記にこいつを登場させるのは早々に辞めたい。

写真上は僕、下は半谷の夕食。肉の大きさに注目。

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