免許合宿8日目「喫煙所」

免許合宿8日目
日記作成者 下島
半谷との関係 普通
帰りたい度 60
朝食 焼き魚 卵焼き 味噌汁
昼食 牛丼
夕食 白身魚フライ 春雨サラダ 手羽元のさっぱり煮

今朝の朝食戦争は僕の勝利、スピードと圧で半谷が息付く間もなく食堂に連れていった。しかし焼き魚があまり美味しくなくてがっかりした。食事中、何を狙っているのか半谷はずっと「ディズニーっていいですよね」という話をしていた。お前最後に行ったの小5だろ。普通に「ビッグサンダーマウンテンはシーですよね」とか言っちゃってたし。無知がバレバレで恥をかいていた。

午前は何も無く、ダラダラしている間に昼食の時間に。昼食時は死刑制度が必要かどうかディベートをした。こいつの話題の振り幅凄いな。僕はそのディベートの中で必死にボケたが、テーマが重いこともありもちろん激すべった。あと、小太りは普通に論破してきた。ほんとに死刑制度の可否についてディベートしたかっただけってこと?

最近、男子たちが喫煙所で溜まって仲良く話しているのをよく見る。そこで僕らはコンビニに行き、普段吸わないタバコを買うことにした。

午後の技能教習では、隣に教官を乗せずに無線で指示を貰いながら1人で教習所内で走る、というものだった。隣に教官がいないとなんとも気楽なもので、スイスイと走れた。途中キープレフトという左に寄せて保つ運転が上手くできず無線で怒られたものの、僕は気にしていない。

連続で授業があったため、10分休憩中に喫煙所に行ってみた。しかしここで、ライターを買い忘れるという致命的なミスを犯したことに気づく。するとあとから同期の女子二人が喫煙所に入ってきた。こいつらもタバコ吸うんかい、そう思いながらも勇気をだして火を借りていいですかと声をかけた。火を借りると半谷は、「卒業日いつですか」と話しかける。同期なんだから同じ日に決まってはいる。だが初日に一線を引かれてから話せていなかったので、こいつの勇気にまたも感嘆した。しかしやはり返答には距離感を感じ、その後も少し会話をしてみたもののあまり納得のいく内容ではなかった。しかし同時にタバコを吸い終わり、寮に戻る歩道を歩いている時に4人とも左に寄ってしまっていることに気づいた半谷が「キープレフトだから無意識で左に寄っちゃいますね」と女の子に話しかけ、見事なまでに無視をされていた。こいつなんでこんなグイグイいけるんだよ。あと僕らって「無視」されるくらいキモいんかな?「無視」って結構大きいけどな。

その後もう1時間技能があり、そこでは59連勤ボケ大魔神に2ボケかまされたところで今日の教習は終了。僕とすれ違いで半谷が教習に向かい、僕は部屋で1人になった。やることもなく、一か八かタバコを持って喫煙所に向かった。すると見たこともない女の子が1人でいた。火を借りると、その女の子は気さくに話しかけてくれ、すぐに打ち解けた。かなり仲良くなり、お互いのことを話していると、すごく破天荒な子だということがわかった。半谷にも紹介したく、LINEを交換してまた喫煙所で会う約束をした。LINEを交換してから名前を知ったのだが、どうやらフィリピンの血が混じっているよう。僕の従姉妹もフィリピンとのハーフでめちゃくちゃ破天荒であるため、妙に納得してしまった。

部屋に戻ってきた半谷にこのことを話すと、「え?ずる」と言うので夕食後一緒に喫煙所に向かう。そこでの会話は非常に盛り上がり、気がついたら1時間がたっていた。どうやら今日から来たようなので、少なくとも僕らがいなくなる時まではいる。この合宿での友達を確保したことが心底嬉しかった。そろそろ部屋に戻ろうかと言うと、「私この合宿中に誕生日迎えるんですよね〜」と言う。「お、おめでとう!何歳になるの?」と聞くと、「えへへ、19歳です!」と答えた。あ、こいつ絶対退校になるわ。今日会ったばかりの子なので軽く「ダメじゃん笑」とだけ言っておき、その場はお開きにした。せめて僕らが卒業するまでは教官に見つからないでいてほしい。

友達ができたことにより、合宿生活はより良いものになったのではないだろうか。その子はコミュ力が高そうなので、その子と仲良くなった人と仲良くなる、みたいに芋づる式でこの合宿所にいる全員と友達になりたいものである。

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