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先月読んだラノベ他

9月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3186
ナイス数:19

愛の渇き (新潮文庫)
読了日:09月04日 著者:三島 由紀夫

三島由紀夫 石原慎太郎 全対話 (中公文庫 み 9-17)感想
「あとがきにかえて」を読んで、それから表紙の写真を見直したら、泣きそうになっちゃったな。「守るべきものの価値」の最後の二行が、その後の二人の行く末を端的に表しているのが面白い。さっさと死んじゃうほうがいいという三島と、絶対に死ねないという石原。やっぱり晩年(?)の三島は、だいぶ無理をしているというか、もう文学にはほとほと疲れて、困り果ててるのが分かる。よく「三島がまだ生きていたら」とか言う人がいるけど、あのまま歳を重ねたらどんどんおかしな方向に歪んじゃってたと思うから、三島の最期はあれが一番いいと思う。
読了日:09月04日 著者:三島 由紀夫,石原 慎太郎

ワーズワース詩集 (世界の詩 37)感想
ワーズワスには妹がいたから彼の詩のなかの人物のように孤独に死ぬことなく、八十まで生きることができたんだろうなと思う。独歩が引用してた「ワイ河再訪……」を読みたくて手にとって、だいたい気に入ったけど、特に「妹へ」「同じく蝶に」「彼女は歓喜の幻」がよかった。あとルーシーのやつ。
読了日:09月05日 著者:ワーズワース

蓮田善明/伊東静雄 (新学社近代浪漫派文庫 35)感想
蓮田善明、評論はもう時効という感じの部分が多かったけど、『有心』は間違いのない傑作。善明の「生」(とその結果としての死)へのすさまじい渇望が窺える。/詩は難しい。合わないときはほんとうに分からない。伊東静雄のは、『夏花』と『春のいそぎ』にいくつか感じ入るものがあったくらいで、他はよく分からなかった。日記は戦中の記録として普通に面白かった。
読了日:09月10日 著者:蓮田 善明,伊東 静雄

時間と他者 (叢書・ウニベルシタス)感想
『実存から実存者へ』の足がかり。「[…]自我はまったく主導権を持つことなく死に直面する[…]死を克服することは、永遠の生の問題ではない。[…]それは出来事の他者性に対してなお依然として人称的〔個人的〕なものでなければならない関係を保ち続けることなのである。」主体の死によってのみ手放される孤独を、どうにか死ぬこと以外の仕方で手放そうとするレヴィナスからは、後年『存在の彼方へ』においてかけがえのない〈他者〉の〈身代わり〉となって苦しみ自らを迫害するという仕方に行き着くことをこの時点から予感させるものがあった。
読了日:09月15日 著者:エマニュエル レヴィナス

ソフィア、君は死んでいないのか? ~魔法研究を引退した俺は、北欧王女の婚約者と学園生活を楽しむ……はずだった~ (MF文庫J)感想
★★★☆☆ 「まあ、その革命的な論文ってやつを書いたのは、俺だったんだけど。」
読了日:09月17日 著者:風深 模杳

ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書 441)感想
いかにヘブライの思想が西洋思想の理解に欠かせないかが分かる。日本人は宗教を嫌って、人文学に手をつける際にもそれらの理解を拒んでしまいがちだが、そんなのは自ら思想史の見通しを悪くしているだけなんじゃないか?と、2章を読んでて強く思った。聖書を読もう。僕もまだ読んだことがない。みんな一緒に読もう。
読了日:09月24日 著者:岩田 靖夫

抱擁家族 (講談社文芸文庫 こA 1)感想
『成熟と喪失』の前に読んでおこうと思い。この小説に終始流れているうっすらとした哀訴や悲劇の通奏低音を聞き取るだけで心地いい。 「この娘は一番大事なムダ話がおれとは出来ないんだ。それが今にこの娘を無口な、人に嫌われるような人間にしてしまう。」主題とあまり関係はないかもしれないが、ここで泣きそうになってしまった。
読了日:09月24日 著者:小島 信夫

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)感想
★★★☆☆ やっぱこういう系向いてないな。謎とかトリックとかに興味が持てない。
読了日:09月25日 著者:赤月 カケヤ

暇人同盟 友達いらない同盟2 (講談社ラノベ文庫 そ 2-1-2)感想
★★★★☆
読了日:09月26日 著者:園生 凪

三人の乙女たち (岩波文庫)感想
ダスタンおじさんみたいな大人になりたい! 3つの中だと「ポム・ダニス」がいちばん好き。
読了日:09月30日 著者:フランシス・ジャム

公園で高校生達が遊ぶだけ (講談社ラノベ文庫 そ 2-2-1)感想
★★★★☆ これでいい、青春ってこれでよすぎる! 会話劇「も」面白いラノベはたくさんあるけど、ほとんど会話劇「だけ」でこんなに楽しい作品は珍しい。もっと早くこの作者の作品を読んでおくべきだった。
読了日:09月30日 著者:園生 凪

 園生凪、よい。

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