京都、「府」なのか「市」なのか
※この記事は2019/3/24に、はてなブログで書いたものを加筆修正したものです。
京都には海がない。こんな言い方をすると時々、海あるでしょ?と言われる事がある。だから京都市には海がないと言い直さなければいけない時がある。現代的機能をもった都市に文化遺産が多く共存し、周りは自然に囲まれている。百四十万以上の都市を流れる川で鮎釣りができるのも京都ならでは。京都人は海より川に馴染みが強い。基本的に京都市民には京都府民という意識が極めて薄い。丹後、丹波地方を京都と言われるとどうしても馴染めない。代々京都の町なかに住み続けてきた者は特に。京都市は上京、下京の市街を行政地域として1889年に誕生した。その後、郡部を吸収合併し11の区からなる政令指定都市で府県並みの行財政権を持つ。今でも住民自治の意識がとても強い都市です。江戸時代,日本の三都と呼ばれた京都、大阪、江戸はそれぞれ都市文化、都市生活があって別格という意識がありそれが府民意識を弱めているのかもしれません。
プロフィールに京都府出身と書いていても、京都市のどこかで生まれ育った人なんだなという感じで認識することが多い。京都市とその周辺の宇治や亀岡、長岡京はともかく、それ以外で生まれ育った人に会うとなんかレアだなと思ったりもします。さて、海の話に戻すと、京都人は海に密かに憧れをもっている人が多い。大阪や東京に憧れなくても神戸に密かに憧れている人がいたりする。
昔は丹後や若狭の海に海水浴に出かけるときは泊りがけで行くのも珍しくありませんでした。私自身、海というのは今でも遠い存在なのです。
そして最近こんな記事が。「京都市なのに「京都」じゃない? じゃあ「京都」の範囲とは? 京都新聞の記者たちに聞いてみた」
https://maidonanews.jp/article/14223805
一般的には御土居の内側を洛中というわけですが、北大路通や大宮の辺りは洛北エリアという認識が強くあの辺りを洛中と呼ぶ人に私は会った事がない。中には祇園祭の山鉾町つまり中京、下京区の一部だけが洛中というちょっと過激な主張をする方もおられます。同じ山鉾町で生まれ育った私もさすがにこれはどうかと思いましたけど……
では、あんたはどうなんやと言われると、私は今出川通から西大路、東大路、九条通の内側、下京~上京区が洛中という認識を持っております。黒い枠で囲った地図参照。
だからなんやと言われたらそれまでですが、この記事の内容は半分以上ジョークのようなもので、本気にされるとそれはそれでなんか困りますね。ちなみにこの記事内容もそんなん、言うた事ないわ!というようなものばかりで、京都新聞はんもうちょっと実のある話しませんか? なんて思ったり……。
内側から見た京都という趣旨でもやってるブログですので、中の人間から言わせてもらうと、伏見や滋賀、大阪や奈良から洛中の家々に嫁いできた人もいるし、反対に洛中から洛外に引っ越した人もたくさんいます。例えば四条烏丸周辺で町家をビルにしたとこなんかは、自宅は伏見や宇治など洛外に引っ越した人もおられる。そもそも京都自体が他所さんが切磋琢磨する都市という側面もあります。私も小学生の頃、数年間だけ伏見区に住んでいた事があり、私の姉家族も洛外の区で生活している。以前書いた京都人のいけずとは何か? でも一部触れています。京都という街の側面のひとつ。https://note.com/shimogyo_hime/n/nfa7070e75a15
洛中あっての洛外であり、洛外あっての洛中。外がなければ内は存在しない。それをよく分かっているのもまた京都人です。
ちなみに東京でも23区以外は東京じゃないというのがあったり、横浜など他都市でもこれと似たようなものがあるそうです。私はマストドンでそれを知りました。
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