【朗読】銭形平次捕物控【結納の行方】野村胡堂  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

■結納の行方は、
 六五作目、昭和十二年にオール読物七月号に掲載されました。

 品川の老舗酒屋・大黒屋の主人、常右衛門の娘・お関は「品川小町」と称されるほど美しい娘。
 家業の衰退により多額の借金を抱えた大黒屋は、資金繰りのため、お関を江島屋良助の息子・良太郎へ嫁がせることを決める。
 江島屋からの結納金として三千両が大黒屋に届けられる予定だった。
 しかし、その結納金が大黒屋に到着した際、中身は小判ではなく砂利にすり替わっていた。

この異常事態により、結納は破談寸前に陥り、さらにお関を狙う悪人・大川原五左衛門が借金を盾に、お関を連れ去ろうと乗り込んでくる。
 平次はこの複雑な事件の真相を追うこととなる。


■主な登場人物
主要人物
・銭形平次
 主人公:江戸の岡っ引き。十手持ちで、人情に厚く、抜群の洞察力と推理力を持つ。投げ銭を得意とし、多くの事件を解決してきた。

・ガラッ八(八五郎)
 平次の子分:気さくで親しみやすい性格の持ち主。時に軽口を叩くが、平次の補佐役として活躍。

・大黒屋常右衛門
 大黒屋の主人:品川の老舗酒屋の主人で、経済的に苦境に陥っている。娘のお関を江島屋の良太郎と結婚させることで、家業の立て直しを図ろうとするが、結納金のすり替え事件により窮地に追い込まれる。

・お関
 大黒屋の娘:18歳で「品川小町」と称される美しい女性。家族を救うため、愛情を犠牲にして江島屋に嫁ぐ決意をするが、事件に巻き込まれる。

・江島屋良助
 結納金を用意した商人:池の端の仏具店「江島屋」の主人。大金を持つ裕福な商人。大黒屋に三千両の結納金を送るが、それがすり替えられる。

・良太郎
 江島屋の息子:25歳の青年。父親が用意した結納金によってお関との縁談が進むが、本人は少し頼りなく、人間的な魅力に欠ける。

・太兵衛
 江島屋の番頭:結納金を大黒屋に運ぶ役割を担った人物。事件解決の重要な鍵を握るが、本人は事件への関与を完全に否定する。

・千代松
 大黒屋の手代:お関の幼馴染で、彼女に密かに想いを寄せている。温厚で正直な性格の持ち主。

・長谷倉甚六郎
 町内に住む浪人:剣術に秀で、町の人々から慕われている人物。

・大川原五左衛門
 用心棒の浪人:高利貸の沢屋利助の用心棒で、お関を借金の抵当に取ろうと画策する。粗暴で利己的な性格。長谷倉甚六郎に撃退される。

・沢屋利助
 高利貸し。

・三次
 馬方(馬を引く仕事の人):結納金を運ぶ馬を引いていた人物。事件の過程で何者かに殺害される。

佐野屋夫婦
 仲人役:結納金の運搬に付き添った。

十一屋の親方
 飛脚屋の主人:結納金を運んだ馬を貸し出した人物。


■用語集
・水府(すいふ)
 水戸藩を指す別称。

・留湯(とめゆ)
 温泉や風呂の湯をそのままにして残しておくことを指す。

・法楽(ほうらく)
 神仏に対する感謝や楽しみを込めた祈りや祭り。

・むくつけき
 (むくつけき)恐ろしく、気味が悪い様子。何かしら不気味さや恐怖を感じさせるものを表す古語。

・業腹(ごうばら)
 強い怒りや恨みを抱いている心の状態。心の中で煮えたぎるような感情を指す。

・薫蒸(くんじょう)
 煙や蒸気で物をいぶして消毒したり、香りを付けたりすること。特に、防虫や防腐のために行われる。

・素読(そどく)
 意味を深く考えずに、文章をそのまま音読すること。古典や漢文の学習法として使われる。

・種々相(しゅじゅそう)
 さまざまな姿や形。また、現れるさまざまな様相や状態を指す言葉。



■目次
0:00 結納の行方 一
4:56 結納の行方 二
10:57 結納の行方 三
18:39 結納の行方 四
27:09 結納の行方 五
32:49 結納の行方 六
37:51 結納の行方 七




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