朗読まとめ  林不忘著【丹下左膳/乾雲坤竜の巻②】六話から十話まで  朗読七味春五郎  発行元丸竹書房

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林不忘は造語も多いので、下記の用語集もご利用ください


1927年10月(昭和2年)『東京日日新聞』(現在の毎日新聞)に掲載
当初は、「新版大岡政談・鈴川源十郎の巻」とされていたが、隻眼隻手のニヒルな怪剣士の人気があまりに高まり「丹下左膳」と改題されました。続編に「続大岡政談 魔像篇」があります。

◆用語集
艫……トモ・船尾
垢面……コウメン
ご新造……武家の妻
どら声……太くて濁った声
剣林……レンリン
固化……コカ
黒妖……コクヨウ
無韻……ムイン・韻を踏まないこと。無音。
利剣……リケン・鋭利な剣
闘渦……トウカ
鬼哭……キコク・亡霊が浮かばれないで啼くこと
剣魁……ケンカイ
剣尾……ケンビ
虎乱……コラン
沛然……ハイゼン・雨が勢いよく降る様
汝れ……ナレ・おまえ、なんじ
金砂……キンシャ・砂金
澄明……チョウミョウ・澄み切ること
僅少……キンショウ・ほんのわずかなこと
心耳……シンジ・心で聞き取ること
半暗……ハンアン
焦熱……ショウネツ・焦げ付くように暑い
瑣事……サジ・ささいなこと
淫奔……インポン・みだらなこと
満腹……マンプク・心からの。満身の
奇傑……ケツブツ
豊頬……ホウキョウ・ふっくらした頬
烏有……ウユウ・まったくないこと
快豪……カイゴウ・豪傑
百尺竿頭……ヒャクシャクカントウ・到達すべき極点
稚心……チシン
野花啼鳥……ヤカテイチョウ・天地いっぱいの春
湧然……ユウゼン・盛んに沸き起こる様
秋夜……シュウヤ
孤燈……コトウ
行人……コウジン・通行人、旅人
才胆……サイタン・才能と胆力
迎賀……ゲイガ・もてなし
長袖……チョウシュウ・公卿、僧侶
変物……ヘンブツ・かわりもの
顕職……けんしょく・地位の高い官職
畏友……イユウ・尊敬している友人
言辞……ゲンジ・ことばづかい
閉房……ヘイボウ・とじられた牢
興趣……キョウシュ・味わいの深い面白み
滋味……ジミ・豊か部深い精神的な味わい
弥縫……ビホウ・失敗や欠点を一時的に取り繕うこと
爾来……ジライ・それからのち
御連枝……ゴレンシ・貴人の兄弟
警蹕……ケイヒツ・先払いのかけ声
矮精……ワイセイ
殺剣……サッケン
疾呼……シッコ・慌ただしく呼ぶこと
存意……ゾンイ・想うところ
慨然……ガイゼン・嘆き憂える様
跳剣……チョウケン
粗朶……ソダ・薪用の枝
闘間……トウカン
閑寂……カンジャク・物静かで趣のあること
鉾子先……ボウシサキ・剣先
不撓……フトウ・困難にも屈しない心
恋戯……レンギ・恋のたわむれ
莫連者……あばずれ
剣妖……ケンヨウ
闘機……戦いの時期
幽室……ユウシツ・幽閉されている部屋
刀渦……トウカ・戦いの最中
狂怪……キョウカイ
崩態……ホウタイ・着崩れた姿
ぐれはま……ぐりはま・の音変化。食い違い
執炎……シュウエン・執念
惻惻……ソクソク・あわれみ
悲叫……ヒキョウ
二本……リャン・武士の蔑称
小婦……ショウフ・妾
姿容……シヨウ・みめかたち
生躍……セイヤク
鏡身……キョウシン・刀身
万障……バンショウ・いろいろの不都合な事情
右肩……ウケン
靄然……アイゼン・もやがたちこめるさま
三斗……サント・量の多いことの誇張・冷汗
幽明……ユウメイ・暗いことと明るいこと、死後と現世のさかい
醜骸……シュウガイ
笞……シモト・罪人を撃つ為に用いたムチ
今日様……コンニチサマ・太陽を敬って言う語
手性……テショウ・手先でする仕事のじょうず・へた
畢竟……ヒッキョウ・つまるところ。終局
瀟笑……ショウショウ
動発……ドウハツ
刀姿……トウシ
剣精……ケンセイ
涕泣……テイキュウ・涙を流して泣くこと
愁声……シュウセイ
酔耳……スイジ
鬼調……キチョウ
往還……オウカン・街道
日暮……ニチボ・ひぐれ。夕暮れ
剣血……ケンケツ
秘告……ヒコク
剣手……ケンシュ
狷介……ケンカイ・頑固でかたくなで、他人に心を開こうとしないこと
余勢……ヨセイ・何かをし遂げた後の、余った勢い
屋敷町……ヤシキマチ・武家屋敷の並んでいる町
深更……シンコウ・深夜
妬婦……トフ・嫉妬深い女
剣胆……ケンタン
刀下……トウカ
悲雨……ヒウ
御家悪……御家人の悪党
氷剣……ヒョウケン
血花……ケッカ
説破……セッパ・説き伏せること
剣妖……ケンヨウ
弄剣……ロウケン
悲叫……ヒキョウ
妬心……トシン
雨滴……ウテキ・あまだれ
炸破……サクハ
墜下……ツイカ
澎湃……ホウハイ・物事が盛んな勢いで沸き起こる様
戟渦……ゲキカ
惨雨……サンウ
背撃……ハイゲキ
剣刃……ケンジン
剣構……ケンコウ
刀渦……トウカ
腥風……セイフウ・血なまぐさい風。殺伐な気配
小普請……コブシン・三千石未満の旗本・御家人のうち、無役であったもののこと。
馬丁……バテイ・馬の世話や口取りをする人
密旨……ミッシ・秘密の命令
粗略……ソリャク・ぞんざい
奸智……カンチ・悪知恵
道祖神……ドウソジン・村境、峠などの路傍にあって、外来の疫病や悪霊を防ぐ神様。
胡乱……ウロン・正体の怪しく疑わしいこと。
山雨……サンウ
捕縄……ホジョウ
老幹……ロウカン
刀瘡……トウコン
魔刀……マトウ
明閃……メイセン
刃火……ジンカ
剣香……ケンコウ
叱呼……シッコ
長駆……チョウク
奇刀……キトウ
捕吏……ホリ・罪人を召し捕る役人
靄気……アイキ
乱戟……ランゲキ
草廬……ソウロ・草葺きの粗末な家。草庵
譎詐……キッサ・いつわり
目睹……モクト・目撃
妬婦……トフ
剣怪……ケンカイ
光刃……コウジン
かわたれ……かわたれ時
過般……カハン・さきごろ。このあいだ
孤愁……コシュウ・一人で物思いにふけること
剣渦戟潮……ケンカゲキチョウ
狂蛇……キョウダ
昼夜帯……はらあわせ・表と裏を異なる布で仕立てた女帯
瑣事……サジ・取るに足らないつまらないこと。
嬌笑……キョウショウ・色っぽい笑い
弊履……ヘイリ・破れた履き物
ご託宣……ゴタクセン・人の下した判断や命令を、冷やかしの気持ちを込めて言う語
陋巷……ロウコウ・狭くむさくるしい町
地金……ジガネ・うまれつきの性質
慘涙……サンルイ
懸想……ケソウ・思いをかけること
淫婦……インプ・みだらな女
哀恋……アイレン
氷刃……ヒョウジン
言辞……ゲンジ・ことばづかい
嘆訴……タンソ
愁灯……シュウトウ
刃光……ジンコウ
水鶏……クイナ・鳴き声がたたく音に似ているから、鳴くことを叩くと言い換えて、古くから詩歌にあつかわれた「たたく水鶏についだまされて……」
利刀……リトウ・鋭利な刀
渦乱……カラン
妬情……トジョウ
ぬば玉……ヒオウギの実、黒くて丸い。黒、夜などにかかる枕詞
助剣……ジョケン・助勢
双頬……ソウキョウ・左右の頬
剣怪……ケンカイ
皎剣……コウケン・皎は、白くて清らかなさま
迅落……ジンラク
飛白……カスリ・かすれたような部分を規則的に配した模様


◆登場人物
丹下左膳……相馬家家臣。名刀坤竜丸をうばう。
鈴川源十郎……与力とあだなのある旗本。去水流居合いの達人
土生仙之助……源十郎の悪仲間
与吉……駒形の遊び人
お藤……櫛巻お藤。左膳に惚れている。

小野塚鉄斎……神変夢想流の達人。曙の里に、道場を開いている。
弥生……鉄斎の娘。
諏訪栄三郎……小野一門の高弟
森徹馬……小野一門の高弟
土屋多門……150石小普請入りの旗本。

おさよ……源十郎につかえる下女
嘉右衛門……両口屋
兼七……両口屋の番頭
お艶……水茶屋なにつとめる、おさよの娘。
和田惣右衛門……お艶父。相馬大膳亮の元家来。
大久保藤次郎……諏訪栄三郎の兄
白木重兵衛……大久保家用人

蒲生泰軒……浪人
大岡忠相……名奉行。泰軒とは、古くからの盟友
伊吹大作……大岡越前配下
おつる……大岡忠相の思い人
松平源六郎……後の徳川吉宗

孫七……栄三郎の乳兄弟
お兼……栄三郎の乳母

■目次
0:00 緑面女夜叉
5:29:14 文つぶて
7:02:16 合わせ鏡
8:03:13 煩悩外道
9:20:10 二つの涙
10:04:48 まんじ巴



#朗読 #林不忘 #丹下左膳 #時代小説

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