見出し画像

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

「原始仏教」
実用的で、合理的な考え方。
→現代にも使える。

悩みは心の反応。
心のムダな反応をなくす。
→悩みがなくなる。

反応しない=最初からしない。
≠無視、我慢、無関心。

宗教
ないものはある。
妄想の探求。

ブッダ(覚醒人)
あるものはある。
合理性の追求。
現実の最適化。

ブッダの教え
①心の反応を見ること。
・座禅
・マインドフルネス
・ヴィパッサナー瞑想

②合理的に考えること。
目的がかなうよう、筋を通して考える。

<第1章 搬送する前に「まず、理解する」>

🐾悩みを理解する

ブッダの合理的な考え。
①悩みがある。
②悩みには理由がある。
③悩みには解決策がある。
順を追って「理解」していくこと。

ブッダが表現した「八つの苦しみ」
①生きること。
②老いること。
③病にかかること。
④死。
⑤厭わしい者と出会うこと。
(いとわしい=不愉快)
⑥愛する人と別れなければならないこと。
⑦求めるものを得られないこと。
⑧ままならない人間の心。

人生には悩み、問題がつきもの。
最初に受け入れる。
生きづらさ、憂鬱。
→「ある」と認める。
「ある」ものを「ある」と理解する。

未解決の問題が「ある」
=自覚。
「でも、きっと解決できる」
→方法。

🐾解決できる明確な処方箋

悩み、問題解決の手順。
・生きることには「苦しみ」が伴う。
・苦しみには「原因」がある。
・苦しみは「取り除くことができる」
・苦しみを取り除く「方法」がある。
四つの心理(四聖諦:ししょうたい)
=「思考法」

悩みがあるという「現実」
→「原因」を理解。
→解決への「方法」を実践。
=明確な処方箋。

悩み=心のムダな反応。
「闘おう」としてしまう。
真っ向から向き合って反応。
→「闘って勝てる」ことはほとんどない。

ままならない現実はつねにありつづける。
「闘う」という発想だけでは乗り越えられない。

🐾理由に着目する

「激流」
不満や物足りなさの「理由」

ブッダの言葉。
「苦しみが何ゆえ起こるのかを、理解するがよい。苦しみをもたらしているものは、快(喜び)を求めてやまない。「求める心」なのだ」

「求める心」
=反応しつづける心のエネルギー。

求める心→七つの欲求。
①生存欲(生きたい)
②睡眠欲(眠りたい)
③食欲(食べたい)
④性欲(交わりたい)
⑤怠惰欲(ラクをしたい)
⑥感楽欲(感覚の快楽を味わいたい)
⑦承認欲(認められたい)

人間の人生。
まず、「求める心」
→「七つの欲求」を生み出す。
→欲求に「反応」する。
→欲求を満たす喜び。
→欲求がかなわない不満。
→サイクルを繰り返す。
=人間の人生。
ブッダは「激流」「本流」と表した。

「渇愛」(かつあい)
求めつづけて、いつまでも渇いている、満たされない心。

「求めつづけるもの」
「渇きつづけるもの」
心とはそういうものと理解しておく。
「求める心」を真に受けて反応しない。

反応する。
得体の知れない欠落感、焦り、渇き。
・虚しさに過去を振り返る。
・アブナイ刺激に走る。
・超傲慢になる。
→空回りして意味がない。

「心は求め続けるもの」と理解。
→人生はそういうもの。
→大きな肯定が可能。
例)
認められたい。
→認められて何になる?意味がない。
=ムダに悩まない。

悩みの理由がわからない。
=苦悩。
悩みの理由を理解する。
→解決できる課題。
=希望。

「人は、苦しみの正体について、正しく理解するべきである。苦しみの原因を断つべきである。苦しみのない境地にたどり着くべきである。その方法をこそ実践すべきである。私は確信するに至った。もはや苦しみに戻ることはないと」

ブッダの言葉

🐾心の状態を見る

きちんと見る。
ムダな反応を鎮める絶大な効果。

①言葉で確認する。
「ラベリング」(ラベル貼り)
心の状態に「名前」を貼る。
→客観的な理解。

・疲れている。
・気力が落ちている。
・イライラしている。
・考えがまとまらない。
心の中で言葉にしてみる。

日常動作で練習してみる。
・掃除をしている。
・食器を洗っている。
ありのままの言葉で確認。

②感覚を意識する。
心をリフレッシュする抜群の効果。

目を「閉じて」自分の手を「見つめる」
暗闇のなかに「手の感覚」
→上に上げる。
→「動く感覚」
「手の感覚がある」
「手の感覚が動いている」
意識する。

手を方まで上げる。
元の場所まで下ろす。
目をつむったまま、手の感覚を「見つめる」

手を握ったり、立ち上がったり、歩いたりしてみる。
その間ずっと「見つめ」つづける。
手の感覚や体の感覚を意識する。
→「よく感じ取る」ことの意味がわかる。

日頃から動かしているカラダ「感覚」を意識する。

①、②
ブッダの時代→サティ(sati)
禅の世界→念じる
瞑想の世界→マインドフルネス
心の状態を「見る」「意識する」
→深い落ち着きと集中が可能になる。

③分類する。
①の言葉よりもおおざっぱ。
観念的な理解。

基本分類
1.貪欲(とんよく)
求めすぎ、期待しすぎ。
=求めすぎる心
→焦りや人間関係の不満の原因。

2.怒り
不満、不快、ストレスを感じている状態。
根拠のない怒り。
=求める心が作り出している。

明らかな怒り。
(正確、悲しみ、未練、後悔、挫折・・・)
→理解する習慣で解消できる。
→理解して「洗い流す」
→心がすっきり、軽くなる。

放っておく=人生の損
蓄積していって外に現れる。

3.妄想
頭の中でぼんやり考えている状態。
余計なことを考えてしまう。
集中できない。

妄想はナンバーワンの煩悩。
一日中絶え間なく繰り広げている。

妄想のリセット。
「今、妄想している」
客観的に言葉で確認(ラベリング)

区別する。
妄想している状態。
妄想以外の状態。
例)
目を閉じて何かを思い浮かべる(妄想)
目を開けて見えるものを意識する(妄想以外)

「妄想」対「視覚」
「妄想」vs「カラダの感覚」

カラダの感覚に意識を向ける。
歩く感覚、呼吸の感覚・・・
感覚のほうに意識を集中。
→妄想から抜ける。

「カラダを使う」ことなら何でも活用。
スポーツ、ヨガ、山登り・・・
カラダの感覚を意識する習慣づくり。

悩みは「心の内側」にある。
「心の外」、カラダの感覚に意識を向ける。
→悩みから抜け出せる。

※ながら作業は「テキトーな反応」
歩きスマホなど。
「つい反応」「つい妄想」を強化してしまう。

🐾正しい理解

主観的ではなく「客観的」
ニュートラルな目で物事をみる。
「正しい理解」に「反応」はない。
ただ見ているだけ。
徹底したクリアな心。

「ある」ものは「ある」

ブッダの教え
=正しい理解によって人間の苦悩から自由になる方法。

「人は”求める心”によって、苦悩を見る。ゆえに汝は”求める心”を、正しい道(方法)に立つことで手放せ。そして再び、”求める心”に執われて、苦しみの人生に舞い戻らないようにせよ」

スッタニパータ(彼岸への道)の章

<第2章 良し悪しを「判断」しない>

🐾ムダな判断

「判断しすぎる心」
=悩んでしまう理由。

判断=決めつけ、思い込み。
・失望や落胆
・不安や尻込み
・人物評価
不満、憂鬱、心配事など悩みを生み出す。

判断すること=気持ちよい。
判断すると「分かった気」になる。
「結論が出せた気」になる。
「認められた気分」になれる。
→安心できる。快楽がある。

判断は「執着」の一種。
判断はもともとアタマの中に存在しなかった。
「こうでなければいけない」と学習した。

判断、決めることで心の見通しが良くなる。
判断に執着すると苦しみが生まれる。

※現実は常に「無常」変わりゆくもの。

かなわなかった「願い」
→存在しない「妄想」
執着しているから見えるような気がする。

「こうでなければ」
→期待=ただの判断
=アタマの中だけの「妄想」

妄想の判断に執着する。
→自分や他人を苦しめる。

顚倒(てんどう)
本来「ない」ものを「ある」と思ってしまう心理。
=勘違い。

「こうでなければ」という判断。
=勘違い。

「勘違い」は抜けるにかぎる。
目の前の現実を見る。
→よく理解する。

🐾判断を手放す

判断はアタマの中にしか存在しない妄想。

「慢」(まん)
肯定しすぎる思い。
自分の価値にこだわる心。
→人を苦しめる判断。
・自分はエライ
・正しい
・優れている(はずだ)

高慢、傲慢、プライド、優越感。
虚栄心、劣等感、自信がない。
→不満、うぬぼれ。
→失敗を招いて損をする。

「役立つかどうか」で考える。
ブッダの基準
真実であり、有益である(役立つ)こと。

「有益」はどんな世界でも大切な判断基準になる。

アタマの中の判断。
=ただの「妄想」
→真実でも有益でもない。
=暇つぶし。
→判断自体が気持ちいい。
→承認欲求が満たされる。

自分は「正しい」と判断した時点で「間違って」いる。

自分は正しい。
=一部しか見ていない。

人と人が関わるとき。
→見解の違いが出る。
どう考えても自分の方が正しい。
→「どう考えても」は自分の頭の中だけ。

自分のアタマの中。
→自分の考えしか出てこない。
正しいとは限らない。

「自分の考え」に「執着」
=傲慢になる。

仏教が目指す「正しい理解」
=「正しいと判断しない」理解。


「正しく理解する者は「自分が正しい」と思うこと(慢)がない。だから、苦しみを生み出す「執着の巣窟」(わだかまり)に引き込まれることはない」

スッタニパータ(あるバラモンとの対話)の節

ムダな判断から自由になる方法。
①「あ、判断した」という気づきの言葉。
シンプルに判断にきづく。
何かを判断したと思ったら。
→「判断した」と言葉にしてみる。

肯定的な判断。
→状況が変われば否定的になる。

人を判断する「資格」はあるのか?

②「自分は自分」と考える。
他人と自分との間にきっちり線を引く。

世の中の人はこう。
→わたしはこうしよう。

人は人、自分は自分と明確な線引き。
自分の心は自分で選ぶ。
つねに自由に、独立して考える。

③いっそのこと「素直になる」
一番ラクになれる。
「正しい自分」でいるより「素直な自分」
=魅力的。

正しいという思い込み=傲慢。
傲慢→周囲、現実との摩擦。
→苦悩が溜まる。

方向性を見る。
→正しい思考。
自分は正しいと思い込み続けたいのか?
素直な自分を目指したいのか?
→選択する。

自分は正しい=小さな自己満足。
→誰を幸せにする?

「素直になってみよう」
→自分の中の誓い。
=ラクになる。

🐾自分を否定しない

失敗しても凹まない、否定しない。
自己否定の判断に打ち勝つ。

自分を否定。
→承認欲求が満たされない。
→怒り=不快。
→攻撃か逃避を選択。
→本能的な反応。

攻撃、逃避をなんとかしたい。
=自分を否定する判断。
→怒りが生まれる。
→攻撃、逃避、
→なんとかしたい。
→悪循環。

自由な心を取り戻す。
否定的な判断を止める練習。
①外を歩く。
1時間でも2時間でも散歩する。
カラダの感覚に意識を向ける。
目、耳、鼻、口、肌をフル活用。

②広い世界を見渡す。
いろいろな人が生きているのを見てみる。
それぞれの日常を生きていることを実感してみる。
自分を「否定」してくる人は多くないと気づく。
「自分を否定するという判断」
→親や友人の一言、情報、価値観。
→否定という一点だけを見つめていた。
→一点=人生のすべて。
=思い込みだと気づく。

外の世界=新しい世界。
「否定的判断」は存在しない。

③わたしはわたしを肯定する。
自分への語りかけ。
ただ肯定する言葉をかける。
否定してしまう判断を止める。
シンプルな言葉。
「わたしはわたしを肯定する」

「ポジティブシンキング」(積極的思考)
→暗示。
現実とかけ離れた言葉。
→心が「ウソ」と感じる。
=「妄想」と同じ
仏教の正しい判断では当てにしない。


🐾判断を止めれば、人生は流れる

「自分を否定」=自然な反応。
「自分を否定」=合理性は無い。
自分を否定する判断=苦しみ。
自分を否定する判断=妄想。

今は何をすべきか。
何ができるか。
「この瞬間」だけを考える。

過去を引きずる。
→過去を理由に今を否定する。
→心の煩悩、邪念、雑念。

今を見据え、正しく理解。
「ここからできること」に専念。

🐾本物の自信

自信が「ある」「ない」も判断。
判断=妄想
「現実」の前では意味がない。
自信という「判断」は後回し。

ブッダの思考法。
やるべきことをやり、成果を上げる。

「自身がほしい」=不合理。
自身=「できる」「成果を出せる」
→「判断」
現時点ではわからない。
あらかじめ「判断」のしようがない。

過去の成功→「自身がついた」
状況次第で通用しない。

※あらかじめ「自身を持つ」
=現実的に不可能。
自身がある=勘違い。

先のことはわからない。
今しておかなければいけないことがある。
=正しい考え方。

自身を欲しがる。
=妄想に囚われている。
自信家=「慢」に囚われている。
「すごい人だと思われたい」という願望。

不安を打ち消したい。
失敗するかもしれない。
=「妄想」
「妄想」を打ち消すための「自信」

自信家、自信がない人。
=自分に都合のよい「妄想」

「妄想」に妄想を上乗せする。
→もっとできる自分を「妄想」
「妄想」を妄想で克服しようとする。
→今とは違うできる自分を「妄想」

※「妄想」は当てにしない。
→今できることはなんだろう?
=合理的な思考。

体験を積む。
こう動けば、成果が出る。
→見通し。

行動、体験の積み重ね。
→「時間の蓄積」
→自信。

※見通し→自信。

自身をつける方法。
①やってみる。
②体験を積む。
③成果を出せるようになる。
④周囲が認めてくれる。
⑤「こう動けば成果が出せる」という見通し。

やってみるという発想。
→人生がラクになる。

わからない。
→「何をすればいいですか?」
→「どうすればいいですか?」
教えてくれる。
→「ありがとうございます」
迷惑をかけた。
→「ごめんなさい」
最初の思い。
→「頑張ります」

結果に「執着しない」
=仏教的な心がまえ。
→どのような世界でも「使える考え方」

経験の蓄積、時間の蓄積。
ある程度成果が出せるという見通し。
=「本物の自信」

<第3章 マイナスの感情で「損しない」>

🐾感情のコントロール

感情をめぐる悩み
①不快な感情が生まれる。
 感情を早めにリセット(解消)する。
②相手とどう関わるかを考える。

①感情の問題。
②関わりの問題。
2つの問題は別々に考える。
ごっちゃにしない。

※反応しないことが最高の勝利である。

「もし罵る者に罵りを、怒る者に怒りを、言い争う者に言い争いを返したならば、その人は相手からの食事を受け取り、同じものを食べたことになる」
「わたしはあなたが差し出すものを受け取らない。あなたの言葉は、あなただけのものになる。そのまま持って帰るがよい」

罵倒するバラモンとの対峙 サンユッタ・ニカーヤ。

人生の目標。
苦しみのない心。
→反応して心を乱されることは無意味。
反応せず、相手を見すえて、理解するのみ。

仏教における勝利。
「相手に反応して心を失わない」こと。

相手に委ねる。
ケンカは「慢」と「慢」のぶつかり合い。
どちらも正しい(と思っている)言い分がある。
自分の正しさを確認する。
→言い争いの心理。

「正しさ」は人それぞれ違うもの。
本人にとっては「正しい」
否定しない。
説得しない。
ただ、理解する。

「あなたにとっては、それが正しいのですね」

はず=期待、思い込み=妄想。
・相手と自分は同じ考えのはず。
・同じ考えを持てるはず。

「妄想」と「慢」
=非合理な発想。
→リセットして「正しい理解」をする。

相手と自分の反応を分けて考える。
→相手の反応は相手に委ねる。
=人間関係で悩まない基本。

解)
感情の問題→反応しない。
関わりの問題→相手に委ねる。

困った相手との関わり方。
関わり方の原則。
①相手のことを「判断」しない。
判断=妄想→慢。
しなくていい判断は、しないほうがいい。
大切なことは、心に苦悩を貯めないこと。
判断は自分自身にマイナス。
相手と理解し合える可能性も減る。

②過去は「忘れる」
記憶を引きずる。
仏教的に「記憶に反応している」状態。

「あの人は、わたしを罵った、わたしを否定した、わたしに勝利した、わたしは奪われた、と思いつづける人は、(記憶に反応して怒りつづけているのだから)怨みが止むことはない」

ダンマパダ(ひと組の詩)の章

いつまでも怒りが消えない理由。
過去を思い出しす。
→記憶に反応。
→新しい怒りを生む。
新しい怒りに相手は関係がない。

相手と別れた後の怒り。
=記憶に反応している。

ただの記憶と冷静に理解。
感情を鎮める。

③相手を「新しい人」と考える。
人も心も無常、うつろいゆくもの。
心理学的には。
心は1日に7万個もの想念を思い浮かべる。
約1.2秒で1個の思い。

心が無常=人も無常。
昨日と同じ人でも心は変わっている。
今日会った人は別の心の状態、別の人間。

④「理解し合う」ことを目的とする。
反応しないこと。
≠無関心、我慢する。

我慢する=怒りを抑え込んでいる状態。
→ストレスが溜まる。
→苦しくなる、鬱になる。

理解し合う→理解を共有すること。
感情、思い、考えを相手に理解してもらう。
伝えること、説明すること。

受け止め方は相手の領域。
時間がかかる。
急がず「いつかは」
楽観、信頼をもって向き合う。

信頼=選択。

⑤「関わりのゴール」を見る。
相手と理解し合う。
人間関係のゴール。

理解しようとしない。
聞こうとしない。
=関わる意味のない相手。

🐾人生の方向性

「方向性」
・どんな人生を目指すのか。
・相手とどう関わっていくのか。
・相手とわかり合うこと。
・自分の気持を理解してもらうこと。

あってはならないもの。
・相手と苦しめ合うこと。
・相手と憎しみ合うこと。

※執着こそが苦しみを生んでいる。

苦しめ合うために、関わっているのではない。
理解し合うために、お互い幸せになるために、関わっている。

🐾大原則

快を大切にする。

快=喜び、楽しさを感じている状態。
=幸せ。
不快=怒り、恐れ、満たされなさ、不安な状態。
=不幸。

生き物全般に「快」「不快」の反応がある。

人間の心は「二者択一」
快か不快で揺れ動く。

幸せになりたいなら「快の反応」を大事にする。
不幸になりたくないなら「不快な反応」をしない。

欲だって活かしよう。
煩悩でも目指すことに「快」があるならやってみる。
チャレンジの原動力になる。
欲求を否定する理由。
少なくとも「本人にとっては」存在しない。

欲求。
→生きるエネルギー。
→快を感じる。
=合理的。

欲の膨らみすぎ。
→焦り、不安、不満。
→いったん欲求を手放す。

※不快を感じたら仕切り直し。
快を増やせ。不快を減らせ。

<第4章 他人の目から「自由になる」>

🐾他人の目が気になる正体

他人の前で「安心できる」状態。
=承認欲。

他人の目を気にするプロセス。
①認められたい欲求。
(自分の価値にこだわる)
②欲求に反応。
(どう見られているのだろうと妄想)

気になる心理。
=承認欲が作り出す妄想。

妄想)
・どう評価されているのか。
・嫌われたのではないか。
・信用を失ってしまったのではないか。

妄想=脳のデタラメ。
真に受けない。
妄想には際限がない。

反応の記憶。
脳はすべての情報を取り込んでいる。
意識しなくても脳は反応して蓄積。
複合して見たことのない妄想を作り出す。
→悪い解釈(思い込みに)なる。

例)
迷子になった。
→両親が事故で死んでしまった夢。
母親に叱られた。
→母親に包丁で刺されかけた夢。

夢や妄想=脳のデタラメ。

情報社会の現代。
→反応の記憶が過剰。
→予期できない形での妄想。

何が思い浮かんでも反応しない覚悟が大事。

妄想は確かめるすべがない。
妄想を追いかける。
→正しい理解ができなくなる。

自分の心を理解する。
合理的な考え方を学ぶ。
理解の仕方を学ぶ。
人生の苦しみは必ず解決できる。

※確かめようのないものは放っておく。

他人の目が気になる。
最優先課題。
=妄想をやめる。

妄想グセ=気になる元凶。

🐾イライラの正体

一人の人間のまなざし。

例)
過干渉の母親。
すべてを決められる。
対話ではヒステリー。
→ストレス、不満、我慢。
親元を離れても影響。
対人関係でずっとイライラ。
一人のときだけ安心。

「無明(無理解)の状態において、心は反応する。刺激に触れたとき、心は反応して、感情が、欲求が、妄想が結生する。結生した思いに執着することで、ひとつの心の状態が生まれる。その心の状態が新たな反応を作り出す。その反応の結果、様々な苦悩が生まれる」

善提樹下の縁起順観 ウダーナ。

①触れて
②反応して
③強い反応のエネルギーが生まれる。
強い反応=結生
④同種の反応を作り出す。
サイクル。

※過去の経験で結晶した感情をずっと引きずっている。
=地雷
→怒りっぽい、神経質、対人恐怖症。

過去の反応を自覚する。
→徐々に影響を受けなくなる。

処方箋)
・よく気づいて反応しない。
思い出したら「記憶、記憶、記憶」
ラベリング。
感想、感情ぬきにただ理解する。
気づく→手放すきっかけ。

・感覚を意識する。
体の感覚=記憶、感情と別。
感覚に意識を向ける→リセット。
散歩、スポーツ、お風呂など。

・反応の源を断つ。
距離を置く。
物理的、時間的に。
過去の記憶、現在の相手にも反応しなくなるまで。

人の心は無常
いずれわかり合える。
理解し合える。
そのうち解決できる。
状況はやがて変わるだろう。
大きくかまえる。

🐾自分に集中

比較は非合理的な考え方。

自分に納得できていないから比較する。
自分の価値を確認したい。
自分を「よし」と判断したい。

比較=不合理
バーチャルな妄想。
実在しない。
=手応え、実感が感じられない。

比較しても自分の状況は変わらない。
→いつまでも安心できない。

安心を得たい。
絶対、完全に有利な立場。
→不可能。
→つねに不満が残る。

妄想に慣れているから比較する。
現実は変えられない。
較べることはすぐにできる。
たまの優越感。

※比較している状態=ヒマつぶし。

人は自らの体験に優れた成果を見て、それ以外の者たちを劣ったものとみなす。
それこそが、苦しみを生む執着であると、賢者は悟る(理解する)。
自分と他人を較べて「等しい」とも、「劣っている」とも、「優れている」とも考えてはならない。
(それらは新たな苦しみを生むからである)

スッタニパータ(最上なる思考について)の節

目的をかなえる「正しい努力」
①承認欲をモチベーションに、仕事・生活を改善。
②自分のモノゴトに集中。
③納得できることを基準にする。

※承認欲は大切にしてよい。
→活動のエネルギー。

承認欲は利用するもの。
「目的」にはしない。
認めてくれるかどうかは他人が決めること。

他人の評価を「目的」する。
→他人の目が気になる。

他人の領域→妄想。
自分の言葉、今できることに集中する。
妄想を目的にしない。

改善・集中・納得。
心は「快」「不快」の二者択一。
不快=ストレス→逃げたい。
快→執着→やる気。

身の回りの「快」を増やす改善する発想を持つ。
環境、人付き合い、BGM、アプリ・・・。
「快」を感じられるように改良していく。

内面的な動機で励む。
集中や充実感。
=正しい努力。

集中する手順。
①目を閉じる。
人生の基本、重要な心がけ。

心は何かに触れれば必ず反応する。
反応→雑念が溜まる。
最初から外を見ない、人を見ないが最善。

目を閉じて心の内側だけを見つめる。
→作業に向かう出発点。

②ムダな反応をリセット。
目を閉じて心の状態を見る。
疲れ、ストレス、不満、緊張・・・。
どんな状態でもそのまま認める。
客観的な観察。

心が落ち着くまでつづける。
ムダな反応をリセット。
静かでクリアな状態に持っていく。

心が落ち着かない時はタイマーを利用。
決めた時間まで観察しつづける。

③目の前の作業に一心に取り組む。
リセットしたら勢いをつけて作業に専念。
スタートダッシュが肝心。

集中が切れたらまた①から繰り返す。

無心でやる・心を尽くす。
ムダな反応が浄化。
→心はクリア。
→集中による充足。
→実感と喜び。
→納得。

他人の目がどうでもよくなる。
心を見つめるだけで答えは出る。

「他人の物事のために、自分のなすべきことを捨て去ってはならない」
「自分の物事を熟知して、自分のなすべきことに専念せよ」

ダンマパダ(自己について)の章

「あなたの時間は限られているから、他人の人生を生きて自分の時間を浪費してはいけない。他人の考え方に従って生きる必要はない。他人の意見に惑わされて自分の内なる声をかき消してはいけない。そして最も重要なのは、自分の直感に従って生きる勇気を持つことだ。あなたの心は自分が本当になりたいものは何かをどういうわけかすでに知っている」

スティーブ・ジョブズの言葉

<第5章 「正しく」競争する>

🐾競争のからくり

・何かを手に入れれば欲を満たせる。
=原始的欲求。
・手に入れたものだけでは満足できない。
=貪欲(心の渇き)

貪りを捨てる人とは サンユッタ・ニカーヤ。
「人はけして満たされることなく、何かを貪り、何かを勝ち得ようと望んでいる」
「それは、求める心(タンハー)に突き動かされて、心渇いている姿である」

バーチャルな競争。
例)
勉強。
本来は「知的能力をつける」のが本質。
点数、順位、偏差値は関係ない。
子供を測るものさし。

子供。
→成績=自分の価値。
→値踏みする判断方法。
→認められたい気持ち。
→成績を上げなければいけない。
→成績を上げることを目標。

成績を上げる=完全にバーチャル。
実態がない。

学校の勉強。
→観念、記号、妄想。
→「快」がない。
→心に不自然。
→「なんで勉強しなければいけないの?」

周りの大人に認められたい。
承認欲だけで勉強する。
バーチャルな競争に巻き込まれていく。

バーチャルな競争。
→どこまで「プライドを守れるか」
→承認欲が作り出した妄想。
→降りられなくなる。
→どこまでも勝ち続けようとする。
→いつまでも人の目が気になる。
→臆病、心渇いている状態。
→完全勝者はいない。

バーチャルな競争から降りること。
→「劣っている」と思われてしまう。

競争を否定せず、迎合せず、どう向き合うか考える。

競争の中を違うモチベーションで生きる。
「勝つ」という動機以外。
勝ち負け、二者択一の価値観以外。

目を閉じて浮かぶもの。
他者と較べる、張り合う。
競争に駆り立てられる心。
勝ちたい、負けたくない=妄想。
=競争の正体。

目を開けて見えるもの。
競争していたものは妄想だったという実感。

外の社会や人間が気になる。
→目を閉じる=反応しないため。
勝ち負けや優越・劣等感が苦しい。
→目を開ける=妄想から目を覚ますため。

競争は妄想ということに気づく
=自由になる第一歩。

「心の内側を見ず、外の世界に反応ばかりしている人は、欲望に流される」
「心の内側も、外の世界もよく理解して、煩悩に覆われないクリアな心で見る人は、欲望に流されない」

仏弟子ラクンタカの告白 テーラガーター。

🐾正しい動機

4つの心がけ。
人生の大きな心がまえ。
世界に対する向き合い方。
慈(じ)悲(ひ)喜(き)捨(しゃ)

慈(慈しみの心)
相手の幸せを願う心。

悲(悲の心)
相手の苦しみ・悲しみを理解すること。
「共感」

喜(喜の心)
相手の喜び・楽しさを理解すること。
「共感」

捨(捨の心)
手放す心、捨て置く心
反応しない心。
「中立心」
執着があるから難しい。

4つをまとめて「愛」と表現。
学校でも社会でも教わる機会がない。

慈悲喜捨の心がけ。
→人生のモチベーション。
→心のよりどころ。
→基本ルール。
仕事や人生の意味も違って見える。

慈しみ。
→貢献こそが大切。
→役に立てればよい。

悲の心。
→相手の苦悩を最初に見る。

苦しめる、損害を与える。
→してはいけないこと。
=自戒

喜びの心。
→他人の幸せ=自分の幸せ。
→誰かの喜びに自覚的に反応。

慈悲喜。
=働く動機、生きる意味。
→競争の欲と怒りと妄想から自由になる。

🐾5つの妨げ

要注意リスト。
①快楽に流される心。
5官の快楽。
→映像、音、匂い、味、触覚。
テレビ、漫画、インターネット、グルメなど。
適度なら問題ない。

コントロールできない。
=「妨げ」に支配されている。

②怒り。
不快、不満、悲しみ、ストレス、悪意など。
心をざわつかせる感情。

怒りに「快」を感じる。
やる気が出る。
→危険な勘違い。
→簡単に怒るようになる。

やる気=ムダな反応のない集中状態。
怒り=反応。

ムダな反応のないクリアな状態。
=心によい状態。

③やる気の出ない心。
眠たい、面倒くさい、ラクしたい、元気が出ないなど。

そもそも動機がない。
「快」が乏しい。

④落ち着かない心。
雑念、妄想だらけ。
作業が手につかない状態。

刺激やテキトーな反応に慣れすぎている。

⑤疑い。
自分、他人、将来を悪く考えてしまう心。
自己不信、疑心暗鬼、不満など。

疑い=妄想。

5つの妨げ対処法。
今までのブッダの教え、考え方が有効。

なるべく反応しない。
「妨げが襲ってきている」と理解する。
「快」を見つける。
「方向性」自分の目標をみて奮い立たせる。
テキトーな反応に逃げない。
「感覚を意識する」時間を作る。

正しい努力ー5つの妨げ=人生。
5つの妨げを引いた残り。
=ありのままの自分。
=等身大の自分。

自分を否定しないで受け入れることが正解。
無条件で受け入れる。
最善、最高、等身大の自己ベストを増やせるか。
どんなときも「わたしを肯定する」こと。

🐾過去形のコンプレックス

嫉妬。
目につく相手への「現在進行形」の感情。
勝敗後。
→負い目、コンプレックス、怨み。
→「過去形」の感情。

嫉妬=気になる相手への執着。
・自分を認めてもらいたいという執着。
(承認欲)
・認められている相手がいなくなって欲しい執着。
(怒り)

嫉妬の正体。
=承認欲が満たされない怒りを、相手に向けている状態。
嫉妬=「怒り」の一種。

原因は自分自身の承認欲の不満。
相手は関係ない。
嫉妬(怒り)を向ける。
=八つ当たり。
→完全に思考のミス

※承認欲を満たすためにどうするか考える。
=正しい努力。

自分が持っているものに目を向ける。
正確、資格、スキル、才能、経験など。
独自の成果を上げる方法を工夫する。

成功者からはやり方、方向性を学ぶ。
真似て同じことをしても同じ成果は得られない。

脚下照顧(きゃっかしょうこ)
足元を見る。
できることを重ねる。
改善を重ねる。
自分の内側だけを見る。
→今立っている場所からスタート。

相手は関係ない。
嫉妬から完全に降りる。
→ラク、自然。

※努力する自分の道のりを謙虚に楽しむ。

「わたしには、違う役割がある」
他人に嫉妬、負い目を感じた時。
考え方を切り替える。

お役に立てればよし。
「貢献」という動機を基本に考える。

<最終章 考える「基準」を持つ>

🐾よりどころを持つ

心の支え、心の土台となる考え方。
心の一歩手前に置く、たしかな生き方。
自分への約束・誓い。

正しい生き方。
①反応せず、正しく理解すること。
②心をきれいに保つこと。
③人々、生命の幸せを願うこと。

「よりどころ」を持つ
→さまよえる人生を抜け出せる。

「河の中にあって足場を得なければ、人は流されてしまう」
「足場を得てそこに立てば、もはや流されることがない」

長者スダッタの園にて サンユッタ・ニカーヤ

よりどころを外に持つ。
→金、モノ、職業、学歴など。

自分の幸せは「世の中」にある。
社会で価値があるとされているもの。
→満足できると信じる、求める。
→心の渇き。
→欲と怒りと妄想。
=心の輪廻。
→抜け出せない。

※よりどころは心の内側に。
心の奥底に「正しい生き方」を確立する。

正しい心がけに戻る。
漠然とした不安や孤独感を感じる。
外の世界につらくなった時。
→目を閉じて自分の心を見る。
→正しい心がけを思い出す。
→自分を取り戻す。
→目を開けて外の世界に向かう。

戻っては踏み出すの繰り返し。
→幸せへと導いてくれる。

🐾正しい方向

臨むようには生きられない。
現実に苦しんでいる。
現実に苦しまない心の持ちようを目指す。

最高の納得。
苦悩から自由になった心境。

納得=主観的なもの。
自分に「よし」と思えること。
「思い一つ」で達成可能。
何歳でも、どんな状況でも可能。

納得を基準に行動。
→外の世界に振り回されにくい。

ままならない現実。
わかり合えない人間。
→目を閉じて正しい心がけに戻る。
→納得が残る。

人生で求めるものは「最高の納得」
必要なのは正しい生き方、考え方、心の使い方。
人生にどう向き合えばいいか?
→内面的なテーマ。
→現実を越えてゆく生き方が可能。

※自分の人生が信頼できるようになる。

最高の答え。
この生き方に間違いはない。
いざというときは、この心がけに帰ろう。

人の心は「幸せの聖域」
心にどんな「思い」を置くか。

最高の納得を得るために。


いいなと思ったら応援しよう!