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みんなに観せたいものではなく、みんなが観たいもの

「葉っぱ切り絵アーティスト」という女性のコメントが、
妙に引っかかり、メモしたのを覚えている。
彼女の作品制作の原点に流れる考え方は、
「みんなに観せたいものではなく、みんなが観たいもの」。
これって、意外と忘れがちな考え方だな・・と思ったから。
特に、観光産業に携わっていると、陥りやすい錯覚とも言える。
私たちは、私たちで、知らず知らずに専門的な知識が増えて、
観光客に対して、観せたいものが増えてくる。
ここも観せたい、あそこも観せたい・・とばかりに。
しかし、第二展望台でそば耳を立てて聴いていると、
観光客の見たい場所、見たい風景は、
私たちが観せたい場所、観せたい風景と、全く違うことに驚かされる。
どの方向性で、観光を捉えているか、の違いかもしれない。
とにかく観光客に多く訪れてもらい、お金を落としてもらう方向性と、
素晴らしい環境を提供して、移住・定住に結びつける方向性は、
大きく違うことを、私は現場の感覚として実感している。
両方だよ、という人もいるが、それは中途半端な結果しか生まれない。
日本全国で、観光客というパイを取り合うことになる産業だからこそ、
絶対にブレない「軸」が必要なんだよなぁ。

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