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アユに訊かにゃ、わからんだよ

例年のこの季節、柿田川は、全国の国民から注目を浴びる。
天然のアユが遡上し、自分の目前で「産卵する」シーンが観られ、
それに合わせて「アユの産卵観察会」が開催される。
しかし、自然相手の観察会は、開催日を決めるのが難しい。
今年の「観察会」は、産卵どころか、遡上さえしていないから、
開催の中止も、検討されたのかもしれない。
春のさくら祭りや、秋の紅葉ツアーなど、主催者は頭を悩まし、
まだ咲いていなかったり、すでに散ってしまったり・・・と、
どうしても言い訳を探さなければならない。
地球温暖化や異常気象など、気候変動が影響しているのも確かだが、
楽しみにしていた参加者にとって、納得のいく説明が欲しいのも事実。
しかし、今日の主催者は、変な言い訳をしなかったからメモをした。
「例年なら、この季節に遡上し、産卵するのだが、
なぜ、今年はまだなのか、は・・」と言った後、一呼吸おいて、
「アユに訊かにゃ、わからんだよ」と言い切った。
笑うしかなかったけれど、妙に納得したのは私だけではなかったはず。
そう言われて、文句を言う人は誰もいなかった。
以前の「写真」や「動画」を観ながら、もう少し待とうと思う。
それが「自然」との付き合い方なんだから。

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