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祖母のネーミングセンス

未だに腑に落ちないことがある。

僕の母方の祖母は「孫はあまり興味がない」という世間一般的には珍しいタイプの人だった。頬に豆粒のようなホクロがあり、僕はいつも祖母に会うときは心の中でブルボンのシルベーヌと呼んでいた。

初孫だった従兄弟は興味がない中でもまだ可愛がられていたほうで、初孫でない僕はあまり可愛がられた印象がない。どこか義務的な可愛がられ方をしていたことを幼心に感じていた。父方の祖父母には死ぬほど可愛がられたこともあってか、対極にいる母方の祖父母の存在はどちらかというと苦手で愛情の薄い人達だなといった印象だった。

ある日、そんな祖母が珍しく孫である僕に頼み事をしてくることがあった。

聞くと「今度、メスのビーグル犬を飼うことにしたので名前を考えてほしい」とのこと。当時小学校低学年だった僕は祖母に興味を持ってもらえたような気がして大喜びし、100パターン以上名前を考えて祖母にそのリストを渡すと、「ありがとう。でも、ビーグル犬やからビー子にすることにした」と即言われた。即だった。

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