私の替え歌論~2本目によせて~
大した事は書きませんが、勝負の初投稿「カッツい宣言」が期待以上の反響を呼んでこのネタに可能性を感じ始めてしまって逆に焦っています。
誰も興味ないとは思いますが、この作品の背景を語ります。
替え歌とはそもそも原曲のメロディーに別の歌詞を当てはめたものと定義されるようです。その意味では全人類が物心つく前から替え歌に触れているのではないかと思います。例えば幼稚園で読み聞かせをする時かなんかで先生がこういう歌を歌っていたのを覚えています。
アンパンマンがお出かけする時は
マントとベルトをちゃんと締めて
あんこをいっぱい詰め込んで
バイキンマンをやっつけろ!
果たしてこれで「あぁ~懐かしい」って思ってくれる人が何人いるか心配ですが続けます。歌詞は2番以降にしょくぱんまん・カレーパンマンと続きますが流石に覚えていません。これを「ヨドバシカメラの歌」のメロディーで歌う。原曲が存在して、そこに別の歌詞を当てはめているので完璧に替え歌ですね。
あとは「幸せなら手をたたこう」とか。お遊戯の時間に先生が「幸せなら○○○○」でオリジナルの歌詞と動きを入れていた記憶があります。極め付きは「ドレミの歌」です。小学校低学年にもなるとそれなりに語彙も増えるので、各々が好き勝手にド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドで始まる言葉で自分流の替え歌を発明していました。私は当時ハマっていたポケモンで作っていましたね。昆虫バージョン・魚バージョンも作ったような記憶がありますが忘れました。
小学生時代は私や私の友人の間で慢性的な替え歌ブームが起きていました。そもそもなぜ子供は替え歌を作るんでしょうかね。そこにはあの世代に特有の溢れ出る創作欲や表現欲みたいなものがあるのではないかと思います。原曲が持つ雰囲気をぶっ壊して全く別の音楽に仕上げるというのは気持ちが良いんですよ。今はそういう感覚でやっていませんが、少なくとも私が小学生の頃なんてそんなもんでした。また学科や日常生活でインプットした語彙を替え歌という形でアウトプットする半ば本能的な学習行動でもあるように思います。そんな感じで興味がコロコロと移り変わる中、地道に替え歌作詞が続きました。自分の作った替え歌はほぼ全てを書き起こして保存しています。小学生時代の迷作の数々も探せば出てきますが下品すぎてとても開示できません(苦笑)
下ネタ系の替え歌も小学生の遊びの一大勢力でしたね。代表的なのは「森のくまさん」ですね。💩だのなんだの下品な言葉でゲラゲラ笑う時代がありましたけど、それを替え歌で歌って爆笑へと昇華する事の楽しさも一つの原動力だったのかもしれません。この辺りから闇雲に違う歌詞を埋め込むだけの原始的な替え歌から一貫したテーマを持たせる事、そして原曲の歌詞を活かした替え歌を意識し始めた気がします。特徴的なフレーズを敢えてそのまま流用する事で味わいが生まれる事に気付いたんですね。それ以降は笑える替え歌を軸に創作していきました。中学校に上がってからは授業で扱う合唱曲を餌食にする事で、自己完結ではなく同じクラスの友達の間で笑い合える内容に。
中学校~高校時代の主なテーマは「薄毛」でした。これは当時の私に言わせれば小学校生活の後半に地獄を味わわせた独裁教師に対する静かな反逆や抗議の意味を込めたものでした。彼への憎しみと嘲笑から、強烈な皮肉や煽りのこもった替え歌を量産していました。しかしそのうち男性にとっての脅威でもある頭皮の脱毛をより普遍的に扱うようになりました。高校生の中盤ぐらいですかね。徐々にテーマも頭から離れていき、内輪受けからより大衆的な方向へ進み始めたんじゃないかと思います。
私は基本的にインスピレーションを大切にしています。大抵は歌の中の1~2フレーズのアイディアがパッと思い浮かんで来て、それを軸に完成させて行きます。「この曲でこのテーマで作るぞ!」から始まる訳ではないんです。早ければ1時間ぐらいで最初から最後までできちゃいます。当たり前っちゃ当たり前ですが原曲を複数回聞いた事があって、歌詞を把握している事が前提です。高校生ぐらいまでは流行に疎かったので(今も充分疎いですが)ポップスは取っつきにくく、合唱曲に流れていたのです。
現在の軸が固まったのはだいたい高3の時で、YouTubeをはじめインターネットに多数存在する傑作の数々に触れて「替え方」により磨きをかけて行きました。同時に鉄の知識や経験を徐々に蓄積していった時期でもあります。ちょうど東京五輪が近づいて「パプリカ」が流行っていて、いい感じのリズムと歌詞に創作意欲が刺激されました。同時期にはEF64 37が国鉄色に復刻され「信州カシオペア紀行」を牽引するという大ニュースもあり、インスピレーションの赴くままに書き上げてしまいました。
ザンナナ カシに入ったら
高速飛ばし長野行こう
撮れるか 現場に着いたなら
ゲバで場所取り朝まで騒げ
鉄オタにしかわからない替え歌の完成。そのうち動画にできたらフルでお見せします。歌唱力は絶望的にないので同じ趣味の仲間に完成した歌詞を見せて笑いのネタにする楽屋オチ程度ではありますが、これまでにない手応えを感じましたね。「カッツい宣言」以前に10曲ぐらい作っていました。今回の投稿は自分の替え歌が世間に通用するかどうかを見る意味もあったので、ひとまず悪くない結果を得られたかなと。
今回「カッツい宣言」が初めての替え歌動画になった理由は単純。編集が比較的楽だったのとギリギリ流行っているからです。替え歌のモデルは撮り鉄の一種である編成写真家(前の記事を参照)で、シチサンでバチバチの編成写真を狙うまさにかぶりつき絶対ジャスティスな人達です。私も編成写真にはこだわりますが、モノによってサイドから撮る事もある(というかその方が多い)し彼等ほどの完全主義者ではないつもりです。ですから私個人の主観とは全く別の次元で作っている事をご理解ください。概要欄にも書きましたが撮り鉄の生態を面白おかしく歌う事が趣旨ですからね。
さて、まもなく投稿から1ヶ月が経ち、良い感じに拡散されて次回作を望む声も集まっている頃なのでタイミングとしても丁度いいですね。どうにか目標に間に合ったので鉄の替え歌「国鉄色(原曲:香水)」を8日18時に公開します。
また、今後は自分の持ち合わせの素材では充分な物が作れなくなってくるので、我こそはという方はTwitterやInstagramのDMにお越し下さい。音源は割とスムーズに行くんですが、動画の素材の確保にちょっと苦労しました。
という事で新作です。お納めください。