見出し画像

JR移動は途中下車も(金銭的に)気楽

分割乗車券、という考え方がある。
知らない人にとっては突然の、聞いたこともないような言葉だと思います。
しかもタイトルはJRの途中下車がどうのこうの。なんのこっちゃ?という感じですよね。
この話はJRの運賃の仕組みをうまく使った、
「途中下車をしても運賃の総額はほぼ変わらなかったり、なんなら安くなることだってある」→「だから途中下車を楽しみながら移動してみるのも良いのでは?」というお話です。

さて、この話を進めるためには基本として押さえておきたいことがあります。それは、

遠くに行けば行くほど運賃は安くなると思っていませんか?

ということ。
普段、私鉄に乗っている人はほぼその通りです。
程度は各私鉄によって変わりますが、短距離よりも長距離の方が、1kmあたりの運賃が安くなる。そうなるケースが多いです。
しかし、JRは違っている。

¥16.2/km(税抜・JR東日本幹線運賃・300km以内・2025年現在)

このように、明確に1kmあたり運賃が決められているのです。
山手線や電車特定区間でちょっと安かったり(今後この運賃形態は廃止予定)、他社との競合路線で戦略的に安い区間があったり、いわゆる収益が見込みにくい路線である地方交通線はちょっと高かったりもするのですが、ポイントは「1kmあたりの運賃は300kmまでほぼ比例している」ということ。

とはいえ、実際は律儀に1kmずつ金額が決まっているわけではなく、ある程度の区間で区切っていたり、このベースを元に切り上げ切り下げなどを行っています。10kmまでは初乗り運賃の影響で割高だったりもします。

ここで、思うわけです。
もしかして、途中で降りたほうが安くなるケースもあるのでは?と。
早速、運賃表を確認してみます。

〜3km  150円
〜6km  190円
〜10km 200円
〜15km 240円
〜20km 330円
〜25km 420円
〜30km 510円

ここで太字にした部分に注目します。
15kmまでが240円なのに、30kmが480円ではなく510円。30円高い。
15kmずつ分割して買った方がいいのでは?
これが、分割乗車券という考え方になります。

とはいえ、必ずしも有効なパターンがあるわけではありません。
例えばトータル28kmの区間でスタート駅から12kmのところに駅があっても、次が16kmなので240円+330円=570円となってしまっては(金銭面だけで考えれば)本末転倒。
こればっかりは「あったらラッキー」の話ですね。

(ちなみに300kmまでの運賃区分を通して、11〜15kmまでの運賃区分が最安です。道中に競合路線がなく14km台の区間がずっと続いていて途中下車し続けることができれば、ほぼ間違いなく通しで買うより安くなるでしょう)

さらに先を見てみます。

〜90km  1520円
〜100km 1690円
〜120km 1980円

50kmまでは5km刻み、100kmまでは10km刻みでしたが、それ以上は20km刻みになっていて、それでもkmあたりの運賃は変わらないため、100kmを超えた途端に120kmまでの運賃となり、290円アップしています。(細かい話をすると、100〜120kmの中間値である110kmをベースに運賃計算されています)
この場合、極端な話トータル101kmを乗車する時は、100kmまでで刻んで初乗りを改めて払っても安くなるという状況が発生します。
トータルで100kmをちょっと超える。そんな時は、だいたいどこで切っても安くなることが多いです。

ところで、分割乗車券という言葉の意味そのものを解釈した時、本来は「A駅→C駅に行く時、A駅→B駅とB駅→C駅の乗車券を用意して通しで乗る」ということになるのですが、今それをやるのは「できなくはないが面倒」です。

そこで、私は考えます。
どうせなら、途中下車を楽しんでしまえば良い。
一度降りて、知らない街を探索する。
そもそも10kmを超えた区間はずっと運賃が比例しているのだから、多少運賃が割高になる誤差はあっても、それでも降りてみるというのもいいのではないだろうか。

そういった余裕も、あっても良いのかなと思ったりします。

いいなと思ったら応援しよう!