イーロン・マスクを表す言葉のひとつに…
① イーロン・マスクを表す言葉のひとつに「スピード」があります。
Elon Musk is epitomized by the word “speedy.”
◎Elon Musk is a man of speed. のように書きたかったが、原文と離れすぎているような気がしたので、抑え目に。主語は Elon Musk にしたかったので、仕方なく受動態としました。
② 短時間でものすごい量の知識や情報を吸収する能力は、驚異としか言いようがありません。
He is nothing less than astonishing because he can absorb fast a vast amount of knowledge and information.
◎ 「驚異」は astonishing と astounding で迷ったが、Ngram では前者をよく使うとのこと。前者は人を主語にとることは可能らしい。後者は調べきれず。「短時間で」を fast としています。これの位置が自然なのかどうかについては正直、自信ありません。「能力」(ability, skill ...)を主語にしていないので、can を入れて「能力」っぽくしています。「言いようがない」は色々書けると思います。
③ さらに、意思決定においてもハイスピードでやってのける経営者です。
In addition, he is a quick decision-maker as the CEO. 「さらに」は、前の◎文の「短時間で」というのとは別の話…つまり、スピードを構成する要素はいくつかあるが、別の要素だと解釈して In addition としています。それに伴って、前文の fast とは別の quick を使っています。同じ方向性であれば Moreover を使いたいところです。
④ イーロン・マスクは、わからないことがあると、現場のエンジニアを質問攻めにします。
He bombards in-the-field engineers with questions about what he wants to know.
◎ここは難しかったところです。「質問攻め」は色々と表現のしようはあるのでしょう。正直、そんな言い回しは知らなかったので、英辞郎で引いたものをそのまま使いました。「わからないこと」というとやや曖昧だったので「知りたいこと」と意訳しています。
⑤ かつてスペース X で働いていたエンジニアはこんなことを語っていました。
⑥ 「僕に質問をふっかけることで、彼自身が勉強していたんですよ。
⑦ あの人は、こちらの知識を 90% くらい奪っていくまで質問をやめませんから」
“He learned the technical know-how through asking me,” said an engineer who worked for SpaceX, “he never stops inquiring till he rips off 90% of engineers’ expertise.”
◎普通に日本語的な順序で書いてもよかったのですが、ノリでこう書きました。「勉強していた」の目的語がなかったので、補いました。イーロンが知りたいのは、概論ではなく実際的な知識でしょうから、technical know-how としています。エンジニアとしては(おそらく)学問として修めた知識だと思うので expertise としています。「奪っていく」は実際には「時間と労力」なのでしょうが、イーロンはたぶん強引に(仕事を中断させるような方法で)やっていると思うので、rip off を使っています。
⑧ このエンジニアはさらっと話していますが、宇宙工学の専門家を向こうにして「相手の 9 割の知識を身につけるまで質問をやめない」といのはイーロンの特質をよく表しています。
This engineer described Elon casually. Indeed, it represents him that he continues asking space-engineering experts until he masters 90% of their knowledge.
◎「さらっと」は難しい。正直、適当です。「~が」はもちろん逆説ではなく「気軽に話しており、かつ、的を射ている」ということと解釈して indeed としています。接続をよくするために形式主語を使いました。ここも書きようはいくらでもありあそう。
⑨ しかも、ダラダラと質問を続けるのではなく、短時間で密度の濃い質問をぶつけるのです。
Moreover, rather than redundantly, he questions briefly and intensely.
◎「しかも」はイーロンの質問のやり方ということで「同じ話」と判断して Moreover としました。順序を変えた結果、日本語の説明順序のようになっていますが、意図としては後ろ重にして、かつ、「速い」という読了感(印象)になるようにしました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?