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イナゴの群にならないために、SNSから距離を取ろう

バッタは個体が増えすぎて過密状態になると、イナゴの群れになるという。だいたい、そういうことらしい。ある条件下に置かれると、それまでとはまったく違う生物のようになってしまうのだ。

おそらく人間にも似た現象がある。さっき岡田斗司夫氏が『サピエンス全史』を紹介している動画を見ていたのだが、そこでわれわれ人類、ホモ・サピエンスが、かつてネアンデルタール人や他の人類を全滅させてきたという歴史が語られていた。だから、今は人類としてはホモ・サピエンスしかいないのだという。

どうやら現生人類である私たちには他の集団を殲滅するような性質があるようだ。おそろしいことだが。

よく、ナチスのジェノサイドを指して「なぜ人間がこんなに残虐になれるのだろう」と言われるが、そうではなく、むしろそういう殲滅を行ってしまう要素が私たちの隠れた本能として刻み込まれているのだろう。

この、自分たちと少し違う集団を徹底的に攻撃するという光景は、今はインターネットにおいて見られる。とりわけSNSで。今日も、真偽不明の事実に煽られ、多くの人がだれかを攻撃している。それはまさにイナゴモードに切り替わってしまったかのようだ。

おそろしいのは、ホモ・サピエンスが幻想を共有するという性質・能力を持っているということだ。現実の集団ではなくとも、幻想によって集団が形成される。だから、動物の群れはせいぜい数十から数百の個体しかいないが、会社や自治体、国家といった集団ははるかに多くの個体を結びつける。そうして、他の集団への攻撃を行うことがある。すなわち、幻想に基づいた殲滅行動をする可能性がある。

このようなイナゴモードへの変容を避けるにはSNSから距離を置くのがいちばんだろう。


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