いつものバスが、来ない
こんにちは、Shimizu_Tです。
今日は、路線バスの運転手が、客を無視して仕事を放棄するなんてことが、日本で起こるものなのか?とビックリした話です。
通勤に路線バスを利用しています。
自宅発→駅からJR→路線バスに乗換え
といったパターン。
その路線バスは、郊外の住宅街とJRの駅を約10分かけて運行している、単純なもの。
駅に着いたバスは、そのまま折返し運転のために、すぐに客を乗せて郊外の住宅街へ向けて走っていく。
多分、そんな運用になっていると思う。
田舎なので本数は少なく、朝夕の時間帯でも、30分から1時間に1本程度。
当然、いつもの時間のバスに遅れると、必然的に職場には遅刻となります。
で、ある日の事。
JRを降りてバスを待っていたのですが、郊外から走ってきて客を降ろしたバスが、いつもと違う動きをしたものだから、私を含めそのバスに乗る「常連客(約5名)」は、戸惑ってしまった。
その日のバスは、駅で我々「常連客」を乗せずにバス乗り場の周辺を軽く一周すると、バス停から30メートルほど先の待機所のようなところで停まってしまった。
バスの発車時刻まで数分あるので、その運転手はしばらく休憩するつもりなのだろうか?
まあ、そんなこともあるだろう。
定時になって出発してもらえるならば、文句はない。
たぶん、私以外の「常連客」も、同じように考えただろう。
しかし、定時を過ぎても、そのバスは動こうとしなかった。
遠目にバスの運転手と目が合っているような気がして、「早くバスをこっちまで動かして、客を乗せて出発しろよ!」と、心で叫んでみても、運転手はこちらを気にしていないのか、バスは全く動こうとしない。
「えっ? もしかして、何か気に入らないことでもあって、もう運転するのが嫌になっちゃったの? 仕事を放棄してるの?」
こんな経験は、初めてである。
仕事が嫌になって路線バスの運行を放棄する運転手が、まさか日本にいるなんて!
いやいや、「日本に」なんて思ってはいけないのかもしれない。
今や、多様化の時代なので、これまで勤勉と言われてきた日本人の中に、そういう人がいても、否定してはいけない世の中になったのかもしれない。
あれっ、私って何か変な考えに陥っている?
いや、だめでしょ、路線バスの運転手が勝手にストライキしちゃ。
定刻を10分過ぎても状況が変わらないので、常連客を代表して、私が運転手に直談判に行くことにした。(だって、誰も動かないんだもの。)
バスへ近付くと、運転手は前方のドアを開けてくれました。
運転手は週刊誌を読みながら、(ん?この客は、どした?)といった雰囲気で、私の方を不思議な眼差しで見ている。
(「どした?」は、コッチのセリフだよ。サボってんじゃねえよ。)といった気持ちで、でも一応は下手に出て、運転手にこう聞いた。
「10分前に出発するはずのバスが来ないんですけど・・、このバスがそう(10分前に出発するはずのバス)ではないんですか?」
すると、その運転手は、こちらがビックリするようなセリフを口にした。
「えっ、そうですか? じゃあ、このバスで臨時に運行しますよ。」
なんと、運転手は正規の休憩中にもかかわらず、来ないバスのために休憩時間を削って、我々常連客の為にひと肌脱いでくれるらしい。
私はバス停に戻り、他の常連客にそう説明すると、今まで一度も話したことのない常連客全員から「(バスを呼んでくれて)ありがとうごさいました」と、感謝される始末。
運転手の言動といい、常連客からの感謝の眼差しといい、不思議な気分になった朝であった。
いつものバスが、時間通りに来なかった理由は何か?
単に、遅れていて、もう少し待っていれば来たのか。
つまり、その運転手は本当に休憩中で、全くの好意で運行してくれたのか?
あるいは、私が問い掛けたことで運転手が我に返り、(ホントのことは言えないけど、仕事に戻ろう)と、しらばっくれながらも、何事も無かったかのように運転したのか?
真相は不明です。
ここ迄お読み頂き、ありがとうございます。
いつものように、締めくくりはこの言葉で。
「毎日が、心穏やかに過ぎますように」