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【エスパルス】2022年YBCルヴァンカップ第1節 vs名古屋(A)【Review】

週半ばの試合なので、忘れないうちに箇条書きで、自分に見えたことと感想を書いていきます。
平岡監督の試合後コメントがあっさりしすぎていて、答え合わせができない…

1.スタメン

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・エスパルスは苦しい台所事情を強いられながらも、4日前のリーグ第1節から8名を入れ替え。菊地がプロとしては初出場、新加入組では岸本が初スタメン。また、昨季出場のなかった大久保が久々にゴールマウスを守る。

・名古屋も、前節のスタメンと8名を変更。これでもターンオーバーしているのかと羨むような選手層。武田くん、お久しぶり。

2.前半

【開始~前半25分】
・試合の立ち上がり、名古屋は、2トップが積極的にプレスを敢行。その勢いに飲まれるように、動きに硬さが見られるエスパルス。セカンドボールへの反応がイマイチで、足元、足元にパスをつける(いわゆる「各駅停車」)場面が目立ち、裏を狙うダイナミックな動きにも乏しい。
・2トップの滝とコロリ、2CHの宮本と成岡が、たまに左右のポジションを入れ替えるが、深い意味はなさそう。

【名古屋のビルドアップ(下図)】

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・名古屋は、SBに高い位置を取らせようとする。CHのうち1枚がCB間や脇に下りることも多い。
・エスパルスは高い位置からプレスに行こうとするが、SHのプレスの基準点が曖昧に。とくに右サイドの髙橋が、相手の左SBに引っ張られて下がってしまう場面が目立った。
・また、柿谷と金崎が縦関係になり、柿谷がライン間でボールを引き出す。柿谷をCBに任せるか、CHがケアするか、難しい選択を強いられる。

・こうしたシステムの噛み合わせもあり、ここまでは名古屋がボールを保持する展開が続く。結果的に、前半34分の成岡のミドルシュート(CKのこぼれ球)まで、エスパルスのシュートは0本。

【エスパルスのビルドアップ(下図)】

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・最初のうちは、ボランチがあまりボールに絡まない。ボールを効果的に前進させるルートは、まだチームとしての形が確立していない印象。
・右サイドでは、髙橋が下りて岸本を上げるパターンが何度か見られたが、相手の立ち位置を動かせていたかというと微妙。

【前半27分】髙橋と滝が、ポジションを入れ替える(下図)。

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・スピードと仕掛けるドリブルを持っている滝が右サイドで高い位置を取ることで、相手の左SBをピン留め。同時に、岸本がハーフスペースに侵入するようになり、チームの立ち位置が若干変化する。

・また、この時間帯に輝きを放ったのが成岡輝瑠。名古屋のプレッシングの勢いが落ちてきた側面もあるが、相手の2トップ脇で積極的にボールを引き出し、相手を1枚剥がして持ち上がったり、左右にパスを配球するなど、持ち前のスキルと展開力を見せ始める。

(下図は、ライン間の岸本に、鋭い斜めのパスを出した場面。視野の広さと、正確に速いパスを出す技術には恐れ入りました)

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・前半の終盤は、ボールを保持する時間が長くなったことで、敵陣内でのプレーが増加。ボールを失っても「アグレッシブ」にカウンタープレスを敢行し、徐々に中盤でボールを奪取できるように。
・こうなると、このチームが強く意識付けしているトランジション(とくに「守→攻」への切り替え)の優位性が活きてくる。ボール奪取の瞬間にSHが裏を狙って飛び出し、相手の最終ラインを押し下げ、空いたバイタルエリアにボランチが飛び出してくる形も見られるように(前半35分:宮本のミドルシュートはヒットせず)

3.後半

・後半は、開始直後からアグレッシブに前に出て行く。ボール非保持時にはバックパスをスイッチに相手にプレッシャーをかけ続け、相手に精度の低いロングボールを蹴らせてボールを回収。
・被カウンター(被ファストブレイク?)の場面でも、素早い攻守の切り替えとプレスバックを徹底。全員が勤勉にハードワークする姿を体現。
・また、後半は前半以上に、中盤の横幅がコンパクトになっていた気がした(下図)。これにより、攻撃ルートを縦に誘導し、狭いスペースでのプレーを余儀なくさせてミスを誘発。同時に、相馬や齋藤といったアタッカーへのパスコースを遮断して仕掛けを封じ、サイドからの攻撃の脅威を軽減することにも成功。

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・途中出場の選手も存在感を見せ、とくに神谷は、監督がリーグ開幕戦でスタメン起用したくなるのも頷ける切れ味とゴールへの意識を見せつけた。
・栗原イブラヒムジュニアは、周囲の選手との距離感が活躍の鍵を握りそう。唯人とは近い距離でプレーができていて相性が良さそうなので、出場機会があればゴールに拘ってチャンスを掴んでほしい。

4.所感

・成岡の総合的な能力の高さや、菊地の安定したビルドアップなど、若い選手の良さが見られたのは好材料。岸本もプレシーズンマッチで感じた賢さや前線への推進力を見せてくれた。
・ただ、ゴールの匂いがするチャンスはほとんどなかった。チャンスを作る手段としてはいくつかあるが、試合後の平岡監督のコメントを見る限り「攻撃の厚み」を重視しているようなので、リーグ戦では後ろからでもどんどん前に絡んでいける選手が重宝されそう。

・次のゲームは、絶対に負けられない静岡ダービー。試合の内容や本来やりたいことなんてどうでもいいので、とにかく勝ってください!

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