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どうなる?現在の空き家動向

少子高齢化が進み、人口減少が始まった日本においては、空き家の社会問題がますます深刻になっています。

今回は、現在の全国的な空き家の状況や今後の予測を、国土交通省が2022年に発表した「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」などをもとにお伝えしていきます。空き家の活用に関わる参考情報もあわせてご紹介します!

空き家の数は30年で2倍に

総務省の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」によれば、空き家の総数は前回の849万戸を超える900万戸を記録し、30年間で約2倍の増加となっています。
このうち、セカンドハウスや賃貸用・売却用住宅などを除いた「その他空き家」、つまり、長期間活用されていない住宅も前回調査では349万戸でしたが、今回はさらに増加し385万戸となりました。

世帯数と住居数

住居は世帯の数だけ必要です。実は単身世帯が増えたことで、人口減少が始まった2008年頃以降も、世帯数自体は増加していました。しかし、世帯数は近々ピークに達するとも予想されています。
また、1968年あたりから住宅数は世帯数を超え、以降供給は足りている状態むしろ、年々有り余っている状態になってしまっています。

日本は新築住宅を好む傾向が強いので、住宅が余っているにもかかわらず、新しいマンションや戸建ては今後も建ち続けるでしょう。
住宅の過剰供給が、空き家が増える原因に繋がることは想像に難くないのではないでしょうか。
そして、空き家の増加を抑えない限りは、今後ますます空き家問題は深刻化していくことが予想できます。

政府も動き出している空き家対策

政府の目指すところ

その他空き家は、2025年で420万戸、2030年で470万戸程度になると推測されていました(2022年予想)。
政府は、簡単な手入れで活用できる空き家の利用や、長年使用されておらず管理もされていない空き家の取り壊しなどを推進し、2030年時点で400万戸ほどに抑えることを目指していました。

活用には課題も

空き家を空き家のままにせず、空き家を何らかの形で活用しようとしても「使い手・買い手・借り手がいない」「住宅の傷み」「費用をかけたくない」などの課題があります。
いざ賃貸物件として貸し出すと決めたとしても、リフォームが必要な場合が多いでしょう。

自治体によっては、空き家の改修費用や取り壊し費用についての補助金が設けられています。利用できるものは上手く利用し、なるべく自身の負担を減らすことができれば、空き家活用のハードルは低くなるかもしれません。

売却という手段

空き家の多くは相続によって発生しています。亡くなった親が住んでいた家を相続したものの、自身は遠方に住んでいるなどを理由に空き家になっているパターンです。

活用が難しい場合は、売却を検討するのもアリです。
相続した空き家の売却の場合、諸条件があるものの、利益が発生しても3,000万円までは控除される特例「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が設けられているので、税金の心配が軽減されます。

参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

個人でできる空き家対策

空き家をどうするかという悩みを抱える日本人は今後どんどん増えていくでしょう。
親から家を相続したらどうするか、自身の家を子が相続する際にはどのようにしてほしいか、といったことはなるべく早い段階から検討しておく必要があります。

そして重要なのは、どのような対策がとれるのかを知ることです。各自治体の相談窓口を利用して、補助金の有無などの情報収集もしておくことをおすすめします。

次回は「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」についてご紹介します!

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