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8年見て見ぬふりをしたジャンルに狂わされる春・2023
ことの発端は、2023年5月某日。
某アイドルジャンルで心を痛めた仲の良いフォロワー達が、続々と青々とした草木を求める遊牧民族を思わせる速度でひと所へのジャンル移動を始めていた。
TLに飛び交うのは、久しぶりに本丸に帰ってきた、新たに審神者になった、など様々であったが、共通するのはフォロワーが皆"刀剣乱舞"に拠点を移し始めたという事だった。
それが何となく気に掛かったわたしは、とあるワードを検索エンジンに打ち込んでいた。
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“刀剣乱舞 キャラ一覧”と。
殆ど触れてこなかったジャンルと言えど、刀剣乱舞自体は多少なりとも目にする機会はあった。
8年前のサービス開始当初、友人が力を入れてコンテンツを追っているも知っていた。
しかし、あの時のわたしは何でかハマらなかった。
……いや、多分見て見ぬふりをしていたのだ。
性格上、大衆が盛り上がっているタイミングで周りと足並みが揃えられず遅れを取ってしまうタイプの隠キャだから、あの時素直に大手を振ってハマろうと思えなかったのだろう。
今思えば、本当にどうしようもない人間である。
それはさておき、序盤はコンテンツの顔的キャラクターが並び、「二次創作で見た」「確かあのフォロワーの推しだった」と、見知った顔ぶれに余裕綽々でページのスクロールを続けた。
後半に差し掛かり、読み方も担当声優も皆目見当もつかないキャラクターが続く。
サービス開始から8年ともあってキャラクター数も多い。
しかし、これだけキャラクターが居たとて己の性癖に響く男が居なければ、このジャンルにはやはり乗り切れないな……と内心思うところはありありだった。
──この時までは。
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…………
前言撤回をさせて頂こう。
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……………
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あー、これ。
始まったわ。
そうして、8年も目を瞑っていたジャンルでこうもアッサリ自分の本丸を築城するなどしてしまったワケだ。
人生どこで衝突事故を起こすかなんてわかったもんじゃない。
例えそれが、仕事を終えて家路に向かう草臥れた一般OLが、疲れからか不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまいイマジナリーの後輩をかばいすべての責任を負った清水に対し、車の後部座席から悠々と姿を表し、示談の条件を言い渡すような見た目の刀剣男士に一目惚れする──そんな出会いでも。
“出会った時が最旬”
遅い、なんて事は多分無いと思うから。
だから、始めます。
8年間見て見ぬふりをした刀剣乱舞を。
お母さん、見守っていてね。
わたし立派な小鳥になるわ。
ま、暫く手に入れる術がないからイマジナリー山鳥毛で生きていくほかないんだけど!(血涙)
追記:夏のシール交換で無事に山鳥毛さん本丸に喚べました〜泣 お頭かっこいいよ~