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【アーテルチェイン】


ご挨拶

みなさん、はじめまして。もしくはお久しぶりです。
ウスラトンカチです!

最近はcs運営に回っており、プレイヤーとして参加する機会がめっきり減ってしまいましたが、使いたいデッキを代わりに使って勝ってもらうことで、出たい欲を発散しています笑

ただ、諸事情ありこの5月以降からは運営の頻度も落とすことになったのですが、これはまた別の機会に…

ということで今回は、先日、4/28(日)に行われた
おやつCS 2024 summer festival 関西大会(チーム戦)
にて準優勝🥈した【アーテルチェイン】の解説記事となります。

ありがたいことに、当日もオーディエンスが多く、終わった後にも
「面白いデッキですね」「有料記事待ってます!」というお声がけを多くいただいたので、解説する運びとなりました。
※GPで同じデッキタイプを拝見し、おやつcsで使用するにあたり、色々お話しを伺えればと思っていましたが、公開はされていなかったようなので、今回は僕の考えをまとめさせていただきます。
→GPで使用されていたデッキの考案者様の方でも解説記事を公開されたようです。よければそちらもあわせてどうぞ!

また、これは『轟破天自分語』で、ほとんど毎試合で対戦相手チームの間で「何のデッキかわからへん、どうしたらいい?」と相談があったのは逆張りデッキビルダーとしてとても嬉しかったです。

というか、今気づいたんですが、おやつのじかんさんのポストをコピってたら、僕も思いっきりスペル間違えたままポストしちゃっててめっちゃ恥ずかしいんですけど…!!
『summerfustival』

あと、全く関係ありませんが、使用したサスケのスリーブがカッコ良いので布教のためと、備忘録のためにもフィットしたスリーブ構成をシェアしておきます。
よければぜひ!!!
スリーブ本体 + おやつFL(下から) + おやつマットLプラス(上から)

カッコよが過ぎる

使用経緯

今期の【ブレスラチェイン】

僕自身、GPに出場する予定はありませんでしたが、裏ではこっそり新殿堂&新弾後の【ブレスラチェイン】の構築を考えていました。

ただ、結論から言うと、《ネバー》の殿堂入りがかなり致命傷でした。
《ネバー》をメインルートとして運用できなくなったことにより《ロマノフ》および《ブライゼ》を採用する意味が薄くなり抜けていきました。
そしてそれらの代わりに、チェインの継続率を上げるべく、《ザーディクリカ》ではなく《サイクリカ》や《クイーンアマテラス》を採用したり、《マークロ》の採用枚数を増やす対応を取ることになりました。

これらの対応により、《ブレスラ》を使用後、《サイクリカ》→《マークロ》まで繋げられると十中八九勝ちというところまでいけるようになりました。
しかし、確かにこの点は高評価でしたが、抜けていったカードにより
・『初動』が不安定
・速度低下
・受けの質がガタ落ち
と、前期【ブレスラチェイン】が売りとしていた、『安定して、はやい速度で勝てるのに、受けがしっかりしている』というメリットがすべて崩壊してしまったのです。

リペアという意味では成功しているのは間違いないですが、情を抜きにすると、敢えて使用することは無いかなという感じです。
※個人の意見ですので、他の使用者を貶める意味合いは全く含んでおりません。むしろ、リペアとして成立させていることには尊敬しかなく、同じ【ブレスラチェイン】として界隈が賑わっているのは大変嬉しく思います。

…というわけで、ここから先は有料エリアとなります。
大好きだったデッキの後継となるデッキの解説を次項以降していきます。
結果的に、【ブレスラチェイン】よりも、扱う難易度が高くなったので要練習です。
その反面、「ここからループ入るんか!」という驚きや発見もある楽しいデッキです!


諸注意

  • 記事は動画化される可能性があります。

  • リスト自体はすぐに割れてくるので、それよりも深堀した内容を知りたい方に向けた記事となります。

  • 公開後しばらくの間は、筆者の気づいたことや購入者様のリクエストを受けて記事に加筆していきます。


以上をご理解いただける方のみご購入いただければと思います。
購入者様限定で質問にも答えるようにしていますので、何かあればスクショ付きでご連絡ください。
また、RTすることで割引されるキャンペーンも行っているので、ぜひご活用ください。


そこから得られたもの

ここまで、【ブレスラチェイン】をいわばディスるような話をしてきましたが、そこから得られるものもいくつかありました。

【ブレスラチェイン】のもともとの思想はもちろん、
・前期からちょくちょく採用されていた《アーテル》
・新弾で登場した《フリースタイル》
は、【アーテルチェイン】を考えるきっかけとなっています。

《アーテル》
単体のスペックが優れており、【ブレスラチェイン】においても面除去とブロッカーがVS【マジック】で強いほか、《ネバー》と合わせてループに使用したりといくつかシナジーがあり、強いとよく聞いていました。
ただし、僕個人としては、メインルートに関与(するけど)しないことに加えて、採用枚数がかなり少なく再現性の低さから、『カード単体としては信頼しているが、デッキの一部としては信頼しきれない』という評価でした。
要は、あと一歩二歩足りないという感じです。

《フリースタイル》
パーフェクト呪文なだけあって、こちらもスペックは優れており、【ブレスラチェイン】の天敵である《単騎》の処理や多面処理として一役買ってくれます。
時には《アーテル》や《レイクポーチャー》を出して受けたり、マナを増やして次のターンの受けに備えるというプランも選択できる良カードです。
ただし、手撃ちではほとんど機能しない点や、どうやっても受け札にしかならない点により、デッキパワーを下げる要因でもありました。
要は、《ディスゲ》や《ネバー》と比較し、圧が足りません。

であれば…

上記の通り、これらの単体スペックはどちらも非常に優秀で、《フリースタイル》→《アーテル》方向にはシナジーがあったので、これらを軸に構築すると良いものができあがるのでは?というのが始まりです。

詳細は採用カード解説項で行いますが、《アーテル》の蘇生効果および《フリースタイル》の射出効果をどちらも活かすために、コスト4以下のクリーチャーを軸に展開する構築を目指しました。
また、【ブレスラチェイン】の《ディスゲ》と《ネバー》のように、《フリースタイル》と双璧を成す存在として《コブラ》を採用することにしました。こちらも、コスト4以下のクリーチャーを軸にするという考えに非常にマッチしています。

肝心の『コスト4以下のクリーチャーを軸にする』という点は、【マトリクスループ】を参考にしています。
そこから、最適解となるように採用カードをブラッシュアップしていきました。

【アーテルチェイン】というデッキ名の由来

先ほど、【マトリクスループ】を参考にしたとお話ししましたが、それとは何が違うのかというと、それは『デッキ単位の考え方の違い』です。

【マトリクスループ】
手札が細く、細かくも動けないため、一撃でループを狙うため、妨害に弱い。

【アーテルチェイン】
リソースを伸ばしつつ、細かく動けるため、チェインを狙い、最終的にはループに移行します。
※詳細は、ループまでのチェイン項に記載しています。

(5/13 追加)
そもそも、ループとチェインは以下のように定義付け、区別しています。
この点は、前回記事の【ブレスラチェイン】も同様です。

ループ
『特定のカードを揃えた後、固定の手順で処理を繰り返す』

チェイン
『特定のカードを揃えるべく、異なる手順で処理を行い、目的地点(今回はループ)への到達を目指す』


構築

★重要

デッキに関する考え方は日々変化していきます。
その際、『追加分』項に記載を行っていきますので、一通り初期の考えに目を通してもらったうえで変遷を辿ってもらえればと思います。

おやつcsにて使用していた構築

裏向きは《ジャドク》
※《コダマダンス》を持ってくるのを忘れました。。。

いろいろな対面へのメタを張るために《シャッフ》を採用していました。
いくつか自由枠はありますが、まずは下記のテンプレート構築で基本の感覚を掴むのがおススメです。

テンプレート

扱いやすい

構築コンセプト

コンセプトは簡潔に、『アーテルを出したターンに勝つ』です。
これを実現するために、今回は《ステップル》を採用しており、彼女は従来の青黒やアナには存在しなかった選択肢をいくつも生み出してくれる、本構築のキモとなる存在です。

具体的な例は以下の通りです。


  1. 2tにマナ加速することで、4tに動き出すための3tの動きに余裕が生まれる

  2. 再誕のコストになる

  3. 《アーテル》の蘇生先(《デドダム》優先なので、少しネガティブ)

  4. ランデスによるチェイン補佐およびフィニッシュ


順に解説していきます。


《ステップル》を絡めることで、3tを準備にあてることができ、4tでのフィニッシュが狙いやすくなります。
パターンは以下をご確認ください。

・2t《ステップル》→3t《エナライ》→4t《アーテル》
・2t《ステップル》→3t《デドダム》→4t《アーテル》or《コブラ》
・2t《ステップル》→3t《デドダム》→4t《エナライ》→《再誕》→《アーテル》or《コブラ》
・2t《ステップル》→3t《デドダム》→4t《デドダム》→(《イザナギ》or《マトリクス》)《再誕》→《アーテル》or《コブラ》
・3t《エナライ》→4t《ステップル》→《再誕》→《アーテル》


文字通りでそれ以上でもそれ以下でもありません。
主に、《エナライ》や《コダマダンス》、《フォビッド》、《地龍神》等の呪文で動いた際に実感します。


5マナで《再誕》から入り、直接はチェインできないが1コスト分アンタップインでマナに落ちれば、《再誕》等からリスタートできる場合があります。


フィニッシュの詳細については後述するのでここでは割愛しますが、《フォビッド》のチャージャーと《ステップル》のランデスを交互に繰り返すことで、対戦相手がLOします。
《水晶の祈り》や《HD2》とは異なり、どちらも初動を兼ねていて終始腐らない点がナイスです。
また、チェインの補佐については、実例を挙げます。


状況:先手3ターン目、《デドダム》を解決中
場:《ステップル》、《デドダム》
墓地:0枚
手札:《アーテル》、《再誕》
マナ:4枚

見ている3枚のカード:《マトリクス》、《スクアーロ》、《アーテル》


見ているカードは、本来どれも手札あるいは墓地に欲しいカードになります。
ただし、(相手の妨害が入らない前提にはなりますが、)これは次ターン勝ちが確定しています。


手順
①《アーテル》を手札へ
 《マトリクス》をマナへ
 《スクアーロ》を墓地へ
②次のターン、《再誕》→《ステップル》を破壊して《アーテル》
③《ステップル》の破壊されたときの効果で、《マトリクス》を墓地へ
④《アーテル》効果で、《マトリクス》と《スクアーロ》(《マトリクス》から進化)
⑤↑がループ解説項のスクアーロループの手順①なので、手順②から続行


《ステップル》のランデスにより、不足しているパーツをマナから引っ張ってくることで、ループパーツが揃い、証明に入れるようになりました。

分かりやすくするため極端な例を挙げましたが、そうでなくとも、チェイン中に《アーテル》の墓地肥やしで《マトリクス》の2枚目が見えた場合、1枚目の(場にいる)《マトリクス》の代わりに《ステップル》を破壊し、マナの《スクアーロ》を墓地に落とし、2枚目の《アーテル》で《マトリクス》と《スクアーロ》を蘇生することでループに入れたりします。

ほかにも、1枚目の《アーテル》がマナにある場合に、《再誕》で《ステップル》を破壊して《コブラ》を出し、マナの《アーテル》を落とし、《コブラ》でそのまま蘇生したりと、痒い所に手が届くようになっています。


採用カード

《アーテル・ゴルギーニ》

デッキ名にもなっている通り、このデッキの核で、これを軸にゲーム展開を行っていきます。
チェインに必ず絡むので、一部の例外を除き、必ず複数枚キープしておきます。
モードだけでなく、離れる時にも選択が必要になるので、如何に正解を選べるかどうかが重要です。練習しましょう。


《百威と族絆の決断》

《アーテル》とは異なり、ループに直接絡むことはありませんが、
・盾からそのままチェイン
・耐えつつマナを作って、返しにチェイン
のどちらかを狙える強力なSTです。

手札から使用した際も、例えば《アーテル》×2を同時に出して、墓地肥やし×2と蘇生×2で概ね勝てたりと、能動的に動ける点も高評価です。

色も良く、すべてのモードを強く使えるので、このカードを最もうまく使えるデッキだと言えます。
最早、このデッキのために生まれてきたのでは?

ブロッカーを与える効果は忘れがちですが必ず覚えておきましょう。


《忍蛇の聖沌 c0br4》

《アーテル》の5枚目であり、《フリースタイル》と合わせて8枚のカウンター札です。

従来の型だと、《再誕》からこれをプレイするのはハードルが高めでしたが、リソースを伸ばすプランをとれるこのデッキでは、プレイする難易度はそこまで高くないため、《アーテル》の5枚目としての運用が可能になります。

受け札としても、【COMPLEX】のそれとは異なり、《アーテル》以外にも《マトリクス》や《イザナギ》も解答札になりうるのがこのデッキのすごいところです。
このカードもこのデッキのために生ま(ry


《終斗の閃き マトリクス》

《アーテル》から《再誕》を使用するためのクッション役です。
基本的にはどこかで1枚見えれば常に使い続けられるので、《イザナギ》とのハンドキープで迷った際は、2枚目を拾える可能性がある《イザナギ》を優先して持つケースが多いです。
※手札と墓地で既に完成している場合は除く。

チェイン中以外にも、道中で《エナライ》や《地龍神》を再使用し、リソースを伸ばす動きにも使用することがあります。

ちなみに、マナゾーンのカードを裏返す効果を使用することはありません。


《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》

後述する『スクアーロループ』のうち、唯一、チェイン中に手札にしかいないと厄介ですが、《エナライ》として使用することでリソースを伸ばしつつ墓地に予め保存しておくことが可能です。
また、3tに使用すると従来の型では4キルができませんでしたが、《ステップル》を採用することで、2tマナ加速時だけでなく、4t《ステップル》から《再誕》へと繋げられ、4キルルートが残ります。

NEO進化するかどうかについては、基本的には進化した方が一度の破壊で2体を墓地に送れるので、お得なケースが多いです。


《緊急再誕》

このデッキが細かく動けるのはこれのおかげで、2tマナ加速→3t《エナライ》→4t《デドダム》→《再誕》という動きが可能で、ここまでくるとかなり下準備は万全で、高確率で4キルを達成します。

STを持っているので、ある一定のラインまでマナが伸びると《フリースタイル》と《コブラ》の8枚に続き、9枚目以降のカウンター札にもなります。

これは完全に余談ですが、こいつもあの『聖拳編(DM-10)』出身です。そろそろ怪しくなってきましたね…。
ちなみに、同期は彼らです。
・《黒神龍ブライゼナーガ》
・《無双竜機ボルバルザーク》
・《転生プログラム》
・《困惑の影トラブル・アルケミスト》
・《魔天降臨》
・《母なる大地》
・《セイレーン・コンチェルト》
・《スパイラル・ゲート》
・《暴発秘宝ベンゾ》

ヤバイヨ

《蝕王の晩餐》

基本的に《アーテル》は手札に抱えるため、最初にこれを使用するケースは少ないですが、《アーテル》や《コブラ》がハンデスされたり、チェインの過程で墓地に行った際に、ベクトルの異なる《再誕》として使用することでループへと容易に移行することができるようになります。

とはいえ、初手からキープし続けることは難しく、基本的にはほかのパーツの方が優先度が高いので、マナにおいてしまうことが多いです。

かといって、1枚あることで対応の幅がグッと広がるため、減らすこともない、そんな1枚です。

《デドダム》スタートができていると、それを破壊し《イザナギ》や《マトリクス》、《スクアーロ》が蘇生できたり、《ステップル》を破壊し《デドダム》を出すことで、マナ数を維持しつつ必要なパーツを各所から集める小技もあったりします。

また、《コブラ》が墓地におらずとも、《アーテル》を対象にしつつ、置換効果により《コブラ》を破壊することで、《コブラ》を蘇生できます。かなり使用しますので、覚えておきましょう。


《蒼狼の大王 イザナギテラス》

ループでは不要ですが、チェイン中に1枚絡むとルートが増え、事故率軽減に一役買ってくれます。
後述しますが、
・ループへと移行するためにはあと何が必要か
・どれの期待値が一番高いか
・一度見たカードが山札のどこの位置にあるか
を常に意識しておくと、最大限効果を発揮できるので、練習しておきましょう。

よくあるケースで、《スクアーロ》を掘りに行ったあと、それを《エナライ》として使用して墓地に落としてしまってよいのか、それとも《再誕》で《スクアーロ》として出した方が良いのかはよく検討してください。


《桜風妖精ステップル》

魅力は充分説明したので、詳細はここでは割愛させていただきます。
改めてざっくりいうと、
・生き物であること
・ランデス効果があること
を踏まえると、右に出るものはいません。

また、現環境で早期にこれを破壊してくるのは【アビス】くらいで、それらに対してはリソースを伸ばすことを優先するので、そもそも出しません。
※一応、《ナポレオン》の呪文側で破壊されます。

《エスメル》も採用候補ではありますが、こちらではなく、役割の被る《コダマダンス》との選択になります。


《禁術のカルマ カレイル / フォビッド・水晶チャージャー》

《ステップル》と合わせてフィニッシュのパーツとなります。
従来の構築では、《水晶の祈り》や《HD2》を使用することが多いですが、それらはほとんどの場合にそれ以外の役割を持ちません。
それに対しこれは初動としての役割を持つほか、5マナからチェインに入る際、安全に6マナを作ってから入れるようになります。
※6マナになると、《再誕》から《コブラ》が出るようになります。
これにより、3ターン目までの初動は、《エナライ》まで含めると16枚採用となります。

非チェイン時、マナ加速だけでなく、《アクアベララー》として相手の妨害ができるのも良し、自身のパーツを集めるのにも良し、《カレイル》でVS【グラスパー】の(《パウワー》を割り切って)妨害するも良し、です。


《コダマダンス・チャージャー》

《フォビッド》の盾落ちケアとしての役割です。
VS【アビス】を考慮し、的を作らず手札枚数を維持できるこちらを優先していますが、《エスメル》や《ジャドク》等と選択枠です。

また、小技として、《フリースタイル》で埋めた盾を回収することで、限定的ではありますが、任意のカードを回収することができます。


《天災 デドダム》

《フリースタイル》の採用に伴って、無理せずに採用できるようになりました。
以前、【ブレスラチェイン】は世界で2番目に《デドダム》を強く使えるデッキだと言いましたが、このデッキは、《再誕》のコストになるので、3番目に強く使えるデッキかもしれません。

まじめな話をすると、このデッキはコンボデッキなので、状況に応じて必要な個所に必要なカードを流せるこのカードは、採用しない理由がありません。


《地龍神の魔陣》

序盤はマナ加速、中盤以降は手札調整、チェイン前は安全に6マナ準備をする、と終始役割を持てるため、他の2コストよりも優先して採用しています。
しかし、多色であることや《ステップル》自体の役割の多さからそちらの5枚目以降としての意味合いが強いです。


採用候補カード

《奇天烈 シャッフ》

メインのルートとは一切絡まないためテンプレート構築では採用していませんが、こちらの苦手とするデッキあるいは動きに対する牽制札です。
あるとないとでは対応力に差が出ますが、フルパワーはそれはそれで強いのでなくても良いです。

また、極稀にしか発生しないケースですが、《フォビッド》と《コダマダンス》が両方盾落ちしたり、《悠久》が入っている構築に対して、無限《シャッフ》で呪文をロックして殴り倒すプランも存在しています。


《飛翔龍 5000VT》

《シャッフ》のようにVS【巨大天門】や【5c蒼龍】には役割を持たないですが、VS【COMPLEX】や【グラスパー】にはより効果的に使用できます。

VS【赤青マジック】や【黒緑アビス】には、状況次第で刺さり具合が変わってくるので何とも言えませんが、カードパワーだけで見るならこちらの方が上ですし、環境をみて選択すると良いですね。


《天体妖精エスメル /「お茶はいかがですか?」》

2コストのマナ加速要員かつ盾回収要員として、採用の余地があります。
マナ加速としては、《ステップル》のメリットが大きいのでそちらを優先したいですが、《地龍神》と入れ替えるのはなしではありません。(青マナが減るので要検討)
また、盾回収要員として、《コダマダンス》と差し替えるのもありですね。
※回収した盾は、《ステップル》で墓地に送りましょう。


《邪魂転生》

《アーテル》から《イザナギ》と《マトリクス》を出し、《イザナギ》の効果で使用すると、(横も巻き込んで)複数枚ドローし、パーツを引き込みつつ、《マトリクス》→《再誕》でループに移行できる確率がグッと高まります。
《アーテル》+《イザナギ》+《マトリクス》のみが場にいる状況で《イザナギ》から《邪魂転生》を使用する場合、《マトリクス》で使用する《再誕》のコストを残しておくために《イザナギ》と《マトリクス》の2体を破壊しがちですが、《アーテル》も対象に含めつつ、置換効果によりそのどちらかを破壊すれば、盤面に《アーテル》を残しつつ6ドローすることが可能です
そもそも、2面破壊できるの自体便利です。
また、VS【黒緑アビス】では面を残さず一気にリソースを回復できるので、ここを見るならなおさら採用を積極的に検討したいです。


ループ解説

本構築で使用するループは、目的別に分類すると
スクアーロループ
X(cip/pig)ループ
の2種です。
①②をもとにフィニッシュを組み合わせることで、好きなクリーチャーの出たとき(cip)と破壊されたとき(pig)の効果を好きな回数使用することができるようになります。
その結果、対戦相手をLO(山札が0枚になり敗北)させて、ゲームに勝ちます。


スクアーロループ

概要
これを証明できると、《スクアーロ》の効果を好きな回数待機させることができるので、以降は任意のタイミングで『ブロッカーをバウンスする』ことができるようになります。
※ブロッカー⇒《アーテル》

初期盤面
場:《アーテル》
墓地:《マトリクス》、《スクアーロ》、《再誕》
手札:《アーテル》

待機効果:《アーテル》

手順
①《アーテル》効果で、《マトリクス》と《スクアーロ》(《マトリクス》から進化)
②《マトリクス》効果で、《再誕》→《スクアーロ》を破壊して《アーテル》
③《アーテル》効果で、《マトリクス》と《スクアーロ》(《マトリクス》から進化)
④《スクアーロ》効果で、《アーテル》2体をバウンス
⑤《マトリクス》効果で、《再誕》→《スクアーロ》を破壊して《アーテル》
⑥初期盤面に戻りつつ、①で出した《スクアーロ》の効果が待機中なのでストック+1


X(cip/pig)ループ

概要
これを証明できると、Xの効果を好きな回数待機させることができるので、以降は任意のタイミングで『Xの出たとき/破壊されたときの効果を使用する』ことができるようになります。
⇒この後はフィニッシュへと移行しますが、事故を防ぐために、いくつか気を付けた方が良いポイントがあります。
「《イザナギ》未使用時は、山下にフィニッシュパーツが落ちることをケアするために、《ステップル》でマナの《イザナギ》を墓地に送って山下固定を行う」「《フォビッド》と《コダマダンス》両方の盾落ちケアのため、強制的に山札を削る効果は少しずつ行う」等です。

初期盤面
場:《アーテル》
墓地:《マトリクス》、X(任意のクリーチャー)、《再誕》

待機効果:《アーテル》、《スクアーロ》×100万回(スクアーロループ参照)

手順
①《アーテル》効果で、《マトリクス》とX
②《スクアーロ》効果で、《アーテル》をバウンス←《アーテル》の置換で代わりにXを破壊
③《スクアーロ》効果で、《アーテル》をバウンス
④《マトリクス》効果で、《再誕》→《マトリクス》を破壊して《アーテル》
⑤初期盤面に戻りつつ、①で出したXの効果が待機中なのでストック+1
※Xの代わりに《アーテル》のパワー修正もしくは墓地肥やしでも可。その際、手順②をスキップ。


フィニッシュ

概要
これを証明できると、対戦相手の山札を1枚ずつ墓地に送れるので、そのままLOにより勝利します。
「《ステップル》のブーストにより、こちらの山札が先に無くなってしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、マナ加速の効果は誘発したまま待機させておくことで回避できますのでご心配には及びません。

初期盤面
墓地:《ステップル》
マナ:《フォビッド》
待機効果:《マトリクス》×100万回、(X(cip/pig)ループ参照)

手順
X(cip/pig)ループにより、《ステップル》のpigが好きな回数使えることの説明
②《ステップル》効果で、マナの《フォビッド》を墓地へ
③《マトリクス》効果で、墓地の《フォビッド》で相手の山札を1枚墓地へ、《フォビッド》はチャージャーでマナへ
④初期盤面に戻りつつ、③を繰り返すことでLO
※この際、強制で山札を減らすカードは、事故防止のため、証明後に1回ずつ処理する方が無難です。


ループまでのチェイン

このデッキが【サガ】や【グラスパー】等のループデッキとは異なる(というかややこしい)点として、ループが確定するまでにかなりの数のルートが存在する点が挙げられます。

例に挙げた2種は、特定のカードが揃ったタイミングで即座にループ証明が行えましたが、このデッキは、見切り発車後にいくつかの手順を経て、ループ証明に入るケースがほとんどです。
デッキ名が【アーテルループ】ではなく【アーテルチェイン】なのは、こういったことも理由のひとつですね。

で、上述の通り、「ルートはいっぱいあるんだよ~」とだけ言われても「それを教えてくれ!」となるのは明白なので、特定の手札におけるチェインルートをまとめてみました。こちらです。

画像左上の条件にある通り、開始前の手札が
《アーテル》、《イザナギ》、《マトリクス》、《再誕》の計4枚で
場・手札・墓地に既に存在している他のカードは使わない前提で、最終的には桃色の『スクアーロループ』への到達を目指すためのフローチャートになります。
解決中の効果の発生源により、色を変えてみました。
※画像左下に注釈アリ

途中でいくつか存在する条件分岐については、『スクアーロループ』への到達可能なもののみを列挙しています。該当するものがなかった場合には、状況に応じてリカバリーが必要です。

見てもらえればわかる通り、ある特定の初期条件のみを抜き出しても、それなりの数のルートが存在しています。
実際には、「6マナあれば《コブラ》を絡められる」「《ステップル》があればマナを絡められる」「《ダンタル》があれば、条件が緩和される」等、書き切れていないルートも存在します。

さらに、初期条件が異なればルートもまた変わってくるのですが、そのすべてを書き出すことは、このデッキを使ううえでも、可読性の面でもあまり効果がないと考えているため、割愛させていただきます。
結局のところ、大事になってくるのは、このように様々なルートが存在しているので、ループを成立させるためには何が足りておらず、どのように組み立てれば良いのかを感覚で掴むことです。
実際の対戦では、練習では経験していなかったパターンに遭遇することも多いため、暗記力ではなくアドリブ力が求められます。

ですので、↑のフローチャートはあくまでも一例として、感覚を養うために活用していただければと思います。

ただし、以下に関しては、使用するうえで必ず覚えておいた方が良いルートなのでご紹介しておきます。


《アーテル》の2枚目を探すループ

概要
『スクアーロループ』には《アーテル》が2枚必要で、探しに行くために何かしらチェインが必要になりますが、特定の条件が揃えば、一部例外を除き、確定でループへと移行できるようになります。

初期盤面
場:《アーテル》
墓地:《マトリクス》、《スクアーロ》、《再誕》
手札:《コブラ
マナ:6マナ

待機効果:《アーテル》

手順
①《アーテル》効果で、《マトリクス》と《スクアーロ》(《マトリクス》から進化)
②《マトリクス》効果で、《再誕》→《スクアーロ》を破壊して《コブラ》
③《コブラ》効果で、《マトリクス》
④《スクアーロ》効果で、《アーテル》と《コブラ》をバウンス
⑤《マトリクス》効果で、《再誕》→《マトリクス》を破壊して《アーテル》
⑥初期盤面に戻りつつ、③で出した《コブラ》の効果により、1週ごとに2枚の墓地肥やしが可能
⑦⑥を繰り返し、《アーテル》が墓地に落ち次第、『スクアーロループ』へ移行

その他、《ダンタル》を使用したループも存在しますが、必要パーツが『スクアーロループ』とほぼ被っており、パーツが揃い次第そちらへすぐに移行することになるため、ここでは割愛します。


立ち回り

基本事項

どの相手にも、可能な限り早くチェインからループへの移行を目指します。
現環境の速度的に、大体の猶予は先手であれば5t、後手であれば4tが理想なので、それに間に合うように動きを逆算して立ち回りましょう。

また、使用するうえでのコツを以下に列挙しておきます。
・各種チェインパーツの手札キープの基本的な優先度
⇒《アーテル》>《再誕》>《イザナギ》>《マトリクス》>(6マナあれば)《コブラ》>(《ダンタル》>)《スクアーロ》

・《アーテル》や《再誕》は、手札にスペースがあるのであれば、複数枚抱えておきたい。
⇒パーツ欠損時に、《イザナギ》や《マトリクス》経由でチェインの続行を狙えるため。

・《ダンタル》のキープ基準
⇒ハンデスされそうな相手であったり、《アーテル》の墓地肥やしが必要そうなとき。

・《マトリクス》の重要度
⇒1枚目の《マトリクス》は迷わずにマナにおいてしまうことが多いです。
2枚目についても、《イザナギ》がある場合はそちらを優先するケースが多いです。手札に《アーテル》×2と《再誕》がある場合は、《マトリクス》を優先。《アーテル》×1と《再誕》×2の場合は、《イザナギ》優先です。

・見切り発車
⇒《エナライ》使用時以外だと、すべてのループパーツが揃ってから開始するのは稀で、ある程度のパーツが揃っていれば見切り発車する方が普通です。《イザナギ》や《アーテル》の墓地肥やしである程度非公開領域に触るので、期待値を意識しつつ回していきましょう。


VS【黒緑アビス】

相手の練度次第で、相手が徹底的にケアしてくる場合は不利ですが、そうでなければ有利です。

まず大局観としては、「増えたリソースと中途半端なハンデスを利用して、チェインに入る。」です。

こちらがされて嫌なことは、《マーダン》や《テレスコ》で手札を枯らされつつ、《マクア》で墓地リセットです。
一応、《マーダン》での墓地ケアも嫌ではありますが、《デスロード》と当て先がいなければ盾に来てくれるので、全然マシです。

そのため、こちらは基本的には、以下の点を意識します。
①リソースを伸ばす。
②的を極力作らない。
③同名パーツを墓地だけに集約しない。

具体的には、《エナライ》>《デドダム》の優先度で動き、リソースを伸ばしつつ当て先を作るのを遅らせることで、こちらのリソースを奪取してくる速度を遅らせます。
また、同名カード(特に《スクアーロ》)を墓地にだけ固めないことで、相手に複数回の墓地リセットを強要します。

とはいえ、裏目はあるものの《デドダム》で得られる恩恵もかなり大きいため、出すのを渋る必要はありません。相手が《マクア》と《デスロード》を持ち合わせていないのであれば、得でしかありません。

そのほか気を付けたいポイントは以下の通りです。
・チェイン直前以外で《ステップル》を使用しない。
⇒手札のリソースを切ってマナを伸ばすことに旨みがないことに加え、倒されると手札が1枚奪われたのと同義かそれ以上の損害になります。《地龍神》についても、無理には使用せず、まだ見えていない《エナライ》や《デドダム》を探しに行ける手札交換カードとして運用しましょう。

・《シャッフ》や《VT》を手札に抱えない。
⇒《マーダン》で奪われて、リソース奪取の猶予を作られる。

・《コブラ》の扱い方
⇒《アーテル》をハンデスされても《コブラ》を一緒に持っているとリカバリーが利きますが、その反面、《マーダン》で《コブラ》を利用され、《マクア》や《ジャガイスト》にアクセスされやすくもなってしまいます。メリット・デメリットどちらも存在するので一概には言えませんが、意識しておきましょう。経験則的には、『中途半端なハンデス』を咎められるため、手札に持つ方が良い気がしています。

・ほか対面よりも《ダンタル》をキープすることを意識する。
⇒《アーテル》がハンデスされたものの即墓地リセットされない場合に、《イザナギ》や《マトリクス》から蘇生可能です。《ダンタル》自体が《マーダン》にハンデスされないのもナイスです。

・チェインのキャンセル
⇒ループへと移行できない場合のチェインのキャンセル時は、《スクアーロ》を出し、《アーテル》や《イザナギ》、《コブラ》を手札に返せると、リソースを回復できるだけでなく《スクアーロ》を場に保存しておけるため、自ターンでのリスタートが決めやすくなります。

ここまでいろいろ述べてきましたが、先3《ジャガイスト》+有効2枚はかなり厳しいです。
(乗り超えられるデッキの方が少ないと思いますが…)


VS【赤青マジック】

相手が先手かつ《コルフレ》が絡むと厳しい戦いを強いられますが、そうでない場合は《単騎》または《ファイナルストップ》が絡むかどうかと、その時の盾の噛み合いゲーになります。

先手を取った場合、2tマナ加速から《イザナギ》によるブロッカーで、相手側に2t2c→3t《コルフレ》1ストップ2ドロー+《カラクリバーシ》+《ファイア》+《カクメイ人》のセットを要求したり、《シャッフ》によりリソースを伸ばす動きを牽制できます。

後手の場合は、相手の3tが自由なため、先に攻められたり《コルフレ》で準備されたり等で、一度受ける展開になりがちなので、総じて微不利程度だと感じています。

そのほか気を付けたいポイントは以下の通りです。
・《イザナギ》は積極的にプレイする。
⇒こちらがリソースを失うことは絶対なく、相手に少しでもドローする隙を与えないために、ブロッカーを立てておきましょう。

・《ヒメカット》の存在
⇒《エナライ》がパクられます。いくらこちらの手札が悪くても、撃たないが吉です。

・《VT》に怯えない。
⇒後から引いてきた分には仕方ない部分がありますが、逆に言えば初手からキープする余裕はありません。相手が前寄せではなく後ろ寄せでゲームを作ってくる(《VT》をキープしてくる)分には、先にチェインして終わらせてしまうか、《アーテル》で《VT》のコストをズラしながら準備を整えます。
その過程で《VT》が直撃してしまうのは割り切ってしまって大丈夫です。
※もちろん、ケアできるならしますが、優先度との相談です。

・《シャッフの宣言》
⇒《ファイナルストップ》が見えていたとしても「3」宣言で大丈夫です。
ただし、相手の場に既にクリーチャーが2体以上並んでいる場合には「4」宣言で、《単騎》を割り切り、盾に任せた方が良いです。
※呪文ロックが消えた後に盾に期待することになるが、1枚は心もとない…。そうでない場合は、呪文ロックされ盾が2枚ないしは3枚持っていかれる場合でも、《コルフレ》や《ファイア》を使用させないことで、手札を整えるのを阻止します。


VS【巨大天門】

【黒緑アビス】や【赤青マジック】とは異なり3tでゲームを終わらせられることはありませんが、その代わりに、4t目を渡すと《スターゲイズ》があれば、多種多様なメタクリに破壊されてしまいます。
逆にそれさえなければ勝てるので有利だと考えています。

相手視点でも、こちらが回らないことを祈るゲームなので、基本的には速度一点勝負ですが、《シャッフ》を採用している場合は、もう少しこちらに傾きます。
《シャッフ》を後手3tや先手4tにプレイした場合に「5」宣言するのはもちろんですが、先手3tにプレイできた場合は「3」宣言し3tマナ加速を阻止することで、手札1枚消費で2ターン分もらうことができます。その際、4tで攻撃する必要はありません。4tはマナ加速しかできないからロックする意味はなく、STの《天門》や《サイフォゲート》で返されるリスクが大きいため。


VS【5c蒼龍】

【巨大天門】と同じく、速度勝負なので有利対面です。

【巨大天門】とは異なり、3tのマナ加速に《デドダム》がいるため、先手3tで《シャッフ》をプレイする旨みはありません。
《ディスゲ》の採用枚数からしても5マナの《ディスゲ》→《チョイス》→《ドルファ》は割り切りで問題ありません。例え《ディスゲ》から入られても《ベン》止まり等、《ドルファ》が出ないのであれば関係ありません。

ただし、一度《ドルファ》や《キーナリー》が出ると、《フリースタイル》で除去こそできるものの、間髪入れずに後続が出てくるので、概ね負けになります。


VS【ブレスラチェイン】

【5c蒼龍】と同様です。
残念ながら、こちらのデッキの方が速度も再現率も高いです。


VS【グラスパー】

同じく速度勝負で、こちらの方が早いです。

ただし、《マンハッタンの心絵》が出てくると詰みなので、それだけは割り切りです。


VS【COMPLEX】

《シャッフ》と《VT》が重いですが、採用枚数と先手後手を考えると有利寄りだと考えています。

ただし、《COMPLEX》+《シャッフ》を揃えられると、リミットまでに返しきるのが難しく厳しいものがあります。
これらに対しては、こちらの《シャッフ》の「1」宣言と《アーテル》の制圧力、《フリースタイル》の除去でコントロール勝負を仕掛けていきたいです。
特に、相手の《シャッフ》を《フリースタイル》で墓地に送らず除去するのは非常に大事な要素になってきます。
《COMPLEX》がいない、あるいはまだ猶予がある場合は、《シャッフ》の宣言は「1」ではなく「4」で相手の《シャッフ》自体を止めましょう。

余談ではありますが、先日準優勝したおやつcsでは、《COMPLEX》+《シャッフ》+《VT》+《アーテル》を返して勝利しました。

追加分

5/13

(前置き)
5/3・4に行われたはっちcsにて友人2人がこのデッキを使用してくれており、そのうち一人が《邪魂転生》採用型でした。
そのときの採用枚数は2枚でしたが、《邪魂転生》がかなり強いとフィードバックをもらえたことがきっかけで、そちらを考えていました。

そして、5/11(土)、本来であれば大会運営の予定でしたが、中止になってしまったので、急遽CSに参加してきました。
(記事への追加が遅れてしまい、申し訳ございません。)
その際使用していた構築が以下のものです。

4キルを連発し予選はあがったものの、本戦で友人とのミラー勝負に後手敗北

テンプレート構築から大きく弄った点は以下の通りです。
①足回りの強化
・《イザナギ》を3→4枚
・《邪魂転生》を0→3枚
・《スクアーロ》を4→2枚

②フィニッシュ絡みの変更
・フィニッシュ:《フォビッド》→《HD2》
・盾落ちケア:《コダマダンス》→《エスメル》

そして、(本記事内では)これを最新のテンプレート構築とします。

《邪魂転生》
『構築-採用候補カード』項でも解説しましたが、面に残った(残ってしまった)カードを墓地に送りつつドローできるのが、このデッキと非常に嚙みあっています。
早い話、《アーテル》を出した段階で、《イザナギ》・《マトリクス》・《再誕》が墓地にある場合(←《邪魂転生》を採用してようとなかろうと目指す)、《イザナギ》から《邪魂転生》で3体破壊(←置換で《アーテル》残し)しつつ6ドローし、そこに《アーテル》があればそのまま《再誕》→《アーテル》とチェインができます。
この時、最後の《アーテル》から出る分も含めると《イザナギ》の効果を3回使用し、なおかつ6ドローもしているので、かなり質の高い手札を作れているはずで、上記の動きができた場合はほぼほぼ勝っているはずです。

また、この動きをする際に《アーテル》が1~2↑枚必要になってきますが、2枚目以降の代わりになるのが《コブラ》で、それを3tまでに出した《ステップル》や《デドダム》を《マトリクス》と一緒に2体目の《アーテル》から出すことで6マナに到達させてプレイアブルにすることができるのも【アーテルチェイン】ならではの動きです。

このカードの積極的な採用により、《アーテル》を破壊する頻度が増えたので、《ダンタル》の使用頻度および貢献度もかなり上がっています。
※これにより、プレイ難度もさらに上がっていますが…
⇒「《アーテル》を残すのか?」「4コストを残して《ダンタル》に備えるのか?」「あと何枚カードを引きたいのか?」etc…

そして、上記の動きの再現性を可能な限り高めるべく、《イザナギ》の枚数を最大枚数4枚しっかり積むことにしました。ループに直接絡むことはありませんが、「動き出しの補佐」「VS【赤青マジック】への抵抗」「チェインの安定感向上」と、デッキの軸だったので減らしていたのが間違いでした。

また、常々気になっていた点として、4tの《イザナギ》や《マトリクス》から《エナライ》を使用した場合、それらが盤面に残ることがかなり微妙でした。単純に「《アーテル》から蘇生できない」←これに尽きます。
その点、《邪魂転生》が引ける枚数は《エナライ》と同等かそれ以上で、かつそれらを墓地における(≒リソース確保)ので、その出力の差は一目瞭然です。
※ついでにVS【黒緑アビス】のマッハファイターのケアにもなります。

これらの理由から《エナライ》よりも《邪魂転生》と《イザナギ》の需要が高まり、このような枚数変動が起きました。

フィニッシュ絡みの変更
これについては、主目的ではなく①の"ついで"で変更が発生しています。
デッキリストを見てもらえればわかりますが、左・上から順番に《ダンタル》までで緑の枚数が4枚で、デッキの残りの枠が10枠です。

N=14
 ⇒先手2t:70%
  先手3t or 後手2t:79%
  後手3t:86%
○N=13
 ⇒先手2t:65%
  先手3t or 後手2t:75%
  後手3t:82%
○N=12
 ⇒先手2t:59%
  先手3t or 後手2t:69%
  後手3t:77%

※N=19(←【黒緑アビス】)
 ⇒先手2t:89%
  先手3t or 後手2t:94%

N枚採用されているカードを特定のターンまでに2枚引く確率は以下の通りです。

余っている枠をすべて振り切った14枚でこの確率なので、可能な限り高めるために残りをすべて緑に回します。
その影響でこのように変更されていますが、《エスメル》と《HD2》ともに《邪魂転生》と相性が良いので、ついでといいつつもそこまでネガティブではありません。
前者は、(先手であれば妨害が入ることもなく)3tに《イザナギ》か《マトリクス》から繋げることであて先を消しつつ4ドローでどっしり構えられますし、後者は、5t始動前提でリソースを大きく伸ばしたり、3t《ラルド》→4t《再誕》→《マトリクス》→(《HD2》で自身のマナ加速)→《コブラ》等、悪くない動きが取れます。

また、フィニッシュについては、『ループ解説-X(cip/pig)ループ』項のXを《エスメル》や《ラルド/HD2》に差し替えるだけでOKです。
※マナ回収の役割は、《ステップル》のままです。

《ステップル》を1枚、《リライフ》にしているのは、テンプレート構築から《地龍神》を外したことによる受け札減少へのささやかな抵抗なので、2:2までであれば好みで決めてもらって問題ありません。
※僕自身は、盾回収がマナに置くようになったことを考慮して、《ステップル》を1枚埋めてしまうと、次の《ステップル》・《エスメル》・《HD2》をマナに置く際にかなり慎重にならないといけなくなるため、2枚ではなく3枚残しています。

6/1

環境
使用率が参加者の50%となるcsもあるくらいに【マジック】の使用者が多く、以前よりもさらにしっかりと意識する必要がありますし、それ以外にも【ゴスペル】の母数も増えてきたことで、そちらにも意識を向ける必要が出てきました。
特に前者について、《ナポレオン》と《VT》の採用枚数が3枚ずつに近づいてきたのもポイントです。

また、《フリースタイル》を採用せずにブーストをしっかりと採用した【マトリクスループ】の入賞を見かける機会も多いですが、GSによる受けがあるとはいえ、VS【マジック】や【ゴスペル】への耐性が下がっており、環境的にはこのトレードオフは適切ではないと考えています。

コンセプト
前回構築を踏まえ、《邪魂転生》のチェインへの貢献度に着目し、初期に引いた1枚目を捨てても次の1枚目をちゃんと拾える(無理にキープしなくても良い)ように、3→4枚をベースにすることを初めに考えました。

実際の使用感はやはり良く、それに伴い、初動として《エスメル》をしっかり採用し、2t《エスメル》→3t《イザナギ》→《邪魂転生》と繋ぐことで4tでのチェインの再現性を大幅に高める構築を考えるに至りました。
しかし、それを実現するためには《フリースタイル》を減らす等して、前のめりの構築にする必要があり、それ自体は悪くないものの環境に適していないと判断し取り下げることになりました。

以上の前提を踏まえた上で、5/25,26に行われたトレカフェスcsにて使用した構築について解説していきます。
戦績は通算12-3で、特筆すべきは、
VS【マジック】:6-1
VS【ゴスペル】:3-0
という結果です。

構築

《ベイB セガーレ》

簡潔に言うと、《シャッフ》の緑かつ強い版です。
問い合わせをいただく中で多かったのは、VS【マジック】や【ゴスペル】をみて《シャッフ》を採用したいというものでした。
初期の構築では採用候補カードとして挙げており、おやつcsでは実際に使用していましたが、《イザナギ》と《邪魂転生》をデッキの軸に変えた都合で、自由枠には緑がほぼ必須となってきていました。

そんななか白羽の矢が立ったのが《セガーレ》でした。
《シャッフ》とは異なり、呪文そのものを止めることはできませんが、デッキの核である《カラクリバーシ》や《カクメイジン》、《ゴスペル》の着地を牽制することで、相手のビッグアクションのターンを遅らせることができ、その点においては、《シャッフ》と同じ役割が期待できます。
そして何より、1コストというのが非常に重要なポイントで、先手後手やマナ加速の有無を問わずプレイできますし、5マナ時に《イザナギ》から始動したもののチェインが途切れてしまった場合の緊急措置として後から添えて次につなげることもできます。
この点は、《シャッフ》ではできないことであり、緑であるということも相まって、採用することになりました。

VS【マジック】
相手が《セガーレ》を突破する手段は以下の通りです。
・《ヒメカット》の呪文面でのバウンス
・《ナポレオン》の呪文面での破壊
・《ナポレオン》や《VT》の軽減効果による除去
手段だけで見れば、採用枚数のこともあり難易度はあまり高くありませんが、これらにより《セガーレ》を除去しようとすると、そのターン、自身の手札を回しづらく、結果、攻めてくるまで1~2ターンもらえることが多いです。
無理に突破することもできますが、たいていの場合は、受けのハードルが下がるので、ラッキーだと考えて良いでしょう。
余談ですが、ブースト型を使用した際のVS【マジック】の戦績や所感については、こちらの記事が参考になるので、よければご一読ください。

また、《イザナギ》や《アーテル》は、単体だと《コルフレ》や《やせ蛙》によりブロッカーとしての役目を果たせないことも多かった(※)のですが、《セガーレ》を横に添えることで、『ブロッカーのケア+《カクメイジン》を通すための除去』の要求を越えなければこちらに届かないようになります。
 ※これが一因で2ブーストへの信頼が低い

それ以外にも《アーテル》や《デドダム》、《イザナギ》でリソースを伸ばしたり、それこそ《シャッフ》による延命プランを選択した際に《VT》が直撃して機能停止しがちでしたが、それを回避できるのも偉いところです。

また、似たカードである《キャディ》との比較は、こちらは破壊されても蘇生できたり、低コストの恩恵で4+1のように隙間でさすことができ、取り回しが非常にしやすい点に軍配が上がります。
《キャディ》の良い点は、破壊されるとマナに行くことを利用して《邪魂転生》で破壊することで疑似マナ加速として使用できる点です。
しかし何より、パワー1000と6000の違いは見た目以上に大きく、《VT》下でも出るのは副次的なものですが、VS【ゴスペル】において『《バッドドッグ》に破壊される/されない』の違いには天と地ほどの差があります。

VS【ゴスペル】
相手が《セガーレ》を突破する手段は以下の通りです。
・墓地呪文7かつ5マナで、《ゴスペル》(《セガーレ》を除去)→《キリモミ》→《ゴスペル》
・墓地呪文4かつマナ7で、《超絶》(《セガーレ》を除去)→《キリモミ》→《ゴスペル》
のどちらかが必要です。
《ストップ》と《セガーレ》で睨み合いになった際は、《デドダム》や《イザナギ》、《アーテル》を駆使し、可能な限りリソースと打点を伸ばすことを意識し、リーサルをチラつかせつつ、呪文ロックが外れたタイミングでの即時チェインの二方向から圧をかけていきたいです。

VS【アビス】
基本的には刺さりませんが、一部展開では超強力な動きができます。
○前提
自分が先手もしくは相手のブースト欠損時限定
自2t:《セガーレ》
相2t:ブースト
自3t:《デドダム》
相3t:《セガーレ》により《ちかほし》や《ギフト》でのビッグアクションができない
自4t:《デドダム》や《イザナギ》、《マトリクス》、《アーテル》を経由し、《邪魂転生》で《マクア》の当て先を消しつつ墓地を作りながら6↑ドロー

他にも【天門】や【5c】のビッグアクションも大きく牽制しつつ、処理されてもマナリソースへと変換されるため、腐る対面の少ない両カードです。
その割に採用枚数が2枚だけなのは、これだけ強力なカードであっても、自身の動きには何ら関与しないため、強いときに強く使えれば良い認識です。このデッキは準サーチや大量ドローにより、デッキの回転率がそれなりに高いことも理由の一つです。

《フリースタイル》
VS【マジック】に対して、《黒ギアラ》や《あまいぞ~》、《ハヤブサ》等を検討していましたが、これ以上に1枚のバリューが高いカードが見つかりませんでした。
2コストGSブーストについても同様で、特に後手のときに踏んだとて何も解決しないのがあまりに微妙でした。
また、相手の先手3で踏んだ時は、次のターンのカウンターを狙うため、2回とも盾&マナ追加を選択し受けを作りながら5マナへジャンプすることが多いです。

《邪覇》

《フリースタイル》の項でも触れたことや、2→4《イザナギ》の動きがVS【マジック】においてそこまで有効でないことに気付き、ブースト枠の再検討を行いました。
今回、検討の際に重要視していたのは質の高さです。
・《ステップル》
初期の構築で解説していた通り、チェインへの貢献度は高めですが、【マジック】の《ナポレオン》や《VT》の採用枚数増加や、【ゴスペル】の増加による《バッドドッグ》等、裏目が目立つ機会が増えてしまい、環境的にはミスマッチです。

・《エスメル》
緑の盾回収として1枚は採用するものの、多色枚数や受け札とのアンチシナジーを考慮し、こちらもメインとしての採用は見送ることになりました。ただし、環境が後ろに寄ることがあれば、再考の余地ありです。

・《リライフ》/《地龍神》
可もなく不可もなく枠です。
質の高さでは《地龍神》が優先ですが、デッキ内の多色の枚数との相談です。

・《邪覇》
2tで動けないかわりに質が高いので採用しました。
以下は、手札からプレイした時に発生するリソース獲得数です。
《デドダム》:場・手札・マナ・墓地の±3
《デスイキル》:マナ2・墓地の±2
《邪覇》:マナ・墓地の±1
《ステップル》:場・マナの±1
《地龍神》:マナor手札の±0

《デスイキル》の方が数値が高いですが、多色であることに加え、使用後にマナに行く弊害で再利用できず《エスメル》を経由した盾回収ができなくなる恐れがあり、受けになる点も考慮し《邪覇》を採用しています。

6/15

CS優勝しました✌️
使用した構築

先日の構築より、《コブラ》1枚を《邪覇》の4枚目に変えたあと、そこの枠を《セガーレ》の3枚目に変えました。
意図としては、単純に緑の枚数を引き上げたかったことにあり、VS【ゴスペル】において《セガーレ》を早期に1枚、そして中盤に2枚目が欲しいことが多く、《邪覇》よりも優先度が上だと判断したため《セガーレ》の4枚目を採用しました。他の対面においても序盤・中盤に欲しいことも多いですし、マナ加速できなかったとしても、《エナライ》だったり《イザナギ》や《マトリクス》経由の《邪魂転生》でリソースを確保してから安定して5tにループに入るのも悪くないプランだと考えています。

また、当日は【ゴスペル】がそれなりにいたため、泣く泣く《マトリクス》を1枚削って《シャッフ》を採用しています。
※デッキが柔軟になるのは《マトリクス》を4枚採用している方なので、基本的にはそちらで大丈夫です。VS【黒緑アビス】に1枚抜かれて逆利用されるだけで概ね負けになってしまいます。
ただ、この《シャッフ》の役割は、《ストップ》や《エンドオブランド》、《キリモミ》を止めることではなく、《セガーレ》で4-7tを耐久しながら打点を揃えていく過程で、7tの《ストップ》+《コルフレ》で呪文ロックしながら除去耐性持ちの《アーテル》が止められることを阻止する意味が大きいです。

あと、《邪魂転生》の採用枚数が3か4かという相談をよく受けますが、個人的には4枚推奨です。
3枚派の意見としては、「チェインやループには関係がないし、使う時も1枚だけでいいから1枠削れる」とのことですが、「初手に引いた《邪魂転生》を埋めてしまっても、チェイン始動時に《イザナギ》で見れる10枚の山上に1枚あれば、ほぼ確定で勝ちになるカードだし、道中で使うこともあるから腐ることも少ない」ということで、明らかにメリットが大きすぎるので、そのように考えています。
ただし、どうしても枠を空けたければ、ナシではないとも思っています。


更新履歴

4/30 記事公開
5/2 『採用候補カード』項 追加
5/2 『ループまでのチェイン』項 追加
5/2 『立ち回り』項 追加
5/4 『ループまでのチェイン』項 画像の解像度の修正
5/4 『採用カード-《蝕王の晩餐》』項 一部追加
5/4 『採用候補カード-《邪魂転生》』項 一部追加
5/13 『使用経緯-【アーテルチェイン】というデッキ名の由来』項 一部追加
5/13 『構築-★重要』項 追加
5/13 『追加分-5/13』項 追加
6/1 『追加分-6/1』項 追加
6/15『追加分-6/15』項 追加 


以上で今回の解説は終了となります。

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それでは、ここらで失礼します。
ご購読いただき、ありがとうございました。

余談ですが、記事公開時、DECK MAKER様に《ステップル》と《マトリクス》で構築をあげている人が0人だったのが、地味にうれしいポイントでした。

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