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番組台本を、紙ではなくiPadで見るようになったお話
現在僕はipad Air(10.9インチ)を日々持ち歩いて使っているのですが、5月になって、注文していたApple Pencilが届きました。
Apple Pencilを使う一番の目的と言うと『絵を描くため』と言う人が一番多いと思うのですが、僕の場合は『番組台本に色々チェックをする為』でした。
1.台本を紙ではなくタブレットで見る人が増えている?
僕は主に声優さんの番組にたずさわっているのですが、色々お話聞いている中で知った事として、仕事現場での台本確認をタブレットで見る人が増えていると言う事でした。
中には番組で自主的に使う人もいて『重松千晴のどくたーちーらぼ』 の重松千春さんは数ヶ月から自主的に台本の確認に自らのiPadを使うようになりました。
僕は結構早いタイミングから電子書籍メインに移行したのもあり、タブレットで見たり操作したりするのに対する苦手感は無かったし、重松さんが使っているのを見て
「紙からタブレットに変わったら、一体どれだけ変わるのだろう?」
と思い、届いてからさっそく実践で導入しました。
2.『PDF Viewer』のダウンロード
色々と調べて見たところ、デフォルトのPDF開くソフトよりも『PDF Viewer』が良いと言う記事を見かけてダウンロードして現在使っています。
個人的には決して高機能な必要はなく、良い感じにApple Pencilが使えれば十分と言うのでこのソフトにしました。
(指には反応せずにApple Pencilでタブレットを触った時のみ書けるというのは良いですね)
3.タブレット台本のメリット
①コンパクト
これが一番のメリットですね。特に朗読有りの昼夜イベントとなると多い時は全部で100枚くらいの台本になるのですが、それが全てタブレットに集約できるのは快適!!
(多いと途中で床に落ちたりばらばらになったりストレスが多い >_<)
PDF Viewerで複数のPDFファイルを開くとブラウザのタブのように上部にPDFファイルが表示されるのですが、本編の台本から朗読台本に切り替える際はタブ部分をクリックすれば簡単に切り替わりできて実にスムーズでした。
②省スペース、空中スペースを活用できる
僕はタブレット台本を使う際はそのときどきに合わせて2つの台を使い分けています。
↑はとてもシンプルなタブレットスタンドを使っています。
(写真の真ん中です)
こちらは普段使っているバッグに常に入れていて常に使えるようにしています。タブレットスタンドは様々なものありますが、常に持ち歩く事を考えて軽くてコンパクトなのを重視しました。
使っていて特に不満点はなく快適に使えています。
↑はFALZONI制作の現場のみで使っています(写真の右側です)
写真だと分かりづらいですが、アームスタンドとなっています。
FALZONI現場だとスペース的な関係で通常の紙台本置く場所がいつもしっくりこなかったのですが、タブレット&アームスタンドでとても快適になりました。こちらは物が大きくいつも持ち運ぶのは苦労するので、現場に置かせてもらっています。
※ちなみに写真左側のiPadは音出し用に使用してて、こちらもアームスタンド使ってます。
③事前に色々メモが出来る
紙台本の場合、当日現場に入ってから頂いてそれから事前のチェック項目をメモ……としてますが、タブレット台本の場合事前にデータで頂いたタイミングでメモすることが出来て準備万端な状態で現場に入れます。
まあ、紙台本でも事前に自分で印刷してメモすること出来ますが……当日、紙台本用意してもらってるのにわざわざ自分で印刷するのも……と思い当日メモしてましたが、データでしたらお手軽に事前メモできます。
④データ保存できる
通常、紙台本だと番組終わったらそのまま捨ててしまう人が多いと思いますが、タブレット台本だとそのまま簡単に残しておくことができます。
しかも使用して色々とメモ取ったものが保存できるので、残しておくことで
「あれ?この時以前はどうだったけ??」みたいな時に簡単に確認することが出来ます。
4.タブレット台本のデメリット
①台本データ自体が無い
番組によっては事前の台本共有が無く当日現場に入って紙でもらって初めて確認……という現場があります。そういう所だとタブレット台本を使いようがないですね。
まあ「タブレットで台本見たいので事前にデータで頂けますか?」と言えば頂けるとは思いますが、わざわざそこまでするのもなあ……と言うのもあります。別に紙台本が嫌いな訳では全然無いので、現場によっては通常の紙台本使っています。
②台本データが古い
特にイベント現場等に台本更新が多い場合だと、例えば
第一稿データで届く→第二稿データで届く→第三稿データで届く→本番当日を迎える。紙台本は第五稿となっていた。
みたいな時があったりします。
こういう時は、そんなに変更が無い場合はそのままタブレット台本で確認します。
(違う所はメモして補足)
結構変更点が多くてメモで補足するのが大変な時は……現状そういった経験は無いのですが、もし遭遇した際は変更点が多い箇所のみ紙台本を使おうと思います。両方を上手く使ったハイブリット。
③先のページを確認する為に、いちいちページを変えなければいけない
例えば紙台本の場合、現在のページと次のページ同時に見ることは可能です。ただタブレット台本の場合、どうしても現在のページしか一度に確認する事は出来ません。
先日ご一緒したディレクターさんとお話した時に、タブレット台本の一番の懸念点はその部分と言っていました。常に次のページの流れも目で見て把握しておきたいと。
うん、それは凄い分かります、可能でしたら僕もその方が良いです。
ただそれは現実的に厳しいので……タブレット台本を使うならそこは慣れるしか無いと思います。
気になったら次のページぱっとめくって確認してまたすぐ元のページに戻す。
僕は電子書籍を使い慣れてるのもあり?そこは早く対応できてる感じがします。
④電源落ちたら使えない
もし充電不足や突然の不具合で電源が落ちてしまったら……これは電子機器の怖さですね。その点紙は、突然消えるような事は無いです。
これに関しては……タブレット台本使う際も、念の為に紙台本を手元置いておいた方が安心ではありますね。
5.結果的にタブレット台本はあり?なし?
メリット・デメリット共に4点挙げましたが、それらを踏まえて個人的にタブレット台本は
あり
です。
デメリットもありますが、それを上回るメリットがあると僕は感じました。
特にページ数多い際のコンパクトさは最高です。
ちなみにFMラジオ局「J-WAVE」では台本チェックのiPad導入を推し進めています。
ここ5〜10年くらいでどんどん変わっていくと思うので、どのようになっていくのか楽しみです。