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【開催レポート】第25回市民ゼロポイントブックトーク
第25回市民ゼロポイントブックトーク
開催日:第22回:2024年6月30日(日) 於:松本市中央公民館
紹介した本:福沢諭吉 齋藤孝=訳『現代語訳 学問のすすめ』(ちくま新書、2009年)
紹介者:能勢(企画運営委員)
参加者:11人(企画運営委員含む)
企画概要については告知ページをご覧ください
開催レポート
・愛国心とあるが、日本人とは?国民とは何か?国民が戦うなんて日本の歴史もふまえると危険じゃないか?/愛国が国体、天皇を守るという方にいかないか?
→ 現代語訳には「愛国心のあり方」という章タイトルだったのが誤解のもとか?原文は「国は同等なること」でした。(能勢)
・前近代的な戦争も略奪があり、庶民も安泰というわけではなかった。
フランス革命による国民軍の方が、統制が取れ、強かった。
→ ロックの前の政治哲学者:ホッブスの意図は、国内の暴力を一掃し、国内の平和を創ることでした。しかし、これだと暴力を独占した諸国家が併存してしまうため、国家間の暴力は理論的になくすことはできないのです。これはロックでもルソーでも同様です。(能勢)
・明治の頃は健全なナショナリズムだったと色川大吉が言っている。
→ 愛国心、国民/民族(nation)、国民主義/民族主義(nationalism)の問題は、 一度では話しきれない重要な問題だと思います。ナショナリズムはすべて悪か?社会契約論的な理論ではある種のナショナリズムは理論的に要請されざるを得ないのでは?(能勢)
おススメ:
・小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉--戦後日本のナショナリズムと公共性』2002年、新曜
社
・萱野稔人『新・現代思想講義――ナショナリズムは悪なのか』2013年、NHK出版新書
・福澤はものごとを一面的にとらえていないところがすぐれている。
・私は教育をお互いの違いを知るためのものだと思って教育している。/それぞれ違うからこそ、権利は平等だと福澤は主張しているのだと思う。
・精神障害における独立は福澤とは意味が違う。/主体性がないような犬でも主体性はあるのだという本がある(スナウラ・テイラー『荷を引く獣たち――動物の解放と障害者の解放』)。それを見るべきでは?
・福澤は日本人の卑屈を批判するが、今でもそうだ。アメリカには頭を下げ沖縄に強く出る。
(能勢)